衣類の汚れた部分をなぞるだけで、びっくりするほどきれいになる!超音波ウォッシャー【やりすぎ家電】

洗濯機

世界に無数に存在する家電の中には、斬新すぎる発想を持った製品が少なくない。本連載では、思わず人に話したくなる、世界の知られざる「やりすぎ家電」を、家電スペシャリストの滝田勝紀が、丹念に発掘、レポートする。

シャープ
超音波ウォッシャー UW-S2

超微細な真空の泡が弾ける力で洗浄し、衣類に優しく、生地の傷みを抑えながら部分汚れを落とす超音波洗浄機。

本体は充電式で、充電時間は5時間。使用可能時間は15分で、オートオフは3分。

防水対応のUSB端子を採用し、万が一、水に濡れても問題なく使える。実売価格例は1万6070円。

“本気で持ち運べる”ようにリベンジ! 毎秒3万8000回の超音波洗濯機

2016年9月に初代「超音波ウォッシャー UW-A1」が発売され、”いよいよ日常持ち歩ける洗濯機が出た!”と話題になった。

……が、汚れ落ちはすごかったものの、ほとんどの人は持ち歩かず、自宅の洗面所などで使用していたことが調査で判明。

開発陣は打ちひしがれたという。

ただ、逆境を乗り越えたシャープである。

だったら”本気で持ち運べる洗濯機”を作ってやろうと奮起する。

持ち運ばれなかった理由は、実にシンプル。

大きすぎた!

というわけで小さくしたのが、今回の新モデル「超音波ウォッシャー UW-S2」である。

右の3本がUW-A1の後継モデル、UW-A2。左の3本がUW-S2、

UW-A2

初代モデル、UW-A1の体積の約40%、重量を約50%とした軽量・コンパクトな本機。

その実現のいちばんのポイントとなったのが、直接汚れを落とすのに使用されるホーン(先端部)を小さくすることだったという。

初代モデルが横幅12ミリの長方形であるのに対し、新モデルは直径5ミリの丸形に変更。

ここを起点に、ペンのように持てる細身のスリムスタイル(幅26ミリ×高さ165ミリ×奥行き22.5ミリ)で、重さも驚異の100グラムを実現。

女性の化粧ポーチに入るサイズ感・軽量感を同時に実現したのだ。

直径5ミリの丸形に変更した。

もちろん、汚れ落としはこれまで同様、赤ワインやカレー、パスタのミートソースなど何でも来い! である。

ホーンを汚れた部分に当てるだけで、毎秒3万8000回という超音波振動で汚れを繊維から外に弾き出す。

この回数は、衣類を傷めずにきれいに洗浄できる絶妙な数字だという。

実は、学術的に、この回数が少ないと汚れ落ちは高まるが衣類を傷める、逆に、回数が多いと汚れ落ちが悪くなると証明されているとか。

毎秒3万8000回の振動にするために、開発陣はホーンの設計やチューニングにとても苦労したようだ。

ほら、まさに今、この連載を飲み屋で読んでいるそこのあなた。

刺身の醤油などをこぼした瞬間、むしろ本機を試すチャンスですよ!

ココがやりすぎ!

ホーンの形状とサイズ感

直径5ミリの丸形に変更しただけでなく、電池の形状なども変更。

USBも防水仕様のものへと進化させながら、体積率で約40%もコンパクトに。ペンスタイルで使える。

着ている状態で洗濯可能

外食時のちょっとした不注意で、脱がなければ洗えないというのでは困る。

本機なら、トイレに行ってササッと使うだけで、応急処置どころか本格的に汚れが落とせる。

汚れ落としだけでなく黄ばみ防止も

ソースやケチャップ、コーヒー、カレーなど、食べ物の汚れはもちろん、女性に多いファンデーションと皮脂汚れの混ざった汚れも落とせる。

帽子などの洗いにくい汚れも可能だ。

シャツにある円の左列は洗浄前の汚れ。右列が洗浄後。

解説/滝田勝紀(フリーランスライター)
◆Profile/フリーランスの編集者で「All About」の家電ガイド。ITメディアの「滝田勝紀の白物家電スゴイ技術」ほか連載多数。ドイツで開催される「IFA」ほか、海外展示会取材経験も豊富。電子雑誌「デジモノステーション」ディレクターも兼任している。

※価格は記事制作時のものです。

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