いくら消費増税が近いからといって、無駄なモノに手を出す必要はない。自分にとって本当に役立つモノ、生活を豊かにするモノをしっかりとした目で選び、手に入れるべきだ。そんな今、買うに値するAV機器(4KテレビやBDレコーダー)の最新の名機とは? 「特選街」の執筆陣と編集部がズバリ選び出した。
『特選街』が選ぶAV機器のおすすめ「ザ・名機2019」はコレだ!
ベストバランス賞
機能や性能、操作性、使い勝手、価格など、あらゆる面において高次元でバランスが取れているモデル
アドバンス賞
そのジャンルの次のトレンドになりそうなコンセプトや、先進的な機能・技術などが投入されているモデル
コスパ賞
基本的な機能や操作性を備えつつ、そのジャンルにおいて、比較的手ごろな価格で購入できるモデル
『東芝 55X930』4Kテレビ 55V型
4Kチューナー2基を内蔵し、地デジのタイムシフトマシン(6チャンネル全番組録画)も搭載。画質的には、有機ELパネルならではの繊細かつ緻密な深みのある映像を描き出し、持ち前の精細感に磨きがかかった。
東芝 55X930
実売価格例:34万8740円
有機ELパネルとAI超解像技術によりオートモードで圧倒的な高画質を誇る
地デジ/BSのハイビジョン映像からの解像度変換にも超解像処理を加えるなど、放送画質に徹底してこだわってきたレグザだが、今回のレグザエンジンProfessionalでは、そこにAI超解像技術が加わり、自慢の放送画質に磨きがかかった。
その一つがバリアブルフレーム超解像だ。これは、画像の動き量をAIで検出することにより、より理想に近い超解像処理を施すというもので、実際、S/Nの向上、動きの少ない部分の解像度向上といった効果が実感できる。
また、視聴環境や映像素材に応じて、フルオートで最適画質が得られる「リビングAIピクチャー」の搭載も見逃せない。
従来、部屋の明るさ検出に限定された機能だったが、今回、視聴環境の色温度を検知できる高性能センサーを導入。同時に、検出精度の高いアルゴリズムを開発することで、明るさ調整のほか、色温度に換算すると、8000Kから1万2000Kの間で制御できるようになった。ここまでこだわったオート画質モードもほかにはない。
実際の画質だが、圧倒的ともいえる黒の締まり、自発光パネルならでは艶っぽさと、有機ELの持ち味を生かした、緻密かつ繊細な描写が楽しめる。とりわけ輪郭の品位の高さ、明確なディテール描写といった部分で、テレビとしての素性のよさが実感できる。
「タイムシフトマシンを装備し、画質、音質にもさらに磨きをかけた有力機。」
『パナソニック TH-65GZ2000』4Kテレビ 65V型
有機ELの表示部材を調達し、自社工場で組み立てた独自開発のパネルを採用する有機ELビエラの最高峰。映像表現の基礎ともいえるダイナミックレンジが拡大され、同時に緻密な階調性を実現している。
パナソニック TH-65GZ2000
実売価格例:64万7870円
パネルを自社で仕上げた有機ELビエラの最高峰
現在、各社の有機ELテレビ(家庭用)で採用されているパネルはすべて韓国のLG製であり、その基本性能もほぼ同等。この常識を初めて打ち破ったのがGZ2000シリーズだ。画像を表示するセル部についてはLG製だが、これを国内工場に持ち込み、自社製パネルとして仕上げている。
最大のねらいは、熱による画質への悪影響の排除。パネルの発熱はそのままピーク輝度やダイナミックレンジの制約につながるため、今回、より理想に近い放熱を実現。パネル本来の実力が発揮できる環境が整ったという。
実際、その映像は、ハイライト部の階調描写に余裕が生まれ、残像も低減した。3ウエイの3・2・2chスピーカーを搭載し、音質的にも優れる。
「有機ELテレビの持ち味を生かしつつ、その弱点に鋭いメスが入った。」
『LG 55C9PJA』4Kテレビ 55V型
4Kテレビ全機種に新4K衛星放送チューナーを標準装備したLG。本機は独自の映像エンジン、α9プロセッサーの進化版、α9Gen2を投じた有機ELテレビで、画質重視のスタンダードモデルだ。
LG 55C9PJA
実売価格例:23万8680円
新映像エンジンで画質を強化したスタンダードモデル
有機ELのパネルメーカーを傘下に持つLGだが、最終的な製品としては、国内大手ブランドに対して、その優位性が実感できたかというと、なかなか難しいものがあった。
画質面では、モスキートやブロックなどの圧縮ノイズや暗部階調が階段状に見えるバンディングノイズなど、S/N面の処理がやや甘く、全体の印象を悪くしていた。この問題に真っ向から取り組んだのが、新開発の映像エンジン、α9 Gen2だ。
これは、昨年実用化されたα9プロセッサーをベースに、その持ち味をより積極的に引き出したものだが、実際の映像を見ると、全体にS/Nの余裕が生まれ、輪郭の品位が向上しているのがわかる。画質と価格と機能のバランスがいい。
「画質、音質、機能性と、どれも及第点。お値打ち感では他の追随を許さない。」
『東芝 43Z730X』4Kテレビ ミドルサイズ
「中画面サイズの高級液晶が欲しい」というレグザファンの声にこたえて復活した43Z730X 。AI超解像対応レグザエンジンProfessional、タイムシフトマシン、重低音バズーカと、豪華な技術、機能が目白押し。コスパも高い。
東芝 43Z730X
実売価格例:18万3470円
43V型というサイズながら豪華仕様で、コスパが高い
Zの系譜を受け継いだ液晶レグザの最高峰シリーズに43V型が復活。パネルは視野角の影響が少ないIPSで、映像エンジンは有機ELと同じ、AI超解像対応レグザエンジンProfessionalを採用した。
LEDバックライトはパネル直下に配置。絵柄に応じてユニットごとの明るさを適応的に制御し、高コントラスト化を図る部分駆動も搭載済みだ。
「IPS液晶は40V型前後がベスト」というのが私の持論だが、実際、見た目のコントラスト感は良好。日常的な視聴環境であれば、まったく不満はなく、暗部の色付きも自然だ。
4Kダブルチューナーによる裏番組録画に対応。もちろんタイムシフトマシン(地デジ最大&チャンネルまで)も搭載している。
「液晶の弱点を感じさせない4Kテレビ。バズーカスピーカーも大きな魅力だ。」
『パナソニック DMR-4W400』BDレコーダー 4K内蔵タイプ
4K衛星放送チューナーを内蔵したBDレコーダーの第2世代モデル。4K放送番組の機能性を大幅に高めたことが大きな特徴。HDD容量は4Tバイトで、4K放送を最大約1040時間分、保存できる。
パナソニック DMR-4W400
実売価格例:15万1070円
4K放送のダブル録画や長時間録画が可能な新世代機
昨年末に開始された新4K衛星放送の録画が可能なBDレコーダーに、早くも新世代モデルが登場。
4K放送のダブル録画が可能で、さらにHEVC圧縮による最長4倍の長時間録画に対応するなど、4K放送録画の機能性が大幅に強化されている。もちろん、従来の2K放送の録画・再生機能やネットワーク機能も継承。
4K衛星放送は視聴者からの反響も大きく、そのぶん、前モデルでは4K放送を1番組しか録画できないなど、機能的な見劣りへの不満の声も大きかった。
それを半年ほどの短期間で、実用上ほぼ不満のないレベルにまで向上させたことは大きな功績。発売直後のニューモデルではあるが、十分に名機と呼べる資格を持っている。
「スマホを使って外出先から4K録画の予約や録画番組の視聴にも対応できる。」
『パナソニック DMR-UBX8060』BDレコーダー 全録タイプ
地デジなどの2Kチューナーを11基内蔵し、最大10チャンネルの放送を「全録」できる。HDD容量は8Tバイトの大容量となっている。外出先での番組視聴など、多彩なネットワーク機能も充実。
パナソニック DMR-UBX8060
実売価格例:19万9640円
10チャンネルを全録でき、番組を自在に活用できる傑作
全録レコーダーとは、主要な放送局の番組を24時間すべて録画するタイプのレコーダー。視聴するほぼすべての放送を録りためるので、めんどうな番組予約は不要。録画番組は古いものから自動で削除されるため、番組管理の手間も最小限と、実に使い勝手に優れている。
本機は、こうした全録レコーダーのよさをさらに進化させ、全録する放送局の選択といった設定も簡単にし、誰にでも使える親しみやすいものに仕上げた。「全自動ディーガ」という愛称にふさわしい完成度だ。
加えて、放送番組だけでなく、写真や動画もスマホで好きな場所から楽しめるなど、ネットワーク連係も強化。一度使ったら手放せなくなるであろう傑作モデルだ。
「全録レコーダーのよさを進化させて、誰にでも簡単に使えるように仕上げている。」