「定額制」で家電を利用する人が増えている。普通に購入する場合と、どんな違いがあるのだろうか。アイロボット「ロボットスマートプラン」やダイソン「ダイソン テクノロジー プラス サービス」、パナソニックなどのサービスを解説していく。メリットや注意点を知ってから利用しよう。

目指せ!家電選びの達人
今回は「家電のサブスク

監修者のプロフィール

画像: 監修者のプロフィール

中村剛(なかむら・つよし)

「TVチャンピオン」スーパー家電通選手権で優勝の実績を持つ家電の達人。家電製品総合アドバイザー、消費生活アドバイザー。東京電力「くらしのラボ」所長。現在、暮らしに役立つ情報を動画(facebook)で配信中。

日々の生活に必要で、購入するのが当たり前だった家電に、サブスクリプション制度が波及しつつある。「定額制」で利用するという選択肢には、普通に購入する場合と、どんな違いがあるのだろうか。現行のいくつかのサービスを紹介しつつ、メリットや注意点をまとめてみた。

家電製品もサブスクの波

憧れの家電を毎月定額で使えて、交換も可能

最近は、モノを所有することへの価値観に、変化が見られるようになってきた。これまでは「所有することがステータス」で、モノを手に入れることは"喜び"だったが、今は「所有することは負担」であり、さらには、"リスク"ととらえる向きも増えているようだ。

特に高額な家電の場合、ミスマッチな物を購入してしまうと、すぐには買い替えられず、不満を抱えながら何年も使い続けることになる。また、処分に関しても、手間やお金がかかる。そういったリスクを背負うより、短期間で手放せたり、気軽に交換できたりしたほうが、スマートで暮らしやすい。サブスクリプションが登場した背景には、そういった時代のムードがある。

サブスクリプション(サブスク)とは?

「定期購読」や「会費」という意味を持つ言葉で、製品やサービスなどの利用期間に応じて料金を支払う方式。パソコンソフトや音楽・動画配信などで採用され、広く知られるようになった。最近は、家電や家具、クルマ、洋服などでもサブスクの形態が増えている。

画像: サブスクリプション(サブスク)とは?

多彩なサービスが登場

ルンバが月々1200円で利用でき、最後はもらえる

今まで手が届かなかった憧れの製品が、新品もしくはそれに近い状態で利用できる。しかも、毎月の支払い料金が手ごろで、最新機種への乗り替えが可能なものもある。一人暮らしや結婚などのライフイベントに合わせて、柔軟に家電を選択できるのもメリットだ。では実際に、どんな製品が、どのような条件で借りられるのか。いくつかのサービスを例にして、内容を見ていこう。

まず、アイロボットでは、ロボット掃除機の定額制サービス「ロボットスマートプラン」をスタートしている。3年間のレンタルプランで、入門機のルンバ 641は1200円/月、上級機種のi7+は3800円/月、床拭きロボットのブラーバ 390jが1400円/月で利用できる(いずれも税別)。3年後には、使っていた製品をそのまま自分のものにできるのも特徴。そのため、スタート時は新品が送られてくる。

現在、ロボット掃除機の日本での普及率は約7%と低く、興味を持った人が試せる場ができたことは、ユーザーにもメーカーにもメリット。もちろん、生活スタイルに合わなければ返品できるのだが、1年以内の中途解約の場合は違約金が発生。2年め以降は、いつでも解約・返品が可能だ。

3年間継続するとルンバ、ブラーバがもらえるプラン

アイロボット
ロボットスマートプラン

Powerted by Rentio
https://www.irobot-jp.com/robotsmartplan/

家電レンタル「Rentio」と連携し、2019年6月にスタートしたサービス。1200円/月からルンバが利用でき、3年間サービスを継続すると、使っていた製品を自分のものにできる。

画像1: 3年間継続するとルンバ、ブラーバがもらえるプラン

ベーシックモデルのルンバ 641が1200円/月、ハイスペックモデルの985が2800円/月、自動ゴミ収集機がセットになった上位モデルのi7+が3800円/月、床拭きタイプのブラーバ 390jが1400円/月(いずれも税別)。

画像2: 3年間継続するとルンバ、ブラーバがもらえるプラン
画像3: 3年間継続するとルンバ、ブラーバがもらえるプラン
【プラン例】ルンバ641の場合
期間3年3年後にもらえるプラン
(最低12カ月の利用が必要)
料金1200円
(税別)
2年め以降はいつでも解約可
(12ヵ月以内の解約は違約金あり)
支払い
方法
クレジット
カード
12カ月以内の不具合や故障は
無償修理対応

次に、プロジェクターとスピーカーを搭載したLEDシーリングライトのポップインアラジンは、家具家電のサブスクリプションサービス「CLAS(クラス)」で、定額利用を開始した。

家電&家具のサブスクも話題!交換可能で気軽に使える「CLAS」
ベッドやソファー、ダイニングテーブル、テレビ、洗濯機など、生活に必要な家具や家電が豊富にそろうサブスクリプションサービスとして話題の「CLAS(クラス)」。一人暮らし向けからカップル向け、ファミリー向けなどと幅広く、ライフイベントに合わせて借り替えが可能だ。通常範囲の利用であれば、汚れや傷がついたアイテムは、無料で交換してくれる。

画像4: 3年間継続するとルンバ、ブラーバがもらえるプラン

この製品は、映画やテレビ番組、動画サイトなどを壁に投映できる注目モデルで、販売価格は約8万円。それが、サブスクなら3300円/月で利用できるため、特にファミリー層からの引き合いが高いという。

3年めからは1650円/月、4年めは660円/月と、長く利用するほど毎月の料金が安くなるのもポイント。利用者の不注意で商品を汚したり傷つけたりしても、追加料金やペナルティは一切不要としている。

大注目のプロジェクター。3年目から月額が安くなる

ポップインアラジン
ポップイン

「CLAS(クラス)」で取り扱い
https://clas.style/110

家具・家電のサブスクサービス「CLAS」にて、今年から取り扱いを開始。約8万円の注目アイテムが3300円/月で利用できるとあって、商品ランキング1位となる人気ぶり。3年めからは月額が半額になる。

画像5: 3年間継続するとルンバ、ブラーバがもらえるプラン

40〜120型の映像が壁に投映できるLEDシーリングライト。Wi-Fiやブルートゥースでつながるため、多彩な映像コンテンツが大画面で楽しめる。

画像6: 3年間継続するとルンバ、ブラーバがもらえるプラン
【プラン】
レンタル
期間
最低3カ月(3ヵ月未満の返却は、
手数料+残期間分の
レンタル料金が必要)
料金3300円/月
(税別)
25ヵ月めから1650円/月
37ヵ月めから660円/月
返却
費用
4400円
(12ヵ月めまで)
2200円
(24ヵ月めまで)
支払い
方法
クレジットカード

メーカー独自の取り組みも

■契約期間終了時に、新しい製品にアップデート可能

ダイソンは、コードレスクリーナーファンヒーターヘアードライヤーの3ジャンルで、定額サービスを展開している。

プランは2種類あり、設定期間3年の「パフォーマンスプラン」では、普及クラスの機種が1100円/月で使用可能。設定期間2年の「アドバンスプラン」では、最上位機種のコードレスクリーナーと空気清浄機能付ファンヒーターが2750円/月、ヘアードライヤーは、パフォーマンスプランと同じモデルが1650円/月で利用できる。

契約期間が満了し、サービスを更新する場合は、利用中の機種との交換で、最新機種へとアップデートすることが可能。ちなみに、ルンバのように自分のものになるプランは用意されていない。

なお、契約期間中に解約する場合は、手数料3300円が必要だ。

人気の掃除機やドライヤーが気軽に使える

ダイソン
ダイソン テクノロジー プラス サービス

https://www.dysontechnologyplus.com/

プランは2種類で、「アドバンスプラン」はケアも充実。コードレス掃除機は1年経過後に点検・部品交換が、空気清浄機能付ファンヒーターは、交換フィルターの提供が無償で行われる。

画像1: ■契約期間終了時に、新しい製品にアップデート可能
画像2: ■契約期間終了時に、新しい製品にアップデート可能

パフォーマンスプラン
対象モデル(設定期間3年)
コードレスクリーナー
dyson v7 slim
ファンヒーター
dyson hot+cool
ヘアードライヤー
dyson supersonic ionic

アドバンスプラン
対象モデル(設定期間2年)
コードレスクリーナー
dyson v11 fluffy
ファンヒーター
dyson pure hot+cool
ヘアードライヤー
dyson supersonic ionic

【プラン例】ヘアードライヤー(アドバンスプラン)の場合
期間2年3年後にもらえるプラン
(最低12カ月の利用が必要)
料金1650円/月
事務手数料
3300円
ダイソンテクノロジー プラス専用
の製品サポート付き
支払い
方法
クレジット
カード

パナソニックでは、「安心バリュープラン」として、4Kテレビのサブスクを開始した。扱っている製品は、4K有機ELテレビが6機種、4K液晶テレビが3機種。製品ごとに設定された金額を分割払いするクレジットプラン(3年と5年の2種類から選択)で、いずれも、契約期間内はメーカー保証が適用される。

契約期間満了前に、更新して新しいテレビに交換するか(最終回分割金は支払い不要)、残債を支払ってテレビを自分のものにするかの選択が可能。

例えば、約65万円の4K有機ELテレビの場合、5年プランなら月々9700円(分割支払い2回め以降)で利用でき、契約更新時には、最終回分の支払い額8万9000円が免除されて、新しいテレビに乗り替えられる。テレビはパナソニック製品を使うと決めている人には、有効な選択肢といえる。

パナソニック
安心バリュープラン

https://ec-club.panasonic.jp/product/anshin-value/

約15万〜約65万円の最新4Kテレビを月額1万円以下で利用できる。契約満了時に、使用中のテレビを引き取るか、新型と交換するかを選択可能。契約中は無料修理保証がつく。

画像3: ■契約期間終了時に、新しい製品にアップデート可能

3年プラン/5年プラン
対象モデル(設定期間3年)

4K有機ELテレビ
TH-65GZ2000/55GZ2000
TH-65GZ1800/55GZ1800
TH-65GZ1000/55GZ1000

4K液晶テレビ
TH-65GX855/55GX855/49GX855

画像4: ■契約期間終了時に、新しい製品にアップデート可能
【プラン例】4K液晶テレビ(TH-55GX855)の場合
★現金価格19万300円+分割手数料4871円
〈分割支払額:19万5171円/プラン継続の場合:16万7171円〉
期間5年
料金1回め4771円
2800円×58回
最終回2万8000円
※プラン継続の場合、
最終回は不要
(実質支払額16万7171円)
支払い
方法
「安心バリュープラン」
クレジットカード

また、同社では、コーヒーの生豆と焙煎技術をセットにした「The Roast Basicサービス」も展開中だ。焙煎機を購入して、生豆の定期頒布サービスに加入すると、厳選された生豆と焙煎レシピが定期的に送付され、誰でもこだわりの焙煎が再現できるようになっている。焙煎機は11万円と高価だが、人気サービスとして定着したようで、上級者向けプランも新たに追加されている。

パナソニック
The Roast Basicサービス

https://panasonic.jp/roast/service.html

毎月送られてくるコーヒー生豆に合わせて、プロの焙煎士が最適な工程を設定。そのデータを焙煎機本体にダウンロードすることで、手軽に自分で焙煎したコーヒーが味わえる。

画像5: ■契約期間終了時に、新しい製品にアップデート可能
画像6: ■契約期間終了時に、新しい製品にアップデート可能

【焙煎機本体+スターターキット

料金/1万円
・焙煎機本体
・チャフ専用ビン
・スターターキット(生豆200g×2種、ジャーニーブック)

GREEN BEAND(生豆)
12カ月定期頒布(下記から選択)
・生豆1種(200g×1、約16杯分/月): 2160円/月

・生豆2種(200g×2、約32杯分/月): 3672円/月

・生豆3種(200g×3、約48杯分/月): 5184円/月

さて、多彩なサービスを紹介してきたが、こういった新しいサービスが存続できるかどうかを大きく左右するのが、「カスタマーサクセス」だといわれている。ユーザーが「成功した」と感じる状況を、メーカーが支援・維持することがサービスの継続につながり、メーカーも利益を生み出せる。サブスクの契約中に手厚いケアが受けられるのは、ここに理由がある。この点は、ユーザーにとって歓迎すべき状況だろう。

また、メーカー側にとっては、サブスクの導入によって、高価な製品を使ってもらう入り口が増やせるほか、顧客と直接つながりが持てるようになることも大きい。プラン更新時に新製品へ乗り替えてもらうなど、利用継続させる仕組みが軌道に乗れば、顧客をつかみ続けられる。新しいビジネスモデルの導入で、ユーザーもメーカーも新たな局面を迎えている。

まとめ

サブスクリプションのよさは、「いつでも手放せる」という自由度の高さにある。月々の支払い額など見た目のお得感ばかりを意識すると、余計な出費が生じる場合もあるので注意しよう。

また、サービス内容は製品によって異なる。契約期間に縛りはあるのか、解約時の手数料や手間はどれくらいか、修理の申し込みは簡単かなど、利用する際は、きちんと理解したうえで、上手に活用したい。

※価格は記事作成時のものです。

解説/中村剛
取材・執筆/諏訪圭伊子(フリーライター)

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