「SLIK スタンドポッドGX-5S」の弱点は2つ
年に数回ある、ほぼ完全にプライベートな息子のイベント撮影には、必ず持っていくスタンドポッド。まったく忖度なしにお気に入りの撮影アイテムなのですが、「SLIK スタンドポッドGX-5S」を実際に使ってみて弱点と感じた点は2つです。
1.最大搭載質量が1kgしかないこと
2.ずっと使っていると雲台を変えたくなること
この2点が「SLIK スタンドポッドGX-5S」の弱点だと思います。具体的に説明していきます。
1.最大搭載荷重が1kgしかないこと

コンパクトで高画質な本格望遠ズームであるSIGMA 100-400mm F5-6.3 DG OS HSMとかなり小型のSIGMA fpの組み合わせでも1.5kgを超えるので搭載質量には注意が必要です。
SLIKのカタログの表記を忠実にお伝えするなら「SLIK スタンドポッドGX-5S」の最大搭載質量は1kgです。そしてSLIKのいう最大搭載質量は「三脚を安全にお使いいただくための搭載重量です。事故防止のため、記載の重量以上に載せないようにお願いします。なお、この数値内の機材を取り付けた場合でも確実にブレを防げる、というものではありません。搭載機材の対応については(カタログの)裏表紙を参考にしてください。単に固定力の上限のみで危険性を考慮していない「耐荷重」とは異なる表記です。」と解説されています。
要は「SLIK スタンドポッドGX-5S」にはレンズ+カメラなどで1kgを超える機材を載せてはいけないということです。エントリークラスのカメラ+レンズセットの望遠ズームレンズクラスでは問題ないのですが、本格的な望遠ズームレンズで使うにはかなり厳しい制限といえます。
ただし、現在のSLIKのスタンドポッドシリーズはすべて最大搭載質量が1kgなので、これを超えると自己責任ということになります。機材が重くなる時には、現在販売終了している「スタンドポッド7」という最大搭載質量2kgの製品を筆者は使っていますが、それでも機材の重量が2kgを超えると自己責任です。構造上の問題なのでしょうが、この点は少し残念。また「スタンドポッド7」は探せば、まだ在庫を持っている店舗などもあるようです
2.ずっと使っていると雲台を変えたくなること

雲台込みで実勢価格7,000円前後の「SLIK スタンドポッドGX-5S」では仕方ないのですが、筆者は雲台に物足りなさを感じてしまいます。
「SLIK スタンドポッドGX-5S」の雲台(三脚や一脚などとカメラの間に装着して、カメラの向きや角度などを調整するパーツ)はカメラなどを固定できるだけでなく、スマホにも対応するスグレモノです。
しかし、スタンドポッドの三脚とは異なる利便性に気付いて、筆者のように普段は本格的な三脚を使っているが、学校イベントなどのように三脚の使いづらいシーンなどで、意図的にスタンドポッドを活用している人にとっては「SLIK スタンドポッドGX-5S」の雲台部分は価格の問題が大きいとは思いますが、使い勝手に不満が出てくるでしょう。高価な三脚などでは雲台が別売は普通で、雲台だけで数万円することも珍しくありません。
そのため「SLIK スタンドポッドGX-5S」の雲台の操作性に不満を感じたら、雲台を交換するのもありでしょう。雲台部分を回して外すと、カメラアクセサリーでは標準的なU1/4ネジに対応しているので、一般的な雲台はだいたい取り付けることができます。筆者は同じSLIKの「SBH-100 DQ N」(実勢価格:5,000円前後)などに付け替えて、使うことも多いです。
まとめ
学校イベントで子どもを撮影するすべてのお父さん、お母さんたちにおすすめしたい

雲台部分を「SBH-100 DQ N」(実勢価格:5,000円前後)に付け替えた状態。値段を考えると当たり前ですが、筆者としては劇的に使い勝手が向上します。
おそらく学校イベントなどの我が子撮影は、そのほとんどが望遠ズームレンズによる長距離撮影でしょう。広角はもちろん、標準ズームレンズでも我が子をアップで撮影できる距離からの撮影はほとんどないと思います。withコロナな現在、この傾向はさらに強まるのではないでしょうか。
ですから、運動会、発表会、部活のグランドでの野球にサッカー、体育館でのバスケやバレー、文化系発表会までだいたい望遠ズームレンズでの撮影になるはずです。今回紹介した「SLIK スタンドポッドGX-5S」を含むスタンドポッドシリーズを使うと、そんな望遠撮影が劇的に楽になるうえに、操作が安定するので、おそらく多くの人が「私、写真がうまくなったかも」と思うような効果が得られると思います。
セットで購入すると1万円を超えてしまうかもしれませんが、望遠ズームレンズでの静止画撮影がメインなら「SLIK スタンドポッドGX-5S」の雲台を同じSLIKの「SBH-100 BK N」(実勢価格:4,500円前後)あたりに変えて撮影するのもおすすめ。雲台を少し緩めて、カメラが動かせる程度のテンションで撮影するのがポイントです。
「本当にそんなに違うの?」と思われるでしょうが、スタンドポッドはあるとないではまったく違います。学校イベントなどで子どもを撮影するすべての方におすすめしたい筆者激推しのアイテムです。ただし、機材の重量オーバーには気を付けてくださいね。