新型MacはCPUを従来のインテル製から自社製の「M1」チップに変更。「CPU性能は最大3.5倍、グラフィック性能は最大6倍高速」のうたい文句どおり、従来のMacを大幅に凌駕する高速動作を実現。コスパも優秀だ。
アップル独自のCPU採用で話題のMacってどう?
新型Macはいつでも熱視線を注がれるものだが、2020年11月にリリースされた最新モデル3機種は近年にない大刷新を遂げている。
外観こそ前モデルと大きな違いはないが、CPUを従来のインテル製から自社製の「M1」チップに変更。新CPUは性能向上が過大に吹聴されがちだが、M1チップについてはそんな誇張は一切ない。
前モデルより「CPU性能は最大3.5倍、グラフィック性能は最大6倍高速」のうたい文句どおり、従来のMacを大幅に凌駕する高速動作を実現。しかも、新チップ採用の恩恵は省電力にも大きく寄与し、これまでの最大2倍の動作時間を可能としている。
さらに、新型Mac発売に合わせてmacOSも最新の「Big Sur」にメジャーアップデート。iPhoneふうのアイコンデザインやコントロールセンターなどが取り入れられて、親しみやすさがますますアップしている。
気になる販売価格も、MacBook Airなら、11万5280円から購入可能とコスパも優秀。Windowsにこだわりがなければ、今回の新型Macに乗り替える価値は大いにある。
●14年ぶりに自社製CPUを投入!
![](https://tokusengai.com/assets/images/2021/02/02/7f054e24fc9ad6329c2e668de0d532765f82721f.jpg)
Mac内蔵アプリなど、M1チップ向けの「ユニバーサルアプリ」は極めて俊敏に動作する。
●macOSも「Big Sur」で使いやすく変身
![](https://tokusengai.com/assets/images/2021/02/02/19432d68321e7882ef9daa6b18776974dc20abb0.jpg)
最新バージョンの「Big Sur」では、iOSふうのアイコンやコントロールセンターなどを導入。パソコン操作に不慣れな人でもいっそう親しみやすくなった。
●Macの主なラインアップ
![](https://tokusengai.com/assets/images/2021/02/02/f67dc5b3c3fde8ad4f8a6985bb2c220bb1e01f21.jpg)
MacBook Air
11万5280円~
ライトユーザー向け。画面サイズ13.3型でCPUはM1版とインテル版がある。
![](https://tokusengai.com/assets/images/2021/02/02/4f6d96467ca8ab9338b64eb90ed0aaee60578044.jpg)
13インチ MacBook Pro
14万8280円~
13.3型ハイスペックMacBook。M1チップ版のほか、インテル版モデルも用意。
![](https://tokusengai.com/assets/images/2021/02/02/aa0ba1f84e032bfffca642cd0b5f0125a1b3cec1.jpg)
16インチ MacBook Pro
27万3680円~
ハイスペック仕様の16.0型MacBook。ラインアップは、インテル版のみだ。
![](https://tokusengai.com/assets/images/2021/02/02/4d1d36a29f6f139971e5de913ba74c3a4d9bd95e.jpg)
iMac
13万2880円~
画面一体型のデスクトップ。CPUはインテル製のみで、21.5型と27型がある。
![](https://tokusengai.com/assets/images/2021/02/02/571002b3a1ba3830c03d412c65fda02194559d2b.jpg)
Mac mini
8万80円~
19.7センチ角のミニパソコン。M1チップ版のほか、インテル版モデルも用意。
●MacとWindowsの現状比較
Mac | Windows | |
アップルが開発するmacOSを採用。最新バージョンはmacOS Big Surで、19年ぶりの大型バージョンアップ | OS | マイクロソフトが開発。2015年以降はWindows 10の名称のまま、中身がバージョンアップされている |
アップルのみ | メーカー | さまざまなメーカーから発売 |
インテル製に加え、アップル製のM1が追加された | CPU | 主にインテル製および互換CPU |
Windowsほどではないが、十分なラインアップ | アプリ | メーカー、製品数とも非常に多い |
執筆時点で、M1チップ搭載機は「MacBook Air」「13インチMacBook Pro」「Mac mini」の3モデル。従来のインテルCPU搭載モデルも併売されているので、混同しないように注意しよう。
「M1」チップ搭載Mac 3機種をチェック!
MacBook Air
![](https://tokusengai.com/assets/images/2021/02/02/a703b2c6a2a0d732acb7c9e903c1895f999cbfa4_xlarge.jpg)
実売価格例:11万5280円~ | |
CPU | Apple M1 |
メモリー | 8GB |
ストレージ | 256GB SSD |
ディスプレイ | 13.3型 2560ドット×1600ドット |
幅304.1mm×高さ4.1~16.1mm×奥行き212.4mm・1.29kg |
![](https://tokusengai.com/assets/images/2021/02/02/e67918fe4416322f82c7d9f89c32758081450ac2.jpg)
左側面に2基のThunderbolt 3(USB4)端子、右側面にヘッドホン端子を搭載。Thunderbolt 3端子は最大40Gビットの高速データ通信のほか、本体の充電や映像出力もこなせる。
MacBookのエントリー機的存在ながら、パフォーマンスは上々!
2560ドット×1600ドットのRetinaディスプレイを搭載した13.3型ノート。新開発のM1チップにより、8Gバイトのメモリーでもインテル版から大きく高速化を果たし、最大3.5倍もの処理性能を実現している。バッテリー駆動は最大18時間、重量は1.29キロとモバイル性能も高い。ストレージにはSSDを採用し、256G/512G/1T/2Tバイトから選択可能だ。
13インチMacBook Pro
![](https://tokusengai.com/assets/images/2021/02/02/696b799a3a8a89a884078bc0dd93e32ad7d4770e_xlarge.jpg)
実売価格例:14万8280円~ | |
CPU | Apple M1 |
メモリー | 8GB |
ストレージ | 256GB SSD |
ディスプレイ | 13.3型 2560ドット×1600ドット |
幅304.1mm×高さ15.6mm×奥行き212.4mm・1.4kg |
![](https://tokusengai.com/assets/images/2021/02/02/ec866a547f9464e9a9a270bb23e0d5132d90a547.jpg)
左側面に2基のThunderbolt 3(USB4)端子、右側面にヘッドホン端子を搭載。端子類はAirと同等の構成だ。厚みは1.56センチと、Airより0.05センチほど薄い。
処理速度もグラフィック性能も最高のレスポンスを満喫できる!
MacBookで現在、最高の性能を誇る13.3型ノート。2560ドット×1600ドットの高解像度ディスプレイを備えるほか、CPUはM1チップ、メモリーは8Gバイトを搭載し、描画性能はインテル版の最大5倍と、4K動画の編集も余裕でこなせる。ストレージにはSSDを採用し、256G/512G/1T/2Tバイトから選択可能。MacBook Airとの違いはTouch Bar付きキーボードなどだ。
Mac mini
![](https://tokusengai.com/assets/images/2021/02/02/43cb1f5c0c6f778f654daac729518e07749a4ff7.jpg)
実売価格例:8万800円~ | |
CPU | Apple M1 |
メモリー | 8GB |
ストレージ | 256GB SSD |
幅197mm×高さ36mm×奥行き197mm・1.2kg |
![](https://tokusengai.com/assets/images/2021/02/02/764232f2e8c5df516e63956742cd19172042e09e.jpg)
Thunderbolt 3やHDMI、有線LANなど、端子類はすべて本体背面に備わっている。さらに、デスクトップ機では省かれがちな内蔵スピーカーを備えている点も何かと重宝する。
サイズは小さくても処理性能はパワフルで、高負荷な作業も快適!
19.7センチ角の極小筐体を採用したミニパソコン。M1チップ搭載による高い処理性能に加えて、デスクトップ機ならではの高い拡張性も確保。Thunderbolt 3(USB4)端子2基のほか、USB Type-A端子2基、HDMI2.0端子、有線LANと豊富な端子を取りそろえている。ストレージにはSSDを採用し、最大2Tバイトまで選択可能だ。
※価格は記事作成時のものです。
■解説/篠原義夫(ガジェットライター)