上手にタネをまき、よい苗を植えることができれば、後は楽です。生長に合わせて行ういくつかの作業はどの野菜でも基本的には同じ。収穫までの作業の流れを覚えると栽培も楽しくなるでしょう。種まきから収穫までのポイントについて、書籍『決定版 一年中楽しめるコンテナ野菜づくり 85種』著者の金田初代さんに解説していただきました。

支柱立て

つる性の野菜や丈が高くなる野菜には支柱を立てます。トマトやナス、ピーマン、ニガウリ、オクラ、サヤエンドウ、キュウリなどは倒れるのを防ぐために支柱が必要です。
支柱に誘引するときは、生長したときに紐に茎が食い込まないようにゆとりをもたせて結びましょう。

植えたばかりの苗には仮支柱を立てる。紐はゆとりをもたせて結び、風の害から守る

画像1: 支柱立て

つる状に伸びるスイカは、あんどん型の支柱を立てつるを絡ませる

画像2: 支柱立て

芽かき

よい果実を収穫するには芽かきをします。トマトやピーマン、ナスなどは不要な枝をつけないためにわき芽をかき取り、日当たりや風通しをよくして実を大きく育てます。

トマトは葉の付け根から出る芽をすべて取り除く

画像1: 芽かき

ナスは1番花の下2本のしっかりした芽を残し、ほかは取り除く

画像2: 芽かき

ジャガイモは大きなイモを収穫するために、太い芽を1~2本残してほかは取り除く

画像3: 芽かき

まし土

水やり回数の多いコンテナ栽培。十分に入れた用土も水やりのたびにかさが減り、根元が露出して株が倒れやすくなります。土が減ったときは新しい土を足してまし土をします。ニンジンやジャガイモなどは、緑化を防ぐためのまし土が大切です。

土が沈み、根がみえてきたらまし土をする

画像1: まし土

ニンジンなど緑化を防ぐまし土は大事な作業

画像2: まし土

追肥後にまし土をすると肥料の効果が高まる

画像3: まし土

摘心

摘心は茎の先端の芽を摘み取ることです。収穫をふやしたいときに行う作業です。バジル、クウシンサイ、シュンギク、シソなどは摘心してわき芽を出させると次々と収穫できます。また、トマトやキュウリは支柱より高く伸びたら摘心して、養分を下に回して実を充実させます。

スイカは主枝を摘心し、雌花をつける子づるの発生を促す

画像: 摘心

乾燥防止

夏は土の乾きが早く、水やりが大変です。コンテナに敷きわらをして乾燥を防ぐとよいでしょう。

野菜の中で最も乾燥に弱いサトイモは、株の周囲に敷きわらをして水やりをする

画像1: 乾燥防止

多湿を好むクウシンサイは、敷きわらをする

画像2: 乾燥防止

霜よけ

シュンギクや小カブ、ミズナ、ホウレンソウなどを寒さの厳しい時期に作るときは、不織布や寒冷紗をかけてトンネル栽培すると軟らかい上質のものが収穫でき、収穫期間も伸ばせます。

寒冷紗のトンネルを掛けて防寒すると生育が順調になる

画像1: 霜よけ

春先や晩秋にタネをまいたときは、ビニールなどで覆って保温をすると発芽がよくなる

画像2: 霜よけ

受粉

高層階のベランダでは、飛来する昆虫も少ないため、実を収穫する野菜は人工授粉が大事。雌花の開花に合わせて雄花を咲かせなければならないので、複数の株を育てると人工授粉の機会が増えます。

花粉の寿命が短いため、受粉は朝9時ころまでには済ませる

画像: 受粉

収穫

手近で栽培できるので、必要な分だけ収穫できるのがベランダ菜園のよいところです。おいしい時期を逃さず、適期に収穫しましょう。

サラダカラシナは間引きながら収穫して、残す苗の株元に光が当たるようにする

画像1: 収穫

セロリは使う分だけ外葉からかき取って収穫すると、長く楽しめる

画像2: 収穫

野菜の各部名称

画像: 野菜の各部名称

つる性野菜

画像: つる性野菜

子葉と本葉

画像: 子葉と本葉

エダマメ等

画像: エダマメ等

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なお、本稿は書籍『決定版 一年中楽しめるコンテナ野菜づくり 85種』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。日当たりのよいテラスやベランダ、玄関周り、また住まいの周辺にコンテナを置くちょっとしたスペースがあれば、野菜づくりが楽しめます。観る楽しさと、育てるよろこび。体にうれしい野菜がいつも身近にある…そんな生活はいかがですか? 本書は、見て楽しい、食べておいしい、喜びいっぱいのコンテナ菜園のつくりかたを豊富な写真とともにオールカラーで紹介しています。詳しくは下記のリンクからご覧ください。

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決定版 一年中楽しめるコンテナ野菜づくり 85種
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2022-02-08 13:43

【ベランダ菜園】コンテナ栽培に適した土づくり・肥料 市販の培養土でもOK!の記事もご覧ください。



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