【松ぼっくりで炭作り】これってSDGsじゃん?拾った松ぼっくりで燃料用炭を作ってみた!予想以上に簡単で楽しい!

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筆者の住む、北海道の地方都市である千歳市。この我が家の近所にはいらない? 松ぼっくりがたくさん落ちています。実は先日、燃料として、どのくらい使えるのかを実験したのですが、予想以上に優秀だったので「松ぼっくりを燃料に松ぼっくり炭を作れないか?」と考えたわけです。どうも環境にも優しそうなので、実際に松ぼっくり炭を作ってみました。その様子をみなさんにお伝えします。

執筆者のプロフィール

齋藤千歳(さいとう・ちとせ)

元月刊カメラ誌編集者。新しいレンズやカメラをみると、解像力やぼけディスク、周辺光量といったチャートを撮影したくなる性癖があり、それらをまとめたAmazon Kindle電子書籍「レンズデータベース」などを出版中。まとめたデータを元にしたレンズやカメラのレビューも多い。使ったもの、買ったものをレビューしたくなるクセもあり、カメラアクセサリー、車中泊・キャンピングカーグッズなどの記事も執筆。現在はキャンピングカーを「方丈号」と名付け、約9平方メートルの仕事部屋として、車内で撮影や執筆・レビューなどを行っている。

松ぼっくりで松ぼっくり炭を作る

調べてみると意外と簡単そうなので試してみた

必要な道具。焚き火台、火箸、フタ付きの空き缶(これが重要)、空き缶に穴を開けるための釘のようなものとハンマー、そして松ぼっくり数百個

我が家の近所には松ぼっくりがたくさん落ちています。先日、この松ぼっくりがどの程度燃料として使えるのかを「【松ぼっくりでご飯を炊く】持続可能なエネルギー!何個燃やせばラーメンが食べられてご飯が炊けるのか?愛用の焚き火台で試してみた」(https://tokusengai.com/_ct/17567626)で紹介しました。これが予想以上に優秀。そして、我が家の近所では、拾っていると感謝されるレベルで余っている状態。それなら「松ぼっくりを燃料に松ぼっくり炭」を作り、燃料として、さらにレベルアップさせてみようと考えたわけです。なんかSDGsっぽいですし、筆者の好奇心を満たしてくれそうなので、圧倒的に後者が目的ですが、実際にチャレンジしてみました。

まずは、簡単に工程を説明すると、小さな穴を開けたフタ付きの空き缶に入れた松ぼっくりを蒸し焼きにします。そして、空き缶の穴から煙が出なくなったら、空気を遮断して冷却するために土の中に埋めて冷やす。これを掘り起こして完成。

言葉ではとても簡単ですが、まずこれを実行するために上の写真の道具を用意しました。フタ付きの空き缶。筆者は向かいのおばさんからおせんべいの入ってた空き缶をいただきました。空き缶を乗せて蒸し焼きにするための焚き火台、今回はキャプテンスタッグの「【カマド】スマートグリル B5型(3段調節)」を使っています。これは使いやすくて便利。これに火箸と空き缶のフタに穴を開けるための大きめの釘のようなものとハンマーを用意しました。さらに燃料にする分と炭にする分の松ぼっくり。写真には一部しか写っていませんが、200個以上は用意しておくことをおすすめします。また写真には写っていませんがライターなど火を付けるものやキャンプ用手袋なども用意しておきましょう。

空き缶のフタに小さめの空気穴を開ける

写真はイメージです。実際には缶全体が歪んではいけないので、フタだけをとって地面において、釘のようなものをハンマーで叩いて突き刺し穴を開けました。

空き缶の中に入れた松ぼっくりを空気を遮断した状態で加熱して、炭化させ炭にするので、できるだけ空気を追い出したほうがいいということです。しかし、松ぼっくりを加熱すると可燃性のガスや水分などが出てくるので、完全密閉というわけにはいかず、それらを逃がすための穴を空き缶のフタに開けます。

大きさや位置に関する情報があまりなかったので、角の部分に適当なサイズの穴を開けましたが、噴き出してきた可燃ガスに火がついて、空き缶のなかの松ぼっくりも燃えてしまうことがあるというので、火の届きやすい端よりも空き缶のフタの真ん中のほうが穴を開ける位置はよかったかもしれません。

なんにしても、まずは空き缶に穴を開けたわけです。

空き缶のなかにしっかりと松ぼっくりを詰め込む

あらかじめ集めておいた松ぼっくりを空き缶のなかに詰め込んでいきます。よい炭を作るためには隙間が少ない方がよいそうです。

今回用意した空き缶は大きさが約24×24×10cm。加熱が終了後の冷却の際に空気の入る量が少なくなるように、空き缶のなかにはできるだけしっかりと松ぼっくりを詰め込んだほうがよいそうです。ちなみに大きめの松ぼっくりを詰め込んだあと、隙間の小さめの松ぼっくりを詰め込むと100個の松ぼっくりが缶のなかに入りました。

これに燃料にする松ぼっくりも必要なので、最低でも200個以上、数百個レベルの松ぼっくりを用意しておくことをおすすめします。

焚き火台に乗せて缶ごと松ぼっくりを蒸し焼きにする

焚き火台の上などに松ぼっくりを入れた空き缶を置き、そのまま加熱して内部の松ぼっくりを蒸し焼きにします。

焚き火台の上にまつぼっくりを入れた缶をセット。今回はキャプテンスタッグの「【カマド】スマートグリル B5型(3段調節)」を使用。松ぼっくりは着火用の先の長いライターなどで火を付けると簡単に燃え上がるので、着火材などとはいりません。というか、よく乾いた松ぼっくりは着火材としても優秀です。

どのくらい加熱する必要があるか、わからないので10個単位で管理しながら、松ぼっくりを焚き火台にくべていきます。100個の松ぼっくりを炭にするのにどのくらいの量の松ぼっくりが必要なのかも、興味のあるところです。

しばらく加熱すると水蒸気やガスが発生してくる

しばらく加熱すると缶の中から水蒸気やガスなどが発生してきます。フタが浮かないように重りとしてフタの上に石を乗せています。

しばらく加熱する缶のなかから、蒸し焼きにされた松ぼっくりから発生していると思われる水蒸気やガスなどが出てきます。写真は加熱開始から約20分ほど経ったところ。ある程度水蒸気やガスなどが発生する温度を保つ必要があるようで、焚き火台に入れる松ぼっくりも多めにして火力を保つ必要があります。

火力が弱くならないうちに松ぼっくりを追加して、ドンドンガスや水蒸気を発生させます。また、このガスや水蒸気で缶のフタが浮いてくるので、空気が入らないように火箸でフタを戻して、フタの上に重しとして石を乗せています。

白っぽい水蒸気やガスなどが発生します。最初は結構勢いがあるので、フタが開かないように注意する必要があるでしょう。

煙の色がほぼなくなったら加熱は終了

最初は勢いよく白っぽい水蒸気やガス、煙が発生していましたが、徐々に量も減り、透明になっていきます。

最初は勢いよく、白っぽいガスや水蒸気、煙が吹き出していたのですが、加熱を続けているとだんだん、これらの勢いが弱くなっていき、さらに色も透明に近くなってきます。

写真は約40分以上加熱した状態ですが、缶の穴から発生する煙の色がほとんどなくなってきました。ここまで加熱したら、地面の穴を掘っておき、そのなかに埋める準備をします。

穴の準備ができたら、松ぼっくりの入った缶を穴の中に移します。当たり前ですが、缶は熱くなっていますので、火傷などには十分に注意してください。

埋めて空気を遮断した状態で冷却する

火から下ろして、冷却する際に空気と触れないように土の中などに埋めて、冷却します。写真は埋めている途中です。

十分に加熱して、煙に色がなくなったら、空気に触れないよう土などに埋めて空気を遮断した状態で冷却します。

筆者は素直に土のなかに埋めて、冷えるのを待つことにしました。

だいたい1時間から2時間冷却すると「松ぼっくり炭」が完成します。予想以上に作業は簡単だったので、ちょっと驚きました。

なお、炭を作るのに燃やした松ぼっくりは120個です。炭にするために入れた松ぼっくりが100個なので、燃やした松ぼっくりのほうが多くなりました。

掘り出したら「松ぼっくり炭」が完成!

予想以上にしっかりと原形を残していることのびっくり

約2時間前に自分で埋めたのですが、掘り出すとなにかすごいもののような気がして、テンションが上がります。ちゃんとできているといいのですが。

約2時間経ってから、埋めた松ぼっくり入りの缶を掘り返しました。さっき自分で埋めたのに、なにか宝物でも掘り返したような気分に。

筆者は約2時間と冷却時間を長めにとったので、掘り返した缶は十分に冷めていましたが、冷めていないと火傷などを負う可能性があるので十分に注意してください。

そして缶を開けると「松ぼっくり炭」がぎっしりと入っているはずと思い、缶を開けようとしますが「開かない!」。なんと加熱時に発生したヤニというか、タール状のものがしっかりとくっつき、かなり力を入れないと缶が開きませんでした。結構苦労して缶を置けると……。

フタを開けると炭化した松ぼっくりがぎっしり。筆者が思っていたよりも、しっかりと原形を残していることに驚きました。

思った以上にしっかりと原形を残したままの「松ぼっくり炭」がぎっしり。まじめにみると場所によっては炭化していないものなどもありますし、ムラもあるのですが「炭って本当に作れるんだ!」という感動を味わうには十分でした。

個人的には生まれてはじめて燃料を作った的な気持ちになれたのも、得したポイントといえるでしょう。

まとめ

息子が大きくなったら、絶対いっしょに炭を作ろうと思う

しっかりと形を残したまま炭化した松ぼっくり。思った以上にきれいな形でできるのがとてもおもしろいのです。

「そもそも素人に炭なんて作れるの?」「結局、作るのに使う燃料のほうが多くて意味がないのでは?」などと、不安や疑問はたくさんあったのですが、実際に「松ぼっくりで松ぼっくり炭を作った」感想は「素直におもしろい」でした。

炭の作り方は理屈ではわかっていたのですが、実際にやるとどうなるのか? 思った以上に作業そのものは簡単、ただしできあがった炭はムラがあったり、芯まで炭化していないものがあったりと、さすがにはじめての挑戦だけあって、問題もたくさんありました。しかし、理屈でわかっていることを実際に実行して体験する、素直なおもしろさがそこにはあったのです。いまは2歳なのでまったく理解できませんが、息子が意味が理解できるようになったらもう一度やろうと心に誓っています。夏休みの自由課題にもよさそうです。

また、今回はそこそこ見た目がよかったので、今回はやりませんでしたが、加熱時間などの不足で炭化がしっかり起きなかったときは、掘り出した缶をもう一度フタをして再加熱し、やり直すことも可能だといいます。

大人だけでも十分楽しめますが、子どもといっしょなら、さらに楽しめそうな「松ぼっくり炭」作り。キャンプの際などに挑戦してみてはどうでしょうか。

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齋藤千歳(フォトグラファーライター)

元月刊カメラ誌編集者。新しいレンズやカメラをみると、解像力やぼけディスク、周辺光量といったチャートを撮影したくなる性癖があり、それらをまとめたAmazon Kindle電子書籍「レンズデータベース」などを出版中。まとめたデータを元にしたレンズやカメラのレビューも多い。使ったもの、買ったものをレビューしたくなるクセもあり、カメラアクセサリー、車中泊・キャンピングカーグッズなどの記事も執筆。現在はキャンピングカーを「方丈号」と名付け、約9㎡の仕事部屋として、車内で撮影や執筆・レビューなどを行っている。北海道の美しい風景や魅力を発信できればと活動中。

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