LSPX-S2は、有機ガラス管を振動させて音を奏でるソニー独自の技術を採用したポータブルスピーカー。価格も身近になり、高域を担当するガラス管部がスリム化。また、Wi-Fiに対応し、ハイレゾ音源のネットワーク再生も可能になったのが特徴。
有機ガラス管を振動させ、360度広がるクリアなサウンドが楽しめる
Wi-Fiに対応し、ハイレゾも再生可能なグラスサウンドスピーカー
グラスサウンドという言葉は聞き慣れないかもしれないが、有機ガラス管を振動させて音を奏でるソニー独自の技術で、LSPX-S2は、この技術を採用したポータブルスピーカーだ。
ガラス管部分は高域を担当し、中低域は台座部に収めた直径35ミリのダイナミック型ドライバーとパッシブスピーカーで補強する。
ソニー LSPX-S2
実売価格例:4万4870円
ガラス管の表面全体から高域の音が鳴る!
前モデルとの違い
有機ガラス管を用いたスピーカーシステムの元祖は、2008年発売のSountina(サウンティーナ)。ガラス部分だけで1メートルもあり、価格も100万円(税抜き)と高額で、同社の技術力を知らしめる看板的な役割を担っていたように思うが、360度広がるクリスタルクリアな音は衝撃的だった。
その技術を受け継ぎ、小型化と音質改良を行って2016年に発売された前作、LSPX-S1を経て、さらにユーザーや市場の声、技術改良の成果が盛り込まれた期待の新モデルが本機なのだ。
前モデルとの決定的な違いは、ガラス管部がスリム化され、価格も身近になったこと。機能面ではWi-Fiにも対応し、ハイレゾ音源のネットワーク再生も可能になった。ライティングも、光量の強弱調整に加え、明滅でキャンドルのような揺らぎを再現するモードも選択可能になり、よりインテリア性が高まっている。
実物を目の前にすると、前モデルよりも非常にコンパクトで、小型のランタンといった印象だが、音を聴くと、スケールダウンしたものでないことがわかる。台座部は、金属素材で質感が大幅にアップ。重量増は、音質にもプラスだろう。
音質は、有機ガラス管ならではと思える繊細さと、ふわっと広がる空気感が前モデルよりもアップ。量感は控えめだが、遠くにいてもよく聴こえ、小さなスピーカーが鳴っているとはとても思えない。ハイファイファンのサブシステムとしてもユニークな製品だ。
外出先でもクリアな音が楽しめる!
※価格は記事作成時のものです。
解説/鴻池賢三(AV評論家)