キャンプの雨対策は必須!
普段の生活なら、ちょっとした雨は傘を差さないで済ませる人も多いだろうが、そうした日常感覚をキャンプに持ち込むのは危険だ。街中ならともかく、自然真っ只中のキャンプ場で濡れた身体を乾かすのは時間が掛かるし、そもそも季節によっては自然乾燥が難しい場合もある。
やや極論となるが、キャンプの雨対策とは「身体を濡らさないための工夫」という一点に尽きる。キャンプ道具の濡れ対策や、テントの浸水防止などはもちろん重要だが、これらはあくまで副次的なものだ。まずは雨から身をしっかり守ってこそ、雨キャンプもストレスなく楽しめるというものだ。
「雨キャンプ」は原則避けよう
キャンプは屋外で楽しむレジャーゆえ、雨が降っていると一般論としてアクティビティとしての魅力は大幅に落ちる。散策も自由にできないし、焚き火や料理をするのにも難儀をする。最悪、雨が止まなければキャンプ場に滞在中、ほぼテントやタープ下にこもることも覚悟しなくてはならない。
さらに、雨の場合は、設営や撤収、濡れた道具の後始末など、通常よりあらゆる作業がひと手間が掛かるのも大きなネックだ。これでは気分転換のためにキャンプに来たつもりが、雨対策に追われるあまり、かえってストレスになりかねないだろう。
それに雨天時は、怪我や事故のリスクが高まるという点も注意したい。ぬかるみで転倒しやすくなるのは当然として、キャンプ場にある渓流や池の水嵩が増せば、水難事故にも遭いやすくなる。
よく整備されたキャンプ場ならぬかるみも少なく、水場も簡単に氾濫することはないだろうが、危険性は皆無ではない。それゆえ、特にファミリーキャンプでは、子供の見守りにいっそう神経を使う必要があり、晴天時より親の負担は確実に増える。

雨の日は、地面のぬかるみや河川の増水など、怪我や事故のリスクが高まる。子供連れのファミリーキャンプににはあまり適していない環境だ。
キャンプの雨対策は「予期せぬ雨」に備えるものと心得よ
キャンプ愛好家には「雨も一興」という人もいるが、これはあくまでキャンプに手慣れた人のみが到達しうる玄人の境地だろう。キャンプを始めて日が浅かったり、そもそも雨が苦手だったりする場合は、雨は単なる悪天候にほかならず、ただただデメリットでしかない。
雨対策の重要性を説きながら「雨キャンプは避けよう」といわれると矛盾していると感じるかもしれないが、筆者としてはキャンプの雨対策は、予期せぬ降雨に備える「転ばぬ先の杖」と捉える。当日に雨が降る可能性が高いとわかっているのなら、苦渋の決断となるだろうが、無理はせずに予定を変更したほうがいい。
ただし、予約のキャンセルは、利用日間近ほどキャンセル料がかさむ場合がほとんど。最低でも予約の1週間前には天気予報をチェックして、天気が悪そうであれば早めにキャンセルを決断したほうがいいだろう。天候が理由であれば、キャンプ場側でもキャンセルに理解を示してくれるはずだ。

「tenki.jp」など、地点単位の天気予報を利用できるウェブサービスを利用すれば、雨の日のキャンプは極力避けられるはずだ。
tenki.jp結局、雨の日のキャンプは楽しめる?
筆者としては雨の日のキャンプはやはりデメリットが多いと感じるため、可能な限り避けたいというのが本音だ。ただし、十人十色ともいうべきか、天気の好悪については人ぞれぞれの部分もあるので、雨の日のキャンプを好む意見もある。
例えば、「キャンプ場が空いている」「テントに響く雨音が心地良い」「虫があまりいない」「涼しくて過ごしやすい」といった具合に、雨キャンプを前向きに捉える人も一定数いる。

雨の日のキャンプ場は利用者が少ないことが多く、のんびり過ごしやすい。
こうした境地に到れるかは人それぞれだが、いずれにせよ、ビギナーがいきなり雨前提のキャンプに臨むのは無謀だ。キャンプをしばらく続けていれば、設営や撤収時などに突然の通り雨に祟られることは意外に多くある。雨キャンプにチャレンジするのは、こうした経験を積んで雨対策に慣れてからにしたほうがいい。