【松ぼっくりでご飯を炊く】持続可能なエネルギー!何個燃やせばラーメンが食べられてご飯が炊けるのか?愛用の焚き火台で試してみた

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非常時にも焚き火台をひとつ用意しておけば、小枝や薪などを使って調理ができるから安心。なんて話を聞くことがあります。とはいえ、焚き火台だけ用意しておいても、いざというときに薪がなければ、火は起こせないわけです。そこで筆者はいろいろと考えた結果「松ぼっくり」がいくつあれば、煮炊きができるのかを検証することにしました。カップラーメンを作るお湯を沸かすには「何ぼっくり」、メスティンでご飯を1合炊くには「何ぼっくり」必要なのか、実際に調理してみましたので、その様子を報告します。

執筆者のプロフィール

齋藤千歳(さいとう・ちとせ)

元月刊カメラ誌編集者。新しいレンズやカメラをみると、解像力やぼけディスク、周辺光量といったチャートを撮影したくなる性癖があり、それらをまとめたAmazon Kindle電子書籍「レンズデータベース」などを出版中。まとめたデータを元にしたレンズやカメラのレビューも多い。使ったもの、買ったものをレビューしたくなるクセもあり、カメラアクセサリー、車中泊・キャンピングカーグッズなどの記事も執筆。現在はキャンピングカーを「方丈号」と名付け、約9平方メートルの仕事部屋として、車内で撮影や執筆・レビューなどを行っている。

焚き火台があっても燃料はどうする?

近所で「松ぼっくり」を拾っていたら褒められた!

近所の公園や広場などで拾ってきた「松ぼっくり」。集めていると施設の方に背後から「ありがとうございます」と感謝の声をかけていただきました。

筆者も所有しているのですが、焚き火台があれば、非常時などにも小枝などを燃やして調理をしたり、暖をとったりできるからひとつ持っておいて損はないという話を聞くことがあります。

しかし、筆者は非常時などにどこから暖をとったり、炊飯をしたりするのに十分な量の乾燥した小枝を確保するのか、想像できないのです。焚き火台は基本的にホームセンターなどで購入した薪や炭を燃やすもので、いざというときに火を起こすにも、それらのストックが必要ではないでしょうか? であれば、カセットガスをストックする方が現実的だと思うのです。

ですが、ある日散歩をしていると、道端に転がる大量の「松ぼっくり」を発見。これなら、拾っても、誰にも迷惑は掛からないと考えました。

そして、近くの公共施設の道端に落ちている「松ぼっくり」を拾いに出掛けたのですが、拾っていると背後から「ありがとうございます!」という声。振り返ると施設の方が「掃除していただいてありがとうございます」と声をかけてくれたのです。「アウトドアで燃やすのにほしいのですが、問題ないですか?」と聞くと「どうぞ、好きなだけ持って帰ってください」とのこと。

場所によって事情は異なるでしょうが「松ぼっくり」を拾って感謝までされるとは思いませんでした。

「松ぼっくり」を燃料にカップ麺を作る

どのくらいの重さなのか? 計ってみた

拾ってきた「松ぼっくり」。公園や公共施設などでも拾い集めてよいものか、あらかじめ確認しておくとよいでしょう。

拾ってきた「松ぼっくり」。きっと松の種類などによって大きさなども異なるのでしょうが、今回拾ってきた「松ぼっくり」がどのくらいの大きさ・重さなのかわかるように重さを量ってみました。

個体差はもちろん、多少の破損などもあるので10個ほどまとめて計ると約53g。だいたいひとつ5g前後というところでしょうか。これを何個集めるとカップラーメンのお湯が沸かせたり、ご飯が炊けたりするのかを試してみたわけです。

カップヌードルは20ぼっくりで完成

とりあえず、困ったときの非常食はカップヌードルだと考えてお湯を沸かしてみました。焚き火台は筆者愛用の「カマド スマート ストーブ <デルタ>」です。

困ったときの非常食といえば、カップ麺。そして、みんなが知っているカップヌードルがわかりやすいと考え、これを作るためのお湯を「まつぼっくり」で沸かします。

カップヌードルを作るのに必要なお湯は約300ml。蒸発分を考慮してダイソーのメスティン(1.5合、フッ素加工)には350mlの水を入れました。また、焚き火台のキャプテンスタッグ「カマド スマート ストーブ <デルタ>」には、最初10個の「松ぼっくり」を投入して着火。ちなみに「松ぼっくり」はアウトドアで着火材として使われることもあるほど、乾燥していると燃えやすいので、チャッカマンなどを使えば、直接火をつけられます。

実験前からさすがに10個(約50g)では300mlのお湯は沸騰しないとだろうと考えていましたので、火が弱くならないように約5個ずつ、焚き火台に余裕ができたら逐次「松ぼっくり」を投入して行きました。15個でかなりメスティンの底に泡ができてきましたが、本格的にお湯が沸騰するには20個の「松ぼっくり」が必要でした。

沸騰したお湯を注いでカップヌードルを作り食べましたが、当たり前ですが、いつもどおりのおいしさでした。「松ぼっくり」を20個も拾ってくれば、お湯を沸かしてカップヌードルが食べられることを知ると、これで非常時もなんとかなるのでは? という気持ちになるのがいいことなのかは筆者は判断が付きません。

もっとたくさんの「松ぼっくり」が必要かと思いましたが、20ぼっくりで約350mlのお湯が沸騰しました。思う以上に「松ぼっくり」には火力があるようです。

「松ぼっくり」でご飯を一合炊いてみた

思った以上に簡単にお湯が沸いたので、せっかくなのでご飯も炊いてみようと考え、ダイソーのメスティンでご飯を1合炊いてみました。

メスティンでご飯一合25ぼっくりで完成

筆者はおかずなどがほとんどなくても、炊きたてのご飯があれば、結構な量食べられてしまうタイプです。ある意味、自宅に米のストックさえあれば、72時間(3日間)くらいは、なんとかなると思っています。

そこで非常に燃料がなくても「松ぼっくり」でご飯が炊ければ、すごく安心だと考えて、ダイソーの「メスティン1.5合」を使って、ご飯を炊いてみました。

ご飯と炊飯に必要な量の水をメスティンに入れて30分ほど給水させてから、炊飯を開始します。最初に「松ぼっくり」を10個入れて火をつけ、5個ずつ単位程度で足していくのはお湯を沸かすときといっしょです。しかし、炊飯の場合は一度吹きこぼれる程度まで沸騰させる必要があるので、火力が弱くならないように、お湯のときよりもハイペースで「松ぼっくり」をくべていきます。

沸騰して蒸気の力でフタが開いてしまいます。火傷をしないようにトングなどでフタを戻して、沸騰したら「松ぼっくり」をくべるのをやめます。

お湯を沸かすときよりもハイペースで「松ぼっくり」をくべたためか、約20分程度メスティンのフタを押し上げるほど沸騰しました。沸騰したら、弱火で(追加の「松ぼっくり」をやめて)水分を飛ばします。

ガスコンロや固形アルコールでの加熱であれば、水分がなくなって、ちょっと焦げたような匂いがするタイミングなどがわかるのですが、「松ぼっくり」を燃やして加熱しているので、タイミングがわかりづらいのです。そこで筆者は水分の残量を確認するために、メスティンのフタを開けて目視しています。ご飯を炊いているときに開けてはいけない気がしますが、筆者はあまり気にしていません。多少味は落ちるのかもしれませんが、焦げるよりはるかにマシです。

トータルで25分ちょっと加熱したところで、水分がほぼなくなったので、メスティンを焚き火台から降ろして、タオルなどを巻いて、逆さま(フタを下)にして15分程度蒸らします。

使用した「松ぼっくり」は25個。25ぼっくりでご飯が一合炊けました。お湯を沸かすのに20ぼっくりだったので、予想以上に少ない印象です。

ちなみにご飯は下の写真のように、かなり美味しく炊けました。もしかするとガスコンロでメスティンを使って炊くよりも美味しく感じたほど。おそらく気分の問題です。

気分の問題かもしれませんが、北海道の水、北海道の「松ぼっくり」で炊いた北海道のお米はいつもよりも美味しく感じました。

まとめ

「松ぼっくり」の予想以上に火力に驚いた

近所から拾ってきた「松ぼっくり」。拾ってきても問題のない燃料として注目したのですが、予想以上によく燃えるのに驚きました。

焚き火台をあるけど、薪や炭といった燃料はないといった状況を切り抜ける方法はあるのか? という単純な疑問から「松ぼっくり」なら、さまざまな問題をクリアしてくれるのでは? と実際に実験してみた今回。筆者の予想以上に「松ぼっくり」はよく燃え、20〜30個もあれば、カップ麺に必要なお湯を沸かすことができ、メスティンで1合のご飯を炊くこともできると知ることができました。

筆者の家の近所の施設では「松ぼっくり」を拾っていると感謝されたくらいなので、おそらく人件費をかけて清掃時の回収し、事業ゴミとして廃棄、燃えるゴミ扱いで燃やしていたのでしょう。非常にもったいなく感じました。

いますぐに何か使い道は思いつきませんが、キャンプやアウトドアの際に子どもといっしょに「松ぼっくり」を使って料理に挑戦してみると、子どもと環境について話してみるきっかけにもなるのではないでしょうか。

また、筆者の近所の施設では「松ぼっくり」を拾うのが歓迎でしたが、当然場所によって状況は異なるので、事前に確認などをしておくことをおすすめします。

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齋藤千歳(フォトグラファーライター)

元月刊カメラ誌編集者。新しいレンズやカメラをみると、解像力やぼけディスク、周辺光量といったチャートを撮影したくなる性癖があり、それらをまとめたAmazon Kindle電子書籍「レンズデータベース」などを出版中。まとめたデータを元にしたレンズやカメラのレビューも多い。使ったもの、買ったものをレビューしたくなるクセもあり、カメラアクセサリー、車中泊・キャンピングカーグッズなどの記事も執筆。現在はキャンピングカーを「方丈号」と名付け、約9㎡の仕事部屋として、車内で撮影や執筆・レビューなどを行っている。北海道の美しい風景や魅力を発信できればと活動中。

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