【究極の手作りチーズケーキ】自家製カッテージチーズで作るベイクド・スフレ・レア3種の簡単レシピ

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牛乳から作る自家製カッテージチーズを活用した、チーズケーキ作りをご紹介します。挑戦したのは、ベイクドチーズケーキ、スフレチーズケーキ、レアチーズケーキの3種類。私自身、クリームチーズを買わないとチーズケーキは作れないと思い込んでいましたが、自家製カッテージケーキでもひと手間かければおいしく作れることを実感。しかも、カッテージチーズは低脂質で罪悪感少なめのチーズケーキが作れる点も嬉しいポイント。牛乳を大量消費したいときなどに、ぜひお試しください。

牛乳から作る自家製カッテージチーズのおさらい

まず、チーズケーキの主原料であるカッテージチーズを作ります(詳細は関連記事もご参考に)。必要な食材は牛乳と酸(レモン汁や食酢)だけ。牛乳1リットルから直径18cmのホールケーキ1個分(120ml程度のカップチーズケーキなら約6個分)のカッテージチーズが出来上がります。また、チーズケーキに活用する場合は、レモン汁を多めに使って作ると風味よく仕上がります

【カッテージチーズの材料】(出来上がり:約200g)

・牛乳(成分無調整)…1000ml(紙パック大1本)

・レモン汁+食酢(米酢やリンゴ酢など)…合計100ml(牛乳の10%程度)

レモン1個で大さじ4〜5杯程度(約60ml前後)のレモン汁が絞れます(レモンの大きさにもよるので参考まで)。

【カッテージチーズの作り方】(調理時間:約20分)水切り時間は除く

(1)牛乳を鍋に入れて弱火にかけ、ヘラで混ぜながら40〜50℃程度まで均一に温め、火を止める。

(2)火を止めてレモン汁+酢を一度に加え、木ベラなどでゆっくりよく混ぜる。

(3)混ぜていると牛乳が分離してくる。15分程度そのまま置いた後、厚手のキッチンペーパーか晒(さらし)布を敷いたザルへ移し、水分が自然に切れるのを待つ。

ここまでがカッテージチーズの基本的な作り方。チーズケーキ用のカッテージチーズは、さらにひと手間かけます。そのポイントを写真付きで紹介します!

(4)水気が切れたチーズを厚手のキッチンペーパー(さらし布も◎)に包み、手でぎゅっと絞って水分を切る。

両手で包み込み、揉むようにして水気を絞ります。

(5)水分を除いたチーズを万能こし器(またはザル)でこしながら、別のボウルに移す。

網目の裏面に付着したチーズも忘れずにこそげ落としましょう。

(6)ボウルに移したチーズを、ヘラで練るようにこすり混ぜ、なめらかにする。

こしたチーズをヘラで数分ほど練ると、こんなになめらかに!

「水気を絞る」「ザルで細かくこす」「練り混ぜる」の3ステップを加えると、カッテージチーズがクリームチーズに引けを取らないないほど、なめらかに。作りたてのカッテージチーズはやわらかく、扱いやすいことも魅力。わざわざクリームチーズを買いに走らなくても、牛乳とレモンがあればチーズケーキが作れるなんて新発見!

3種類のチーズケーキを作ってみた

準備完了。できたてのカッテージケーキを使い、ベイクド・スフレ・レアの3種類のチーズケーキを作ります。それぞれのチーズケーキの特徴、材料や手順の違いにも注目していただけたら嬉しいです。

私はお菓子作りのプロではないため、ハードルが高く感じるホールケーキ型は使わず、1人ずつ食べやすいカップ型のチーズケーキを作ることにしました。使用した容器は、100均ショップで調達したシリコンカップと耐熱性ココット。シリコンカップは内径8.5cm・高さ3.5cm(耐熱温度230℃)、耐熱性ココットは内径7cm・高さ4.5cm。どちらも容器の八分目まで(120〜130ml程度)生地を流し入れて作りました。今回紹介するレシピでカップチーズケーキ6個を作ることができます(直径15〜18cmのホールチーズケーキも同じ分量で作れますが、オーブンの焼き時間を長めにするなど調整してください)。

なお、チーズケーキ3種類の作り比べをするため、表示材料の半量(カップチーズケーキ3個分)で作りました。これからご紹介する作り方の写真は、表示材料よりも少ない点をご了承ください。

ココット(左)とシリコンカップ(右)は、オーブン調理OKかどうか確認してください。

初心者向き!ベイクドチーズケーキ

濃厚でクリーミーなベイクドチーズケーキ。

「ベイクド=焼かれた」の言葉通り、オーブンでじっくり焼いて中まで火を通すチーズケーキ。ずっしりと食べ応えがあり、生クリームを加えた濃厚でクリーミーな味わいも特徴。焼き上がりの失敗が少なく、初心者でも作りやすいチーズケーキといえそうです。なお、近年人気のバスクチーズケーキもベイクドチーズケーキの一種。ベイクドよりも高温かつ短時間で焼き上げるため、表面は黒っぽく焦げ、中身はトロッとした仕上がりになる特徴があります。

【材料】カップケーキ6個分

・カッテージチーズ…200g

・砂糖…90g(上白糖なら大さじ10、グラニュー糖なら大さじ8弱)

・卵黄…3個分

・卵白…3個分(使う直前まで冷蔵庫で冷やしておく)

・生クリーム…100ml

・レモン汁…15〜30ml(大さじ1〜2:好みで加減を)

・薄力粉…35g(大さじ4弱)

生クリームは乳脂肪分が高いと濃厚な仕上がりに(私は乳脂肪分45%を使用)。

【作り方】調理時間:約50分

(1)カッテージチーズに砂糖の半量(45g)を加え、ヘラで練り込むように混ぜる。

砂糖は粒子の細かいグラニュー糖を使いました。

(2)卵黄を1個ずつ加え、その都度よく混ぜる。

少しずつ加えてよく混ぜ、分離を防ぎます。

(3)よく混ざったら生クリームを加え、なめらかになるまで混ぜる。

ヘラをホイッパーに持ち替えて、よく混ぜます。

(4)さらに、薄力粉、レモン汁を加え、よく混ぜる。

薄力粉はふるってから加えます(ザルでふるいながら加えてもOK)。

(5)別のボウルに卵白を入れ、ハンドミキサーで軽く泡立てる。

最初は卵白だけで泡立てます。この程度まで泡立ててから、砂糖を少しずつ加えていきます。

(6)残りの砂糖半量(45g)を、3回程度に分けて少しずつ加えながら、角が立つまで泡立てる。

ボウルをひっくり返しても、すべり落ちない固さまで泡立てましょう。

(7) (4)(チーズ+卵黄など)に(6)(卵白+砂糖)を3回くらい分けて加え、さっくりと全体を混ぜる。最初に卵白の1/3程度を加えるときは、よく混ぜてOK。

最初に卵白の1/3程度を加えてよく混ぜ、残りの2/3は卵白の泡を潰さないよう優しく混ぜ合わせます。

(8)残りの2/3は、卵白の泡を潰さないよう優しく混ぜ合わせる。

卵白の白色がなくなればOK。

(9)サラダ油(分量外)を薄く塗った型に生地を入れ、180℃に温めたオーブンで30〜40分焼く。竹串を刺し、生地がついてこなければ焼き上がりのサイン。表面の焼き色が濃くなりすぎるようなら、途中でアルミ箔を覆いかぶせると良い。
※焼成温度と時間は、ご家庭のオーブンの性能に合わせて調整してください。

サラダ油を塗ったココット(左)の他に、型の底と側面にクッキングペーパーの型紙を敷いたもの(中央)、何も塗らないシリコンカップ(右)で焼き比べました!

ベイクドチーズケーキの完成です!

焼き上がり直後は、生地がこんなに膨らんでいます!

粗熱が取れたら型から外します。

時間が経つとしぼんでしまうのが、せつない……。

型や敷紙の有無による焼き上がりの大きな違いは後述しますが、どれも美味しかったです! 断面もなかなかキレイに仕上がりました。ベイクドチーズケーキは初心者でも失敗しにくいのが嬉しいですね。

濃厚なチーズケーキらしい味わいで、家族にも好評!

【応用編】バスクチーズケーキも作れる!

ちなみに、ほぼ同じ材料でバスクチーズケーキも作ることができます(薄力粉のみ半量またはナシでも可)。作り方の違いは、(1)で砂糖の全量、(2)で全卵を加えること(卵黄と卵白を分ける必要なし)。卵白を泡立てる手順が不要なので、ベイクドよりも時短・ズボラなチーズケーキといえそうです。また、オーブンで焼く温度も、ベイクドとの違いです。最初に高温の230℃で15分一気に焼いてから、180℃に下げてさらに15分焼きます。

高温で焼くため、シリコンカップではなく、ココット皿を使用。クッキングシートを手でくしゃくしゃにしたものを敷き、生地を流し入れます。

焦げたような焼き色、不均一で素朴な形もバスクチーズケーキの個性!

フワフワ、シュワッのスフレチーズケーキも作れます!

難易度やや高め!スフレチーズケーキ

フワッとした軽い食感のスフレチーズケーキ。

「スフレ」は吹く、膨らむなどを意味するフランス語。ベイクドとの違いは、生クリームではなく牛乳を使い(生クリームを使うレシピもあり)、バターを加えてコクをアップさせる点。また、オーブンでじっくり湯煎焼きするのが最大の特徴で、独特のふわっとした軽い食感、しっとりした口どけ感が生まれます。表面が割れないよう美しく仕上げるためのオーブンの温度調整がキモで、3種類の中で最も難易度が高いと私は感じました。

【材料】カップケーキ6個分

*赤字=ベイクドチーズケーキと材料が違うもの

・カッテージチーズ…200g

・砂糖…90g(上白糖なら大さじ10、グラニュー糖なら大さじ8弱)

・卵黄…3個分

・卵白…3個分(使う直前まで冷蔵庫で冷やしておく)

牛乳…100ml

無塩バター…20g(室温に戻し柔らかくしておく)

・レモン汁…15〜30ml(大さじ1〜2:好みで加減を)

・薄力粉…35g(大さじ4弱)*薄力粉の半量をコーンスターチにしてもOK

ベイクドチーズとの材料の違いは「牛乳」と「バター」だけ!

スフレチーズケーキの作り方のポイントは、卵黄と卵白を分けて最後に合わせること。ベイクドと共通しますが、スフレは卵白の泡立てがふわふわ食感のポイントなので、しっかり泡立て、後で卵黄+薄力粉と合わせる際にも卵白の泡をできるだけ潰さないよう注意しましょう。また、スフレは生地の仕上がりがやわらかくて型から外しにくいため、底と側面に敷紙を使うことをおすすめします。

【作り方】調理時間約70分

(1)カッテージチーズ、牛乳、バター、砂糖の半量(45g)をボウルに入れ、ぬるま湯(50〜60℃)で湯煎しながらホイッパーでよく混ぜる。
*作りたての柔らかいカッテージチーズ、室温に戻した柔らかいバター、電子レンジで温めた牛乳(600W・30秒程度)を合わせて混ぜる場合は、湯煎ナシでOK。

前日に作って冷蔵庫に保管していたカッテージチーズなので、湯煎しながら混ぜました。

(2)なめらかに混ざったら湯煎から外し、卵黄を1個ずつ加え、その都度よく混ぜる。

卵黄を加えるときは必ず湯煎から外すこと(熱で卵黄が固まるのを防ぐため)。

(3)ふるった薄力粉、さらにレモン汁を加え、よく混ぜる。

粉っぽさがなくなるまでよく混ぜます。

(4)別のボウルに卵白を入れ、ハンドミキサーで軽く泡立ててから、残りの砂糖半量(45g)を3回程度に分けて加えながら、角が立つまで泡立てる。

卵白を泡立てる手順はベイクドと共通。スフレは、卵白のキメ細かい泡立ちがキモなので、より丁寧に。

(5) (4)(チーズ+卵黄など)に(5)(卵白+砂糖)を3回程度に分けて、合わせる。1回目はよく混ぜてOK。

まず、泡立てた卵白をホイッパーでひとすくいして、卵黄入りのボウルへ。

1回目に加えた卵白は、泡が消えても良いので、よく混ぜます。

(6)2回目と3回目はヘラに持ち替え、卵白の泡を潰さないように優しく全体を混ぜる。

優しく全体を回すように合わせます。

(7)型の底と側面にクッキングペーパーで作った敷紙をしき(側面の敷紙は型の寸法より1cm程度高めにする)、生地を流し入れる。

写真中央の「敷紙あり」がスフレにはおすすめ。サラダ油を塗ったココット(左)、何も塗らないシリコンカップ(右)でも焼けますが、取り出す際に崩れやすい。

(8)オーブンの天板に、ひと回り小さいバットをのせ、バットの底にクッキングペーパーを2枚程度敷き、生地を入れた型を並べ、1〜1.5cm程度の高さまでお湯(80℃くらい)をはる。

オーブンから出し入れする際にお湯がこぼれてヤケドしないよう注意!

(9)120℃に予熱したオーブンに入れ、設定温度を110℃に下げて30分焼き、さらに180℃に温度を上げて15分焼く(温度を上げながら最後の5〜10分で表面に焼き色をつけるイメージ)。竹串を刺し、生地がついてこなければOK。
※高い温度で表面を焼いてから温度を下げて焼く方法も試しましたが、表面の割れが少ないのは上記の110℃→180℃焼きでした。
※焼成温度と時間はご家庭のオーブンの性能に合わせて調整してください。

スフレチーズケーキが焼き上がりました!焼きたては型崩れしやすいため、冷蔵庫で一晩冷やしてから、型から外します

表面の焼き色は好みで加減を。

冷蔵庫で寝かせると型から外しやすくなり、しっとり感もアップ!

ベイクドとスフレは、よく似た材料なのに、焼き方の違いで食感が驚くほど別次元に。口にした瞬間、シュワッとした軽い口どけが楽しめるのが、スフレチーズケーキならではの特徴。レモンの風味も、ベクドよりスフレの方がより強く感じられる気がしました。

ひんやり美味しいレアチーズケーキも!

火を使わず作れて簡単!レアチーズケーキ

「レアチーズケーキ」は焼かずに冷やし固めるのが特徴です。火を使わず作れて、材料も少なく、3種類の中で最も手間いらず。色白ケーキなので、好みのジャムやフルーツをトッピングすると“映える”のも楽しいです。また、ベイクドとスフレは生地を焼くため砂糖の量が少ないとパサつきや膨らみの悪さの原因になりますが、焼かずに作れるレアチーズは砂糖を控えめにしても問題ありません

【材料】カップケーキ6個分

*赤字=ベイクドと材料や量が違うもの

・カッテージチーズ…200g

・砂糖…72g(グラニュー糖大さじ6)※粒子が細かく溶けやすいグラニュー糖がおすすめ

・生クリーム…100ml

・レモン汁…15〜30ml(大さじ1〜2:好みで加減を)

粉ゼラチン…5g(小さじ2弱)

…15ml(大さじ1)(粉ゼラチンをふやかす用)

材料は最もシンプル。「卵」「薄力粉」いらず。固まらせずムース状態でOKなら、粉ゼラチン+水も不要。

【作り方】調理時間:約15分(冷蔵庫で固める時間除く)

(1)粉ゼラチンに水を加え、ふやかす。

板ゼラチンでもOK。ゼラチンによって扱い方が異なるのでパッケージなどを参考に。

(2)生クリームを7分立てにする(ボウルに氷水を当てて冷やしながら泡立てると良い)。

やわらかい角が立ってすぐ折れるくらいが、7分立ての目安。

(3)ふやかしたゼラチンを60℃程度のお湯で湯煎して溶かす。

(4)ボウルにカッテージチーズを入れてクリーム状になるまでヘラでよく混ぜ、砂糖を加え、なめらかになるまで混ぜる。さらに、レモン汁、(3)(溶かしたゼラチン)を加え、よく混ぜる。

砂糖のダマが残らないようチーズになじませます。

(5) (2)(7分立ての生クリーム)と(4)(チーズ+砂糖など)を合わせ、ヘラでよく混ぜる。

このまま食べてもチーズムースみたいで美味しいです!

(6)型に生地を流し入れ、冷蔵庫で1時間以上冷やす。

クッキングペーパーを敷紙代わりにしいたココット(左)、そのままのココット皿(中央)、そのままのシリコンカップ(右)で試作。

レアチーズケーキのできあがりです!

型の底と側面をぬるま湯で少し温めると、外しやすくなります。

型にクッキングペーパーを敷いて作ったレアチーズ。ちょっと水分が抜けた感じに(味はおいしいです)。

材料を混ぜて、冷やし固めるだけ。3種類のチーズケーキのうち、簡単さでは、レアチーズケーキが群を抜いています。ゼラチンで固めるので生クリームをわざわざ泡立てなくても良いのですが、カッテージチーズにふわっとしたクリーミーな食感がプラスされるので、私は泡立てて加えることをおすすめします。また、型を使わずグラスなどに作って、そのままスプーンで食べる場合はゼラチンなしでも大丈夫です(チーズムースとして楽しめます)。

3種類のチーズケーキを3通りの焼き型で試作した感想

ベイクドチーズケーキ(写真左の縦列)、スフレチーズケーキ(写真中央の縦列)、レアチーズケーキ(写真右の縦列)を、それぞれシリコンカップ(写真手前の横列)、ココット皿・敷紙なし(写真中央の横列)、ココット皿・敷紙あり(写真奥の横列)で作り比べをし、完成した全てのケーキがこちら!

いずれも、おいしそうにできあがりましたが、お味はいかに!?

作る際の手間、型の外しやすさ、焼き上がりの状態、家族と一緒に食べ比べた結果を総合的に判断し、私は下記のように結論づけたいと思います!

◆ベイクドチーズケーキ

ココット皿・敷紙なし(内側にサラダ油を塗布)またはシリコンカップで焼くのがおすすめ。いずれも底を叩くだけで型離れしやすく、膨らみ方や焼き色が均一に仕上がりやすい(ただし、シリコンカップは底の焦げ色が強め)。チーズと生クリームの濃厚さ、しっかりとした生地の身詰まり感を楽しめる。敷紙ありでもおいしく焼き上がるが、手間がかかり、焼き縮みも強い。

◆スフレチーズケーキ

ココット皿・敷紙ありがおすすめ。敷紙があると型から外しやすく、崩れにくい。また、焼き色も平均的で、シュワっとした半生感とふわっとした生地のバランスが最も良い。敷紙なしのココット、シリコンカップは型から外す際に崩れやすく、型に焼いた生地が剥がれて残りやすい。なお、シリコンカップの場合は底のみに敷紙をしくだけでも型離れがしやすくなる。

◆レアチーズケーキ

シリコンカップがおすすめ。底をぬるま湯に少し浸せば、型離れが容易。やわらかく、なめらかな食感を楽しめる。ココット皿は厚みがあるのでお湯に浸す時間を長めにしないと外れにくく、そうなると底面が溶けやすくなって、ややドロッとした見た目になる。敷紙ありはレアチーズの水分を吸って、やや固めに仕上がり、ケーキの表面にペーパーの模様などが残りやすい。

チーズケーキごとに、おすすめの型に印をつけたのでご参考に!

チーズケーキ3種類の栄養素を比較

チーズケーキを、クリームチーズで作った場合と、カッテージケーキで作った場合では、どのくらい脂質が抑えられるのか?今回作った3種類のチーズケーキのレシピで栄養価を計算し、検証してみました。

◆チーズケーキの栄養チェック!

※『日本食品標準成分表2020年版(八訂)』(文部科学省)記載データより筆者が栄養価を計算、エネルギーとカルシウムは小数点以下四捨五入、脂質・たんぱく質は小数点一位以下四捨五入。今回作ったレシピの「チーズ」の分量をカッテージチーズ200gで作った場合と、クリームチーズ200gで作った場合を比較。レモン汁は30mlで計算。

ベイクド・スフレ・レアいずれも、クリームチーズをカッテージチーズに変えて作るだけで、なんと脂質は約1/2に!エネルギー量も25〜30%程度カロリーダウンできることが分かりました。さらに、カッテージチーズを使う方がたんぱく質を多く摂取できることも判明。カルシウムはクリームチーズにやや軍配ありですが、大差なしともいえます。“カロリー爆弾”のイメージがあるチーズケーキも、カッテージチーズで作れば罪悪感が薄まるという根拠が裏付けられました。

まとめ

カッテージチーズは、ボソボソとした食感がお菓子作りには不向きと思われがち。でも、作りたてのやわらかいうちによく練ることで、驚くほどなめらかになり、口当たりの良いチーズケーキを作ることができます。また栄養面でも、クリームチーズで作るよりも脂質とエネルギーが抑えられ、たんぱく質補給の助けになる優等生です。「チーズケーキ大好き!」な人は(私もその一人)、ぜひカッテージチーズ作りから挑戦してみてください。

なお、手作りカッテージチーズは、できたてのやわらかい、その日のうちに使い切るのが一番おすすめ。手作りは室内の雑菌などが入りやすいので、冷蔵保存して使う場合も、なるべく空気に触れないよう密閉できる容器に保管して、数日中に使い切ってくださいね。

参考文献:谷口亜樹子編著『食品加工学と実習・実験』光生館,2020年、久保田紀久枝・森光康次郎編『食品学-食品成分と機能性-』東京化学同人,2017年、(交社)フードスペシャリスト協会編『三訂 食品の官能評価・鑑別演習』『調理学 第2版』建帛社,2020年

レシピ協力(カッテージチーズ&ベイクドチーズケーキ)◆食品学専門家 青山佐喜子さん
博士(学術)・管理栄養士・製菓衛生師・食生活アドバイザーで、短期大学の食物栄養学科などで長年にわたり多くの栄養士を育成。数多くのオリジナルレシピを教え子たちに伝えてきた。筆者も教え子の一人。

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文◆ 野村ゆき(栄養士・編集ライター)
編集ライター歴25年以上。食と栄養への興味が高じて、栄養士免許と専門フードスペシャリスト(食品流通・サービス)資格を取得。食品・栄養・食文化・食問題にかんする情報を中心に分かりやすい記事をお届けします。今回のチーズケーキ試作では失敗も含めて4日を費やし、牛乳4本を使い切るほど没頭。カッテージチーズ作りでできたホエイ(乳清)はカレーに活用しました。またの機会に簡易版のクリームチーズ作りもご紹介したいと思います。

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