7〜8月は旅行の季節。最近注目されている豪華なシートを備えた長距離バスを比べてみた。比較の条件としては、バスの横幅に2座席しか配置しない独立シート、または個室である。新幹線のグリーン車というより、飛行機のビジネス/ファーストクラスに近い内容だ。

座席は2列のみで、最大12席という特等仕様

今、豪華なシートを備えた長距離バスがブームとなっており、下表に掲げたように、6社・8種類のバスが毎日1便程度運行されている。また、表の「運行路線」を見てもらうとわかるが、ほとんどが東京─大阪間で運行されている。

一般席なら40席以上配置できるバスに、12席程度しか配置しない豪華シートは、料金が高いとはいえ、空席のまま運行すれば大きな赤字になるわけで、各社とも、ドル箱路線でないと採用できないという事情があるのだろう。

ちなみに、長距離バスは安全性の観点から1人の運転手の連続運転距離が規定されており、どのバスも400キロ程度の路線から、運転手2名体制となる。東日本JRバスの東京─大阪路線は、静岡県の三ヶ日ICで運転手交代が行われる

画像1: 座席は2列のみで、最大12席という特等仕様

「ドリームスリーパー」(関東バス・両備バス(共同運営)
全11席が完全個室になっている業界唯一のバス。フットレストが水平になる「ゼログラビティシート」を備える。

画像2: 座席は2列のみで、最大12席という特等仕様

「ドリームルリエ」(西日本JR)の「プレシャスクラス」
シートへの入り口以外はすべてボードで仕切られ、ほぼ個室といえる。バスの前方に4ないし6席だけ設けられている。

画像3: 座席は2列のみで、最大12席という特等仕様

「プレミアムドリーム号」等(西日本JR)のプレミアムシート
プレミアムドリーム号は2階建てバスで、その1階部分はプレミアムシートのみ。低反発素材のシートで寝返りもラクラク。

画像4: 座席は2列のみで、最大12席という特等仕様

「マイフローラ」(海部観光)
全12席すべてが豪華シート。入り口以外はボードで仕切られた個室スタイル。シートの座面は業界屈指のワイドサイズ。

画像5: 座席は2列のみで、最大12席という特等仕様

「エグゼクティブ」(WILLER EXPRESS)
2階建てバスの1階にこのシートが配置される。「電動ゆりかごリクライニング」を搭載したシートを採用している。

画像6: 座席は2列のみで、最大12席という特等仕様

「コクーン」(WILLER EXPRESS)
シェルに包まれたスタイルの2列独立シート。イメージは飛行機のビジネスクラスに近い。1台に全12席が配置される。

画像7: 座席は2列のみで、最大12席という特等仕様

「はかた号」(西日本鉄道)の「プレミアムシート」(個室)
2階建てバスの1階に、このシートが4席だけ配置される。ボードで仕切られた個室スタイル空間に、本革シートを備える。

画像8: 座席は2列のみで、最大12席という特等仕様

「サウスウェーブ」(和歌山バス)の「プレミアムシート」(ほぼ個室)
1台のバスで、前方2席だけ設けられた個室スタイルのシート。席数が少なく、通常料金+1000円で乗れるため競争率が高い。

画像9: 座席は2列のみで、最大12席という特等仕様

シート構成はバスによりさまざまで、全席が豪華シートというのは「ドリームスリーパー」「マイフローラ」「WILLER(コクーン)」に限られており、あとは2〜6席程度が豪華シートという仕様になっている。

中でも注目なのが「ドリームスリーパー」だ。

ボードで仕切られた完全個室スタイルで、寝ることに主眼を置いた「ゼログラビティシート」はフットレストが水平まで上がり、最も寝やすい体勢が作れる。リクライニングの数値的には138度と控えめだが、フットレストが水平になるのは、このバスだけである。

また、「ドリームルリエ」「マイフローラ」「はかた号」「サウスウェーブ」は、仕切りの一部にボードを用いて、個室感を出している。

ちなみに、「ドリームスリーパー」と「マイフローラ」は土足厳禁で、車内では備え付けスリッパに履き替える。

「プレミアムドリーム」「WILLER(エグゼグティブ/コクーン)」は、ボードは使われていないが、シート自体がハイバックで後ろを気にする必要はなく、カーテンによってプライベート空間が作られる。また、「WILLER(コクーン)」のシートは、やや通路側に向けて設置されており、これは、前席と軸線をズラすことで、足元の窮屈さを軽減するねらいがある。

表中の価格を見るとわかるが、豪華シートは高価だ。一般的な長距離バスより高価なのはもちろん、ともすると新幹線や飛行機よりも高い。また、乗車時間も、東京─大阪で8時間弱、東京─福岡は14時間超と、圧倒的に長い。

しかし、運行時間帯は夜中で、乗車時間の大半を睡眠に充てられるので、交通費+ホテル代と考えれば、案外リーズナブルである。このあたりにメリットを感じている人が一定数いるからこそ、これだけの本数が運行されているわけだ。 

各バスとも、プライベート空間を重視していることからもわかるように、基本的に一人旅用。この夏、キングオブ深夜バスの異名を持つ「はかた号」で一人旅を楽しむのもいいだろう。

解説/福多利夫 (フリーライター)

※料金は記事制作時のものです。

This article is a sponsored article by
''.