人物を自然なバランスで描くには、基準になる全身の比率を知っておくことが大切。そして、「アタリ人間」でアタリをとるのが基本です。人物のアタリとしてよく知られているのは、線で表現した「棒人間」ですが、棒人間には、体の立体感をつかみにくいという弱点があります。そこでおすすめしたいのが、手足を線で、胴体部分を台形と長方形で表した、「アタリ人間」です。人体の描き方について、著者の松原美那子さんに解説していただきました。
人体の比率ってどうなっているの?
人物を描くうえで、まず知っておきたいのが体の比率です。
個人差はありますが、基準の比率にのっとって描くとバランスが狂いにくくなります。
反対に、人物を描いていて違和感を覚えたら、比率が狂っている可能性大。比率が合っているかどうか確認を。
頭から首、首から胴体と、上から順に描くのがよいでしょう。
7頭身が基準
成人は7頭身が基準(マンガやイラストでは8頭身で描かれることも)。
頭1個分のところにあご、頭2個分のところに胸(バストトップ)、頭3個分のところにへそがくる、という具合に、頭身を基準に体の各パーツの長さを設定すると、自然なバランスで描けます。

上半身の比率
あごからバストまでは頭1個分が目安となり、これを3等分すると、ちょうど肩の位置に。

頭と肩幅の比率
肩幅は「顔の幅のおよそ2倍」が目安。身長の4分の1と覚えてもOK。

年齢と頭身の違い
頭身によって年齢の違いを表現できます。
2〜3歳を描くときは4頭身、6〜9歳を描くときは5頭身、17歳以上を描くときは7頭身を基準に。

本稿は『はじめてのデッサン教室 60秒右脳ドローイングで絵が感動的にうまくなる!』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。