数あるポータブルスピーカーで異彩を放っているのがソニーの「LSPX-S」。有機ガラス管をソニー独自の技術で振動させることによる高域再生が可能。また、ライティング機能も備えているため、インテリアとしても有用。今回は、音質や、2016年に発売されたS1との違いをチェックしていこう。
今回のテストアイテムはこちらソニー LSPX-S2
実売価格例:4万2490円
プロフィール
ブルートゥースとWi-Fi接続に対応するワイヤレススピーカー。内蔵バッテリーで最大約8時間使用できる。ポイントは、有機ガラス管をソニー独自の技術で振動させることによる高域再生。ライティング機能も備える。
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SPEC
●スピーカー/有機ガラス管型ツイーター、35mmウーハー●エンクロージャー/パッシブラジエーター方式●アンプ最大出力/11W(ウーハーのみ)●Bluetoothコーデック/SBC、AAC、LDAC●Wi-Fi/IEEE802.11a/b/g/n準拠●対応ハイレゾ/WAV、FLAC、AIFF、ALAC(最大192kHz/24bit)、DSD(2.8MHz/5.6MHz、LPCM変換)●電源/リチウムイオンバッテリー●電池持続時間/約8時間●サイズ/外径90mm×高さ277mm●重量/1100g
■LEDライトを搭載しインテリアにも向く
■本体の底面に操作ボタンを配置する
有機ガラス管を振動させて高域音を再生
スマホが広く普及し、オーディオは小型軽量で持ち運びも簡単なポータブルスピーカーが人気だ。製品数も増え、どれを選ぶのかは悩ましいところ。こうした中で、音質やスタイルの面で異彩を放ち、注目したいのがソニーのLSPX-S2だ。
最大の特徴は、見た目にも斬新な有機ガラス管。振動させることによって独特の高域音を再生し、ツイーターとして働く。これは、同社が長年研究を重ねてきた独自技術で、製品としては10年以上前に「サウンティーナ」を発売。直近では、2016年にLSPX-S1を発売している。
本機は、こうした歴史ある技術と、前モデルでの経験を生かし、さらにブラッシュアップ。音質を改善したほか、機能面ではWi-Fiに対応してハイレゾネットワーク再生も可能になるなど、見どころが多い。
小型化され、遠くまで通りがいいサウンド
S1との大きな違いは、ガラス管の直径が約半分とスリムになったこと。モノとしての圧迫感が減少し、心理的にも設置場所を選ばず、持ち運びもしやすい。音質は歪み感がなく、スピーカーの存在を感じさせない広がりのある高域が特徴。スタジオやホールの空気感が得られ、モノラルでも十分に楽しめる。
また、放射される高域音は近くで聴いても煩わしく感じず、遠くまで通りがいいのも持ち味。「YouTube」を利用して、鳥のさえずり、川のせせらぎ、雨などの自然音を流してみたが、ナチュラルでリラックスでき、本機の用途として実に楽しい。
LEDの明滅によるキャンドル機能は、期待していたものの、人工的で少々残念。だが、総じてS1よりもコンパクトになり、さらに機能面で進化しつつ、価格が身近になったのは大いに評価できる。
おすすめ度…A
スタイル面でも音質面でも異彩を放つスピーカー。Wi-Fiでハイレゾにも対応
ココが〇
没個性の製品も多い中、デザイン面でも音質面でも尖った製品。特に音質は、本機ならではと思えるもので、マニアも納得の仕上がり。
ココが×
ライティング機能はインテリアとしても有用だが、キャンドルモードによる炎の再現は不十分で、2回、3回と使っていくと飽きそうなのが残念。
※文中の「オススメ度」は、「A+」から「C-」までの9段階評価になっています。
※価格は記事作成時のものです。
解説/鴻池賢三 (AV評論家)