身のまわりのものは、ほとんどがごくシンプルな形の組み合わせに置きかえられます。立体物を描くには、パースという遠近感を表現する技法を理解することが大切です。基本的な立方体の描き方と、「透視図法」の使い分けについて、著者の松原美那子さんに解説していただきました。
立方体の練習 60秒ドローイング
キャラメルを描いてみよう
斜めから立方体を描くときと同じように、側面をすぼめて奥行きを出すことを意識してキャラメルを描いてみましょう。

▼キャラメルを60秒で描くポイントを見てみましょう。
①テーブルとの接地部分をよく観察しながら、下の2つの直方体を描く。

②それぞれの辺の傾きに注意しながら、上の直方体も描く。

③奥行きを表す面を描き、水平、垂直に合わせて陰影を描く。

キャラメルは立方体ほど高さがなくて、少し平べったい形です。
この形さえ描ければ、溝を描くだけでキャラメルらしくなります。
重なり合って濃く見える部分に陰影をつけると、立体感が強調されます。

さらに陰影を加えます。キャラメルの表面の溝や、切り口の細かな凹凸、角の丸みや光沢も描写してみましょう。
よりキャラメルらしさが伝わります。

▼ステップアップ 高さを強調する「3点透視図法」
2点透視図法は、左右に2つの消失点がありますが、さらに、上下どちらかの方向に消失点を1つ加えると3点透視図法になります。
1点透視図法、2点透視図法では、奥行きを示す線だけが消失点に収束しますが、3点透視図法の場合、高さを示すタテの線も消失点に収束します。

本稿は『はじめてのデッサン教室 60秒右脳ドローイングで絵が感動的にうまくなる!』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。