上手にタネをまき、よい苗を植えることができれば、後は楽です。生長に合わせて行ういくつかの作業はどの野菜でも基本的には同じ。収穫までの作業の流れを覚えると栽培も楽しくなるでしょう。種まきから収穫までのポイントについて、書籍『決定版 一年中楽しめるコンテナ野菜づくり 85種』著者の金田初代さんに解説していただきました。

移植栽培 ポットまき

コンテナに直接タネをまかずに、ポリポットにタネをまき、間引きながら育てます。
ある程度の大きさに育ったら、コンテナに定植します。育苗期間が長い果菜類に多く利用されますが、市販の苗を利用するほうが簡単です。

人差し指の第一関節の深さに穴をあけると、均一の深さにタネがまける

画像1: 移植栽培 ポットまき

指であけた穴にタネを1粒ずつ落とし込むようにまく

画像2: 移植栽培 ポットまき

まき終わったら、まき穴の回りの土をつまむようにして穴をふさぐ

画像3: 移植栽培 ポットまき

手で軽く押さえ、タネと土を密着させて、水をやる

画像4: 移植栽培 ポットまき

上手にタネをまくコツ

慣れないとタネまきは意外に難しいもの。小さなタネは、折った紙の上に乗せて、楊枝などで一粒ずつ落としていくと効率よくまけます。

また、発芽しにくいタネは芽だしまきや、一晩水につけてからまくようにします。タネをまき終わってからかける土の量は、野菜の種類によって異なります。

発芽するときに、光が必要な好光性種子は、タネが見え隠れする程度に軽く土をかけます。反対に光を嫌う嫌光性種子は、タネの厚みの3倍量の土をかけるのが基本です。

小さなタネの場合

楊枝で1粒ずつ落とす

画像: ▼小さなタネの場合

硬いタネの場合

一晩水につけてまくと、発芽がよくなる

画像: ▼硬いタネの場合

発芽しにくい場合

水につけてから濡らした布などに包んで、根を出させてからまく(芽出しまき)

画像: ▼発芽しにくい場合

微細なタネや好光性種子の場合

ごく薄く土をかけた後、板切れで軽く押さえる

画像1: ▼微細なタネや好光性種子の場合

発芽するまで、新聞紙をかけておく(乾燥防止)

画像2: ▼微細なタネや好光性種子の場合

タネが流れやすいので、容器ごと水につけ、底部から水を吸わせる腰水で水やりする

画像3: ▼微細なタネや好光性種子の場合

好光性種子

ゴボウ
シソ
セロリ
ニンジン
パセリ
ミツバ
レタス類
シュンギク など

タネが見え隠れする程度

画像: 好光性種子

嫌光性種子

ウリ科
カボチャ
スイカ
ウリ類 など

ナス科
トマト
ナス など

アブラナ科
ダイコン
ブロッコリー
ハクサイ など

タネの厚みの3倍

画像: 嫌光性種子

タネまき後の管理

アブラナ科の野菜は害虫の被害が多いので、タネまき後に防虫ネットや不織布をかけて防虫対策をするとよいでしょう。

画像: かぶせたままで水やりもでき、防虫のほか乾燥防止にも役立つ

かぶせたままで水やりもでき、防虫のほか乾燥防止にも役立つ

発芽後の管理

季節にもよりますが、タネをまくと3~10日ほどで発芽します。発芽後は、成育のよい苗を残して適正な間隔になるように間引きます。間引くときは残す株を傷めないように注意しましょう。

発芽がそろい双葉(子葉)が開いたら、込み合っている苗を抜き取り、苗と苗の間隔を広げる作業をします。これが間引きです。
間引きをすることによって、日当たりや風通しがよくなるので、早めに間引いて徒長を防ぎます。一般に間引きは1度に行わず、野菜の生長に従い2~3回に分けて少しずつ行います。

間引き後は、株元に土を寄せて苗が倒れないようにします。この作業が土寄せです。

双葉が開いたら1回目の間引き。葉の形が悪いもの、病虫害の被害があるもの、小さいもの、大きすぎるものなどは間引く

画像: 発芽後の管理

間引きのポイント

1回目の間引き

発芽後、込み合っている部分を間引く。ハサミで切ると根を傷めない

画像1: ▼1回目の間引き

間引き後は必ず土寄せして苗を立たせる

画像2: ▼1回目の間引き

2回目の間引きは本葉が出そろった頃。隣り合った株の葉が触れ合わない程度に間引いて、適正な株間をとる

画像3: ▼1回目の間引き

2回目以降の間引き

本葉が出そろったら、生長に合わせて2~3回間引いて株間をあける

画像1: ▼2回目以降の間引き

2回目の間引き後からは、移植ゴテで土寄せを行う

画像2: ▼2回目以降の間引き

本葉が3~4枚になったら3回目の間引き。その野菜に合った十分な株間をとる

画像3: ▼2回目以降の間引き

本稿は『決定版 一年中楽しめるコンテナ野菜づくり 85種』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。



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