人物を自然なバランスで描くには、基準になる全身の比率を知っておくことが大切。そして、「アタリ人間」でアタリをとるのが基本です。人物のアタリとしてよく知られているのは、線で表現した「棒人間」ですが、棒人間には、体の立体感をつかみにくいという弱点があります。そこでおすすめしたいのが、手足を線で、胴体部分を台形と長方形で表した、「アタリ人間」です。人体の描き方について、著者の松原美那子さんに解説していただきました。
人物を観察するときのポイントは?
体の正中線を意識して見る
頭のてっぺんから足のつけ根まで、体表の中央を通る線を「正中線」(体の中心線)といいます。
正中線は常に直線というわけではなく、体の向きや姿勢によって弧を描いたり、S字になったりします。
「アタリ人間」でアタリをとるときは、正中線が台形と長方形で構成される胴体の部分をどのように通っているのかを、しっかり観察しましょう。
腰に手を当てて体を少し傾け、足を大きく開いたポーズ。アタリだけでも、ポーズがよくわかります。


こちらは、体を反対側に傾けていて、左右の手の位置も違っています。


本稿は『はじめてのデッサン教室 60秒右脳ドローイングで絵が感動的にうまくなる!』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。