レコードは、細い音溝の中に高音から低音、大音量から小音量までを記録するために、低音を小さく、高音を大きく記録している。これをそのままアンプに送ると、正確な音が再生されないので、元に戻す処理が必要となる。それを補正するのが「フォノイコライザー」。またレコード特有の再生作法がある。
レコードならではの音を再生する仕組み
レコードは、音を出すに当たり、やや特殊な性質を持っている。レコードは、細い音溝の中に高音から低音、大音量から小音量までを記録するために、低音を小さく、高音を大きく記録している。これをそのままアンプに送ると、正確な音が再生されないので、元に戻す処理が必要となる。それを受け持つのが「フォノイコライザー」という装置である。
●フォノイコライザーが必要
レコードプレーヤーに内蔵
アンプに内蔵
単体フォノイコライザー
フォノイコライザーは、レコードプレーヤーとアンプの間に接続される装置で、単体の製品もあるが、多くの場合は、アンプかプレーヤーに内蔵されている。アナログオーディオ全盛期には、主にアンプに内蔵されており、レコードプレーヤーはアンプの「フォノ(PHONO)端子」に接続するのが通常だった。
だが、デジタルオーディオが全盛になると、フォノイコライザーは一般的なアンプからは排除されるようになり、代わりにミドルクラス以下のレコードプレーヤーにフォノイコライザーが内蔵されるようになった。
フォノイコライザー内蔵のプレーヤーは、CDやカセットと同じく、リニアな音声信号を出力するので、アンプの「LINE IN」や「AUX」端子に接続することができる。これからレコードプレーヤーを買うという人は、フォノイコライザー付きのモデルを選ぶようにしたい。
●単体フォノイコライザー
フォノイコライザー
AT-PEQ20
もう一つ、気にしたいのがカートリッジだ。これには「MM型」と「MC」型の2種類がある。「MM型」は高出力なので、フォノイコライザーさえあればアンプに接続可能。高レスポンスで高級品とされる「MC型」は出力が小さいので、フォノイコライザーのほかに専用のMC用昇圧トランスが必要になる。
現在のミドルクラス以下のレコードプレーヤーは、ほぼすべてがMMカートリッジ専用のフォノイコライザーが内蔵されており、MM型のカートリッジが付属している。カートリッジを買い替える場合も、MM型を購入する必要があるわけだ。
●カートリッジは付属が多い
レコードプレーヤーの再生の作法 ※オーディオテクニカ・AT-LP3の例
1
ターンテーブルをセンタースピンドルに取り付ける
2
ベルトをローラーに引っ掛ける
3
カートリッジをトーンアームに取り付ける
4
カウンターウエイトを適正値に調節する
5
アンチスケーティングダイヤルを調節する
6
アンプにオーディオケーブルで接続する
7
ターンテーブルにマットを装着する
8
レコードをマットの上に乗せる
9
レコードの回転数を選ぶ
10
回転させてブラシでホコリを取る
11
リフターを上げてトーンアームを持ち上げる
12
無音部分に針を移動してリフターを下げる
解説/福多利夫(フリーライター)