老化による脳や体の衰えを避けることはできません。80歳以降、認知症やがんの有病率、要介護認定比率が急上昇し本格的に老化が進行します。しかし、悲観的になる必要はありません。「足し算」健康術をすることで、衰えをゆるやかにし80代の生活を変えることは可能です。「話題の医師が提案!幸せな日々のために…」をテーマに「徹子の部屋」(2022年9月7日)に出演し話題となった精神科医・和田秀樹さんに解説していただきました。

足し算健康法のすすめ

肉を食べる高齢者は元気で長生きする

老年医学の専門家である柴田博さんは、国内外の百寿者を対象に長期にわたる調査を行い、長寿の人に共通する健康習慣を分析しています。
『長寿の嘘』(ブックマン社)に研究成果がまとめられています。

豊富な臨床経験と綿密な調査に基づいた柴田さんの意見や指摘は説得力があり、高齢者の健康を考えるうえで私は大いに参考にしています。

柴田さんの指摘によれば、日本の長寿者の特徴は動物性たんぱく質の摂取割合が高いということです。

総たんぱく質(植物性+動物性)に占める動物性たんぱく質の割合は、1972年の国民栄養調査で示されている日本人の平均を大きく上回っていました。

当時の日本人の平均は48.7%と50%に達していませんでした。
一方、百寿者は男性59.6%、女性57.6%と欧米人並みの高さでした。

肉に含まれる動物性たんぱく質をとることで血液中に増えるアルブミンは、脳卒中、心筋梗塞、感染症の予防に効果があり、血液中のアルブミンが低い人ほど早期に死亡し、肉の摂取量が高くなるほど病気のリスクが低くなると柴田さんは指摘しています。

プロスキーヤーの三浦雄一郎さんは、80歳のときに3度目のエベレスト登頂に成功し、日本中をアッと驚かせました。
三浦さんの強靱な肉体と精神を支えているのは肉です。
週に何度か500gのステーキを平らげているそうです。

エベレストには登らないにしても、長い老後を若々しく過ごすために、日本人はもっと肉を食べたほうがいいと思います。

画像: 肉を食べる高齢者は元気で長生きする

高齢になるほどコレステロールは必要

日本人の食生活は急速に欧米化したといわれていますが、肉の摂取量はアメリカ人の一日300gにたいし、日本人は100g程度です。
肉を敬遠する人は、「コレステロールが多いから食べない」と言います。
たしかに肉はコレステロールが多いし、コレステロールは動脈硬化の原因になります。

しかし、高齢者にはコレステロールが必要です。

日本の中でも長寿者が多い東京都小金井市の70歳の住民の血中コレステロール値と10年間の総死亡率を調べた調査では、コレステロール値が正常値よりやや高めのほうが死亡率が低いという結果が出ました。
コレステロールを恐れることはないのです。

コレステロールは意欲とかかわる男性ホルモンや女性ホルモンの原料になったり、脳にセロトニンを運んだりする働きがあります。
活動意欲を保つためにも、年をとったら日々の食事で肉を積極的に食べ、コレステロールをとる必要があります。

画像: 高齢になるほどコレステロールは必要

本稿は『シャキッと75歳 ヨボヨボ75歳(80歳の壁を超える「足し算」健康術)』(マキノ出版)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。



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