キャンプを楽しむうえで、やはり「雨対策」は欠かせない。例えば、真夏だとしても、標高が高い場所にあるキャンプ場は気温がさほど上がらないため、雨で身体を濡らしてしまうと体温低下による体調不良を引き起こしやすい。こうしたリスクを避けるには、レインウェアを着用するのはもちろん、設営や撤収などの作業も効率的に行う必要がある。今回は、キャンプの雨対策や必要な道具類についてわかりやすく解説しよう。

【撤収時】濡れたテントやタープは大きめのビニール袋に収納】

残念ながら撤収日に天候の回復が見込めないなら、現地でテントを乾かすのはまず不可能だ。濡れたままの状態で持ち帰るほかないが、収納袋にそのまま入れると水が漏れ出す可能性が高い。

そこで出番となるのが、ゴミ袋などのビニール袋。収納袋に仕舞うよりかなりかさばってしまうが、濡れたテントやタープはこうした大きめのビニール袋に入れて持ち帰るのが最も手っ取り早い。
この際、晴天時の感覚でテントやシートをきっちり畳もうとすると、地面との接触頻度がどうしても増えるのでテントやタープに泥がつきやすくなる。ビニール袋に入れる際は、大雑把に水を払って軽く畳む程度に留めたほうが無難だ。水漏れが気になるときはビニール袋を二重にしてもいい。予算に余裕があれば、大型のドライバッグを準備しておくのも手だ。

画像: ゴミ袋などのビニール袋は安価だが、破れやすいのが難点。水漏れが心配なら、防水加工を施したドライバッグを利用しよう。 ec.coleman.co.jp

ゴミ袋などのビニール袋は安価だが、破れやすいのが難点。水漏れが心配なら、防水加工を施したドライバッグを利用しよう。

ec.coleman.co.jp

几帳面な人ほどタオルなどで少しでも水気を切ってから、と考えるだろうが、その程度の処置では焼け石に水だ。テントの乾燥は帰宅後に改めてすればいいと割り切って、とにかく片付けのスピードを優先しよう。

画像6: 【キャンプの雨対策】突然の降雨でも慌てずに対処するための方法と必須ギアを解説
コールマン(Coleman) アウトドアドライバッグ L 約110L 170-6899
サイズ:使用時/約40×95cm、収納時/約35×20cm
質量:約770g
材質:PVC
付属品:ショルダーベルト
ロールアップで水の浸入を防ぐ構造
¥3,591
2022-05-20 23:15

 

【帰宅後】濡れた道具のケアは自宅で

キャンプ道具のメンテナンスに対する考え方は人ぞれぞれだが、現地で手間を掛け過ぎると貴重な時間を大幅に費やしてしまう。ましてや雨天時は道具がなにかと汚れやすく、しっかりと手入れしようとすれば、さらに多くの時間を要する。
雨とはいえ、せっかくのレジャーなのだから、筆者としては現地での手入れはほどほどに済ませて、そのぶんで浮いた時間を観光スポットの立ち寄りなどに当てたほうが建設的と考える。

そもそもキャンプチェアやテーブル、食器など、大半のキャンプ道具はアルミやステンレス素材を用いたり、表面に防水加工を施していたりなど、水濡れや汚れにも強い場合がほどんど。帰宅してから数日間のあいだに汚れをタオルで拭いたり、乾かしたりすればいい。もっとも、これはあくまで筆者の考えなので、キャンプ道具の劣化がどうしても心配なら、現地でしっかり手入れするのもアリだろう。

画像: キャンプ道具は屋外で使用する前提で作られているため、通常は少々の水濡れや泥汚れ程度で直ちに劣化するものではない。筆者は、キャンプ道具のメンテナンスは帰宅後にまとめて処理しているが、手慣れた自宅のほうがやはり面倒がない。

キャンプ道具は屋外で使用する前提で作られているため、通常は少々の水濡れや泥汚れ程度で直ちに劣化するものではない。筆者は、キャンプ道具のメンテナンスは帰宅後にまとめて処理しているが、手慣れた自宅のほうがやはり面倒がない。

ただし、すぺてのキャンプ道具が水濡れに強いかというと例外もある。例えば、鋳造ペグや一部のポールなどの「鉄製品」。多くは防水加工が施されているので簡単にサビることはないが、長く使っていると防水性はどうしても低下する。とはいえ、悪天候では完全な乾燥は難しいので、現地ではタオルなどで軽く拭いておき、自宅に帰ってから早めに乾かし、必要ならサビ止めオイルなどを塗っておくといいだろう。

さらに、テントやタープについても注意が必要。濡れたままの状態で保管しておくとカビやシーム剥がれが発生し、寿命を縮めてしまう可能性がある。自宅に帰ったらベランダや庭などで早めに乾かすようにしよう。
自宅での乾燥が難しいときは自治体の条例や公園の規則次第だが、近場の公園を乾燥の場として利用する手もある。ただし、ルール等で禁止されていなくても、公共マナーに配慮し、ほかの利用者の邪魔になったり、危険が及んだりすることがないように注意しよう。

まとめ

雨キャンプは極力避けるようにしていても、キャンプ場ではいつ雨に見舞われるかわからない。最低でもレインウェアと傘、大きめのビニール袋、グランドシート(ブルーシート)は常備しておき、予期せぬ降雨の対策を整えておこう。

また、天候がいまいち読み切れない場合は、タオルや着替えも多めに所持しておくと安心感がある。万が一、雨で着衣が濡れてしまっても着替えがあれば身体を冷やすこともないし、タオルは濡れた身体はもちろん、汚れたキャンプ道具を拭くのにも役立つ。

繰り返しになるが、雨キャンプは行動が大きく制限されるほか、設営や撤収、道具のケアなどの作業も通常よりかなり手間が掛かる。そうした環境を楽しめるか否かは人それぞれだが、いまいち自信がないのなら雨キャンプは避けたほうが無難だ。

◆篠原義夫(フリーライター)
パソコン雑誌や家電情報誌の編集スタッフを経て、フリーライターとして独立。専門分野はパソコンやスマホ、タブレットなどのデジタル家電が中心で、初心者にも分かりやすい記事をモットーに執筆活動を展開中。



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