月々のスマホ代が安くなるということで、今、人気が高まっている格安スマホ。では、実際に乗り替えるときにはどうしたらいいのだろうか? その手順をわかりやすく紹介しよう。
1 準備 本人確認書類などを用意し、MNPの予約番号を取得する
現在、大手キャリアのケータイやスマホを使っている人は、MNP(番号ポータビリティ。電話番号を変えずに別の通信事業者と契約すること)という制度を利用して、今使っている電話番号のままで格安スマホ(SIM)に乗り替えられる。
格安スマホを購入する日を決めたら、現在契約しているキャリアに連絡して「MNP予約番号」を発行してもらおう。新しく契約するMVNOでの契約申し込み時に、MNP予約番号を伝えれば、電話番号を引き継げる。
なお、MNPでの転出の際には、MNP転出手数料がかかり、ドコモは2160円、auとソフトバンクは3240円が必要。また、解約時期によっては、規定の契約解除料も請求される。
●乗り替え前に準備しておこう
1.本人確認書類
音声SIMの場合、運転免許証やパスポートなどの本人確認書類が必要。健康保険証では公共料金の領収書など補助書類も必要。
2.クレジットカード
利用料の支払いにはクレジットカードが必要な場合が多い。少数派だが、口座振替など、ほかの決済方法を利用できる場合も。
3.メールアドレス
利用者向けの情報を受け取るために必要で、キャリアメールは不可。「Gmail」や「Yahoo!メール」のアドレスを用意しておこう。
●MNPの予約番号を取得しよう
2 実践編その1 店舗に行って、SIMとスマホを新規に購入する
格安スマホや格安SIMの購入方法は、実際の店舗とウエブがある。スマホを購入して、それを格安SIMで使うのであれば、スマホとSIMの両方を販売する店舗に行くのがおすすめ。特に、大手の家電量販店では、SIMフリースマホのコーナーを設営する店が増えており、SIMも複数の事業者から選べることが多い。
まずは、購入したいSIMとスマホを選ぼう。格安SIMはドコモ回線を利用するものが主流で、一部の事業者がau回線やソフトバンク回線に対応する。
スマホは、通常SIMフリースマホから選ぶことになるが、ほとんどの端末がドコモ回線に対応している。そのため、au回線を利用したい場合は、対応する端末を確認する必要がある。
購入するSIMとスマホを決めたら、利用契約を申し込む。その際、MNP予約番号を告げて、運転免許証など本人確認書類も提示しよう。毎月の決済に用いるクレジットカードの登録が必要となる場合も多い。契約手続きの完了後、回線が開通したSIMの受け取りまでには若干の待ち時間が生じる。
●店舗で購入する場合
1. 店舗に行き、SIMを購入する
契約が可能な店舗の場合、その場で必要書類に記入して、契約できる。スマホも同じ店で購入したほうがア
2. 契約の手続きを行う
通常30分以内で回線が開通し、SIMが利用可能となる。スマホへの取り付けは、自分で行うのが原則だが、店舗で受け付けてくれる場合もある。
2 実践編その2 スマホは使い続け、SIMのみをネットで購入する
今使っている大手キャリアのスマホに格安SIMを差して使うこともできる。
この場合、ドコモのスマホを使っている人はドコモ回線、auのスマホを使ってる人はau回線、ソフトバンクのスマホを使っている人はソフトバンク回線を使う格安SIMを選ぶといい。
現在、大手キャリアのスマホも一定期間使えばSIMロックを解除できるが、同じ回線のSIMを使うのであれば、SIMロックの解除は不要だ。ただし、SIMロックを解除しておくと、海外渡航時に現地で購入したSIMが使えるなど利便性が向上することは覚えておこう。
SIMだけを購入するのであれば、利用したいMVNOのウエブサイトから申し込むのが便利だ。
本人確認書類は、撮影した画像やスキャンした画像をアップロードする必要があるので、事前に準備しておこう。また、MNP予約番号も忘れずに取得しておきたい。
申し込み後、SIMが届くまでの日数は、MVNOや居住地域によって異なるが、最近は当日または翌日に発送されるケースが多いようだ。
●ウエブで購入する場合
1. ネットでSIMのプランを選ぶ
気になるMVNOのウエブサイトにアクセス。月額利用料だけでなく、詳細な契約条件も確認しておこう。
2. 契約の手続きを行う
ウエブの申し込みフォームに入力。本人確認書類は、スマホカメラで撮影した画像でOK。SIMの到着までに2〜3日かかると見ておこう。
3 契約後 SIMをスマホに取り付け、初期設定などを行う
SIMフリースマホは、自分で初期設定をしなくてはならない。
SIMとセットで購入した場合は、MVNOが配布する説明書などを読んで設定しよう。わからない場合は、ウエブサイトも参照するといいだろう。
キャリアのスマホを使い続ける場合は、初期設定での作業(APN設定の手入力など)がやや煩雑な場合もある。MVNOのウエブサイトを参照し、うまくいかない場合は、MVNOに直接問い合わせよう。
●SIMの取り付けや初期設定を行う
SIMが届いたら、説明書のとおりに使用するスマホに取り付けよう。その後、iPhoneは専用プロファイルのインストール、AndroidはAPNの設定が必要だ。
知っておきたいSIMの基礎知識
SIMとは、ケータイやスマホに装着する小さなカードで、電話番号や契約者情報などが記録されている。SIMがないと通話もモバイルデータ通信も利用できない。SIMには3サイズあるが、現在は最も小さいnano SIMが主流。au回線では、nanoとmicroの2サイズに対応したSIMパッケージが提供される。
解説/村元正剛(ITライター)
イラスト/松沢ゆきこ