51年目となるタイガー魔法瓶「炊きたて」シリーズの最新モデルが上市されました。それは「IoT」搭載の「圧力IHジャー炊飯器〈炊きたて〉JPA-X100」です。IoT化でできることの目玉は3つ。銘柄米炊飯プログラム、お米便、見守り、それぞれのサービスについて詳しく見ていきましょう。
タイガー・圧力IHジャー炊飯器〈炊きたて〉JPA-X100が登場
現在の炊飯器の完成度は、すごいものがあります。「高級炊飯器」というカテゴリーが提案されて以降の技術開発は、本当に凄かった。電気の火力は、「火」に負けます。そのために、まず「IH化」、そして保温性の高い「内釜」の開発。次に加圧による「水分コントロール」、そして水と火力を睨みながらの「最適プログラム」。そして1合でも5合でも同じように美味しく炊けるように「フタ中までIH化」など、出尽くした感があります。
そんななか、51年目となるタイガー魔法瓶「炊きたて」シリーズの最新モデルが上市されました。それは「IoT」搭載です。さて、タイガーはどんなサービスをしてくれるのでしょうか?
調理家電のIoT化の流れに乗った!
今の世の中、家電のIoT化が進められています。テレビのように、ネットも見れるのが当然という家電もありますが、白物家電は「何ができるのか」が大きなポイントです。
例えば、調理家電では、オーブンレンジの「メニュー追加」「メニュー検索」が成功ではないでしょうか?でも、その昨日がないからといって、とっても不便ということではありません。まだ、キラーコンテンツは見つかっていません。
IoTでできること(1)
銘柄米炊飯プログラム
1つ目は、調理家電らしく「メニューアップ」です。ただし、お米のメニューはほぼ網羅されてプレインストールしています。JPA-X100は、何のアップをしているのかというと、「銘柄米炊飯プログラム」です。
これは年々増え続けているお米の銘柄数への対応と、その年のでき具合に合わせるという2つです。最近は話題にのぼらなくなりましたが、「豊作」と「凶作」で、味は著しく異なります。それにふさわしいプログラムを出そうというわけです。
IoTでできること(2)
お米便
2つ目は「お米便」です。今、スーパーで特売のお米は、2kgで1000円、5kgで2000円で銘柄米が手に入ります。また精米日もチェックできます。このためスーパーで買うのですが、問題は帰り。男といえども、5kgは重い。このため、他のモノを買い控えますね。
それを発注、配達までやってくれるのが、「お米便」です。
スタート時は、新しいお米の封を開けた時。ここで「何kg」開封したのかをインプトします。あとは、JPA-X100が勝手に管理してくれます。そして0kgになる前にお米の販売しているネットストアに接続してくれます。特に、アマゾンへは同じネットストア、同じ銘柄、同じ量で発注してくれます。(Amazon Dash Replenishment)他には、ヨドバシ.com、Joshin web ショップ。確かに便利なのですが、スーパーより割高のがちょっと嫌ですね。ただ、配達してくれるのは魅力。重いものを持つ必要がなくなります。
IoTでできること(3)
見守り
後は、スマホからいろいろな設定したり、情報が確認できる機能です。これが予想外に便利でした。これは私がお腹が空いたときに、ご飯を炊いて料理を作ることが多いからかもしれません。が、土日などは、どこのご家庭もそうではないでしょうか? 豪華でも、質素にするにせよ、ご飯さえあれば、何とかなります。
これの延長線上にあるのが、「見守り」サービス。JPA-X100を父母にプレゼント。使用情報をもらうことにより、遠距離にいる父母の状況を把握できるというものです。年をとった肉親というものは、どんな関係であろうと気に掛かるものです。地味といえば、地味ですが、いい感じのサービスともいえます。
炊飯器としての評価
試食してみました。多いに美味しいです。この上のモデル「土鍋圧力IH」シリーズに比較すると、ややふっくら度が少ない気がしないでもないですが、十分に美味しい。むしろ、昔のようにお米をいっぱい食べる人には、こちらの方が、適度かもしれません。文句はないです。
後、私の記憶が確かなら、タイガーの保温は、24時間以内が望ましいとしながらも、24時間以上連続で保温することも可能でしたが、JPA-X100は24時間で保温は切れます。タイガーの炊飯器の古い機種から乗り換えた人はちょっと戸惑うかもしれません。
土鍋神話<炊きたて>シリーズのIoT機能搭載モデル 炊飯容量:5.5合炊き(最大炊飯容量:1.0L) / 加熱方式:可変W圧力IH
商品サイズ本体:(約)幅25.2×奥行30.2×高さ21.1cm 商品重量 : 5.4kg
電源コード:(約)1.0m / 1回当たりの炊飯時消費電力Wh:176 / 1時間当たりの保温時消費電力量Wh:17.8
付属品:計量カップ、自立式しゃもじ、麦専用計量カップ(1割/3割)、内なべコーティング3年保証つき
土鍋コーティングを施した遠赤…
まとめ
炊飯器の新しい可能性が詰まったモデル
今ある優れた炊飯器の次のステップとして「IoT」機能を盛り込んだモデル。目玉は、「お米便」ですが、選択肢がまだまだ少ないことが課題でしょうか。例えば、今の選択先が、少々お値段が高いことなど、まだまだ導入し始めという感は拭えないです。
しかし、これらはアップデートできます。価格は、税別で5万円を出ますが、プログラム更新、常に最新プログラムが使えることを考えると、リーズナブルと言えます。若い人でもお米好きなら投資する価値ありです。
お米便では、安いのが足らないと指摘しましたが、農家直接など、高くても安心して、納得できる、美味しいお米を全国で手配できるようにするのも一つの方法だと思います。それは、主食でありながら嗜好品のレベルまで、お米を磨き上げたのが銘柄米だからです。こちらは既存のネットストアに接続するのではなく、タイガーが独自に銘柄米のネットストアを作るなど、面白い提案が欲しいところです。
炊飯器の新しい方向性を示すモデルだと言えます。
◆多賀一晃(生活家電.com主宰)
企画とユーザーをつなぐ商品企画コンサルティング ポップ-アップ・プランニング・オフィス代表。また米・食味鑑定士の資格を所有。オーディオ・ビデオ関連の開発経験があり、理論的だけでなく、官能評価も得意。趣味は、東京散歩とラーメンの食べ歩き。