「なんとなく漫画を読みたいけど、何を読むべきか分からない…」とお悩みの方に、今回は2020年に話題を集めた大注目のおすすめ漫画をご紹介します。いずれもフレッシュな作品で、「鬼滅の刃」などの大ヒット作には及ばないものの、強烈に面白い個性的な漫画を厳選しました。
2020年大注目のおすすめ漫画は?
筆者は物心がついた頃から今まで、日々大量の漫画を読み続ける生活を送ってきた漫画オタクです。そんなオタクが、2020年に注目を集めた漫画作品の中から、人を選ばずにおすすめしたい作品を3作ピックアップしたのがこちら。
「チェンソーマン」藤本タツキ(集英社・ジャンプコミックス)
「僕の心のヤバいやつ」桜井のりお(秋田書店・少年チャンピオン・コミックス)
「波よ聞いてくれ」沙村広明(KADOKAWA・ビームコミックス)
ジャンプ連載作品からWeb漫画まで、さまざまな媒体からヒットした作品をチョイスしました。いずれもTwitterなどのSNSでトレンド入りした実績もあり、タイトルは目にしたことがある方も多いのではないでしょうか?
メジャー作品ほどではないかもしれませんが、TVアニメ化や、宝島社「このマンガがすごい!2020」へのランクイン実績もあり、是非チェックしていただきたい作品ばかりです。
怒涛の超展開が魅力の「チェンソーマン」
2020年の話題作といえば、真っ先に思い浮かぶのが週刊少年ジャンプ連載中の「チェンソーマン」です。2020年11月現在、計9巻まで刊行されています。メディアミックスこそされていないものの、累計420万部(最新刊帯参照、電子書籍含む)を突破した大ヒット作として、多くの漫画ファンに愛されている作品です。
あらすじ(筆者作成)
人の恐怖を糧にする悪魔が跋扈する世界で、親の借金を背負い荒んだ生活を送る主人公デンジ。ある事件をきっかけに、悪魔の心臓を持つ特殊な体質に変化してしまう。人間の身体に不死の力を宿したデンジは、公安のデビルハンターとして悪魔と対峙していくが…。残酷さとシュールさが同居した唯一無二のダークヒーロー漫画。
ネタバレ厳禁!!予想不可能な展開に釘付け
チェンソーマンの魅力は、とにかく藤本タツキ氏の異常なストーリーテリングに尽きると言っても過言ではないでしょう。ページをめくるたびに予想外の出来事が起こり続ける怒涛の展開は、読者を興奮と恐怖の坩堝へ突き落とすこと間違い無しです。
物語へ詳しく言及すると作品の持つ魅力がトーンダウンしてしまうため、ここで込み入った内容を解説できないのが残念ですが…。特に単行本7巻から最新9巻にかけてのストーリーは圧倒的です。既に読んだことのある方には「車のシーン」と言うだけで伝わるでしょう。週刊少年ジャンプで出来る漫画表現の限界を超えた、ありえない事件が起こります。
次の展開が気になりすぎてジャンプを購読し直した、という方も珍しくなく、筆者も携帯アプリで電子版ジャンプの定期購読サービスに登録してしまいました。
第一話の試し読みはこちらから。
Web発の悶絶ラブコメ!「僕の心のヤバいやつ」
ダークヒーロー作品の代表作が「チェンソーマン」なら、続いて紹介する「僕の心のヤバいやつ」は2020年のラブコメを代表する漫画でしょう。
Web漫画媒体のマンガクロスで連載中の作品で、作者の桜井のりおは「みつどもえ」「ロロッロ!」など他にも多数の名作を発表しています。わずか既刊3巻ながら、公式Twitterアカウントでは50万部突破が告知されるなど、今もっとも波に乗っている漫画です。
あらすじ(筆者作成)
周囲に溶け込むのが苦手なリアル中二病男子の市川京太郎は、スクールカースト上位の美少女・山田杏奈のことが気になるあまりに、ダークな空想を浮かべる日々を過ごしている。そんな山田の意外な一面を知ってから、市川には恋心が芽生えはじめる。それと同時に山田も市川のことが気になりはじめ、次第に二人の関係は深まる一方で…。
縮まりそうで縮まらない二人の距離感に悶える!
中二病×カースト上位女子、というありがちな設定ながら、ヒロイン山田の美少女らしからぬ一面や主人公市川の年頃らしい所作が病みつきになる作品です。2人の距離がだんだんと近づくにつれ、コメディ調の雰囲気がロマンチックなものに変化していく過程は悶絶モノ。なんとなく目を通す過程で作品の「ヤバさ」がどんどん分かっていき、気づけば全巻一気買い・Web連載の更新を待つ日々が続いています…。本当に最高の作品です。
ヒロインだけでなく主人公もキュートな一面が描写され、どんどん2人の距離感から目が離せなくなります。サブキャラも魅力的で、毎回2人の関係にハラハラしながら、最終的にはほっこり安心できる満足感を与えてくれる漫画です。
最高のラブコメの無料試し読みはこちらから!
個性的なラジオ局を描いた「波よ聞いてくれ」
漫画好きを中心にディープなファン層を抱える月刊アフタヌーンの人気連載作。作者は、映画化もされた硬派なネオ時代劇「無限の住人」の沙村広明氏です。2014年に連載が始まり、現在までに8巻がリリースされています。
長期連載作の「無限の住人」で重厚なイメージが付いている作者ですが、その真骨頂は多数のキャラクターが乱舞するスラップスティック・コメディにあるんです。こちらの「波よ聞いてくれ」も沙村コメディの最新作として高い支持を集めており、2020年にはテレビアニメ化も果たしています。
あらすじ(筆者作成)
主人公の鼓田(こだ)ミナレは、スープカレー屋のアルバイトとして日常を送る、札幌在住の20代女子。たまたま飲み屋で出会った業界人風の中年男性に、日頃の悩みや鬱憤を打ち明けたら、それがラジオ局で放送されてしまい…。
なし崩し的にラジオ業界に乗り込むことになったミナレは、独特かつ強烈なキャラクター性を活かして奮闘していく。大小さまざまな事件に出くわしつつ、前を向いて戦い続けるスラップスティックコメディ。
全ページに込められた皮肉な笑いと真摯な人物描写が魅力
個人的に大好きな作家が新連載として同作を発表したときには、「やっぱり沙村広明先生はギャグの人だ!」と興奮した思い出があります。過剰なほど全ページに細かな時事ネタや皮肉な笑いが散りばめられ、次々と進められるテンポ感が癖になる漫画です。札幌を舞台にラジオ局を取り巻くリアルな世界観がキープされながら、たびたび発生する非日常な事件のバランス感も絶妙で、とにかく1話1話飽きずに続きを読みたくなります。
スープカレー屋の店員とラジオパーソナリティを兼任するミナレのがむしゃらな姿勢や、各キャラクターが仕事へ向ける確かな情熱など、ストーリーテリングだけでなく登場人物の魅力も濃い漫画です。独特の世界観と雰囲気にやられること間違い無し!
2020年11月現在、Web漫画サービス「コミックDAYS」で5話まで無料で試し読みできます。ぜひご一読ください。
まとめ
今回は、漫画好きライターが2020年のおすすめ作品を厳選してご紹介しました。「鬼滅の刃」「ワンピース」「キングダム」などの大ヒット作で漫画の魅力に触れた方にこそ、次に手に取ってみて欲しい話題作ばかりです。これからの展開にも目が離せない作品に、このタイミングで追いついてみませんか?