身のまわりのものは、ほとんどがごくシンプルな形の組み合わせに置きかえられます。立体物を描くには、パースという遠近感を表現する技法を理解することが大切です。基本的な立方体の描き方と、「透視図法」の使い分けについて、著者の松原美那子さんに解説していただきました。
立方体の描き方
斜めから描くときは、側面をすぼめる
側面をすぼめて、手前の辺は垂直に描く
立方体をほぼ正面から描く場合は、奥行きを示す上面をすぼめることで立体感が生まれます。
一方、斜めから描く場合は、側面をすぼめるのがポイント。
側面の上下の辺を奥に向かってややすぼめて描くだけで、立体感を表現できます。
また、一番手前にくる辺を、紙に対して垂直に描くのも重要です。
手前の辺が傾いていると、モチーフ全体が傾いて見えてしまうので注意しましょう。

側面の上下の辺をすぼめて描かないと、ゆがんで見えてしまう。

▼じっさいに立体物を斜めから描いてみましょう。
①手前の辺をまっすぐに垂直に描く。

②正面と側面の上下の辺を描き、平行な線で結ぶ。

③上面の辺を描く。

▼パースの基本を理解しましょう。
斜めから描くなら「2点透視図法」
モチーフを斜めから描くときは、「2点透視図法」を用いるのが一般的です。
2点透視図法では、奥行きを示す線は、左右に存在する2つの消失点に収束します。
一方、一番手前にくる辺のように高さを示す辺は収束せず、平行線となります。

奥行きを示す上下の辺を伸ばすと、2つの消失点に収束します。
本稿は『はじめてのデッサン教室 60秒右脳ドローイングで絵が感動的にうまくなる!』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。