明るく点灯時間も長くコンパクトで頑丈……と特徴がたくさん!
「アウトドアガチ勢」の意見がつまっている感じ
上記だけでもすでにたくさんの特徴がありますが、さらに細かく見ていくと「じつによくできている」と思わせるところが数多くあります。そこで「発光機能」「頑丈さ」「使いやすさ」「付属品」という項目にわけて説明していきます。
【発光機能】7つの発光モードを備える

スイッチ部分。左が電源ボタンで右が発光モード切替ボタン。左側のオレンジ色のリングとスイッチ部分は蓄光パーツで、明るいところで使用したあとに暗所では発光します。
前述のように、「UL3」は最大光量300ルーメン、「UL4」は400ルーメンという仕様です。これらはいずれも45秒間のみ使用可能な「ハイパーモード」に設定したときの明るさです。発光モードにより明るさは異なりますが、7面すべてを発光させた場合はUL3は最大200ルーメン、UL4は最大320ルーメンになります。
点灯時間も発光モードによってもちろん変わり、7面すべてを発光させると「UL3」は27〜2.2時間、「UL4」は65〜5.5時間と付属説明書にあります。側面の1面のみを発光させた場合に相当しそうな21ルーメンでは「UL3」は最大120時間、「UL4」は31ルーメンで最大380時間とも。気温によっても点灯時間は変わるでしょう。
LEDは昼光色のものと電球色のものを備えています。
7種の発光モードを詳しく説明すると、以下のようになります。
1. 最大照度で水平・直下の広域を照らす「全灯モード」
2. 昼白色で前面を照らす「フラッシュライトモード」
3. 「卓上等で水平方向全方位を照らす」モード
4. 「卓上等で水平方向を昼白色で照らす」モード
5. 「卓上等で水平方向を電球色で照らす」モード
6. 「チェストベルト等に装着、足元・前方を照らす」モード
7. 「チェストベルト等に装着、前方を照らす」モード

7つの発光モードのようす。発光モード切替ボタンを押して切り替えます。循環式ですが不要なモードの削除も可能で、自分の好みに合わせてカスタマイズできます。
上記の7つの発光モードは発光モード切替ボタンを押すと、循環して切り替わります。自分が使用しない発光モードは削除することもできますし、リセットすることで工場出荷時の初期設定に戻すことも可能。
さらに、電源ボタンをダブルクリックすると点滅モードにすることもできます。
また、電源ボタンは蓄光パーツになっています。レンズ部分根元のラインも同様です。しばらく明るいところで使用すると、暗いところで発光します。
照射距離はフラッシュライトモードで「UL3」が9m、「UL4」は12mとされています。
筆者は写真撮影の際の準備作業に「UL4」を使いましたが、日の入り後に被写体に光を当ててピントを合わせることもしてみました。手動でピント合わせをするマニュアルフォーカスレンズを使っていますが、これだけ暗いとオートフォーカス(AF)も作動しないのです。「UL4」の光は十分明るくて、ピント合わせも簡単にできました。

日の入り後に樹木をシルエットにしたかったのですが、ピント合わせが暗すぎてできません。そこで「UL4」の光を当ててみたところ、ピント合わせができる明るさになりました。

「UL4」の明かりを消したところ。こういう感じに撮りたかったのです。
【頑丈さ】置くときにためらわないで済む
六角形の外観はカッコよくて、それだけでも心惹かれます。ところが、この六角形には意味があります。それは傾斜のある場所や不安定な場所に横置きをしても、転がりにくいということ。

六角形の断面がカッコいいですよね。六角形(ヘキサゴン)だからHEXER(ヘキサー)という名称なのでしょうね。
また、防塵防滴等級IP66とあります。このIP66とは粉塵が内部に入らない耐塵性能と、台風などの暴風雨でも浸水の恐れがない防水仕様だそうです。意図的に本製品を水に濡らすことはしないでしょうが、水辺に置くこと、露の降る状況や積雪した場合にもそう強く心配する必要がなさそうです。

溶けかかった雪のある場所にしか置けなかったので配置しています。わざわざ濡らすことはしなくても、湿度を気にしないですむのはありがたいです。
動作温度範囲は−20℃から40℃。−20℃までの耐低温仕様は頼もしいですね。
【使いやすさ】吊るすことも置くこともしやすい

可倒式カラビナフックを備えています。

本体尾部の丸い部分にネオジム磁石を備えています。鉄製のものに磁力で固定することもできます。
尾部に可倒式カラビナフックがあり、カラビナを利用してバッグのストラップやズボンのベルトループなどに吊るすこともできます。筆者はダイソーでワイドタイプのマルチストラップを購入して、もっぱら首から下げて使いました。また、撮影準備に使う場合には、カメラの三脚のセンターポール底部にあるフックに下げていました。

D環のあるリュックのストラップやズボンのベルトループで使うことができます。

カメラ用三脚のセンターポール底部にあるフックに下げて使ってみました。
ストラップもいろいろあるでしょうが、パラシュート用にもともと使われていたパラコードなどから自作するのも楽しそうです。

ダイソーにあったマルチストラップを筆者は使いました。
また、カラビナフックが可倒式であるおかげで、立てて置くときにより底面積が広くなり安定するしくみになっています。
さらに、尾部にはネオジム磁石も備えています。これを利用して固定することもできます。
【付属品】アクセサリーにもむだがない

「UL4」ホワイトと付属品一式。
付属品はLEDとレンズ部分のガードに使う保護キャップと琥珀色をした「低誘虫キャップ」、白いポーチ、そしてTypeA to CのUSBケーブル。
保護キャップは常用していいでしょう。低誘虫キャップは走光性昆虫が波長300〜500nmの青色光に集う習性を利用し、500nm以下の波長をカットするために琥珀色なのだそうです。筆者が試用した際には冬期で、さいわい(?)昆虫がいない時期だったために効果は実際に試していませんが、期待できます。

保護キャップと低誘虫キャップ。保護キャップは常時使用しておこうと思います。
ポーチには本体と付属品一式をしまうことができますが、発光時に被せると光を拡散させることができます。読書などの際に便利でしょう。

ポーチには本体と付属品を収納できますが、被せて使うと光を拡散させることができます。
本製品は充電式であるためUSBケーブルが付属します。ただし、充電器自体は製品に含まれてはいません。スマホユーザーであればUSB-ACアダプターは複数持っていそうですし、給電式USBハブやパソコン、モバイルバッテリーなどから充電すればいいでしょう。5V/1A以上の出力のあるものから充電しましょう。

パソコンや給電式ハブ、モバイルバッテリーから充電できます。
なお、バッテリー残量5%以下から満充電までの時間は「UL3」は約2.2時間、「UL4」は約3.5時間です。
まとめ
ものすごくよく考えられていて感激した

筆者は本製品を持ち出して暗い道を歩いてみたり、日の出前や日の入り後に写真を撮りに行く際にカメラの設営や設定におおいに活用しました。冬山に持っていくことはさすがにできなかったのですが、それでも十分に「よく考えられているなあ」「すごいなあ」と感嘆させられました。
まず、コンパクトなサイズは携行していて邪魔になりません。小さいほうの「UL3」は手のひらに収まる大きさ、「UL4」も十分小さいと感じられる大きさです。

本体サイズは大きい「UL4」でも文庫本の幅と同じくらいです。
また、発光モードがたくさんあるなあと最初は面食らいましたが、不要なものが削除できるところが便利です。筆者はふだん居間のあかりをまぶしすぎない電球色にしています。本製品を電球色モードにして作業机に置いてもいい感じでした。
防塵防滴等級IP66と耐低温-20°Cという環境性能も、とてもありがたいです。つまりはシーリングなどがなされているはずだからです。意図的に乱暴に扱うことはしないでしょうが、筆者が実際に使用する際にはそうそうていねいに気を使っていられないのです。
さらに昆虫の誘引性を低減する低誘虫キャップと拡散光にできるポーチにも、うならされました。LEDは一般的に指向性が白熱電球よりも強いことが多く、まぶしく感じられることが筆者にはあるからです。

電球色モードにしてポーチを被せてみました。まぶしさがなくなり、いい雰囲気です。
そして、本製品のこれらの仕様を練ったプロジェクトチームの「アウトドアガチ勢」ぶりと「徹底的に作り込もう」という姿勢を感じさせるところが「素敵だなあ」と、感激してしまいます。
アウトドアで本格的に使える充電式LEDランタンを探している方には、筆者も自信を持っておすすめできます。
本製品は前述のようにクラウドファンディングを活用して製品化されましたが、3月上旬より一般販売が行われるそうです。そのさいには、みなさんにもぜひ手にとって触れてもらいたいのです。きっと感激すると思います。