パソコン、スマホの普及に伴い、「ドライアイ」という言葉が飛び交うようになりました。ドライアイとは、本来潤っていなければならない目の表面が乾いてしまうことです。私にもその症状があるドライアイ。これに対し、美容家電で対抗しようというのが、今回の狙いです。
ドライアイの発生原因
名前からすると、水分だけが不足していると思いがちですが、油分もなくなるのが原因だそうです。目の油分は、目の周囲にある皮脂腺「マイボーム腺」から供給されるのですが、これが、目の表面に薄い膜を張ります。当然、水分は蒸発しにくくなります。さすが神の御手による生命進化。実に上手く出来ています。
ドライアイの原因は、この油分の供給がなくなり、結果水分が不足してしまうことだそうです。「マイボーム腺」は、目の周囲の筋肉の動き、つまり「まばたき」で分泌されます。まばたきをせず、凝視を続けるパソコン、スマートホンは、ドライアイの原因になります。
では、まばたきすれば、ドライアイは解消するかというと、しません。
理由は、マイボーム腺に皮脂が詰まった状態になっているから。人間の体は、機械以上に精密と言われますが、一度ドライアイを発症させてしまうと、対応が非常に面倒です。
ドライアイへの対処法
ドライアイに対応するときに、することは2つです。一つは腺に詰まった油分を溶かすことです。もう一つは目の筋肉をほぐしてやることです。
油分を溶かすのは、お風呂のお湯程度(40度位)で十分。そうでないと、人間の体温で凝固状態になりますので、人のいたるところの腺が詰まってしまいます。しかし、時間はかかります。10分が目安だそうです。
そして、まばたきのように、目を動かしてやることが必要。凝視した後、目が吊るような感じになるときがありますが、それは本当に目の筋肉が硬直しているのですね。これが続くと、筋肉の可動範囲が狭くなり、近視となります。「凝視」されると人は嫌な気持ちになりますが、「人が生物としてはならない行為」というのが無意識下で分かっているからかも知れません。
パナソニック 目もとエステ EH-SW67
今回、このドライアイに挑戦したのが、パナソニックの「目もとエステ」EH-SW67(以下「EH-SW67」)です。
EH-SW67は、「目もと」を上手くマッサージするための道具で、使っているのは「熱」と「振動」です。
まずは、内側の吸水プレートのメッシュの部分を水に濡らします。これでメッシュ部に少しだけ水がトラップされます。そして、その水を熱で水蒸気にし、これを目に吹き付けてやるわけです。イメージは、お風呂の湯気を目に吹き付けて温める感じです。
それに加え、目に当たる縁の部分がプルプルと震えます。湯気の温めと、周りからの振動で、目もとをマッサージしようというわけです。
水分を補給したら、温度設定「低:約38℃」「中:約40℃」「高:約42℃」の中から、選びます。私は、効き目がよく出ますようにと「高」を選択しました。次はリズム。「リフレッシュ」「リラックス」「クイック」の3コースから選択。小刻みなスチームの「やわらか」と、周期の長い、温感が強めのスチーム「しっかり」をうまく組み合わせています。私は「リフレッシュ」が性に合いました。
次は装着。寝た状態なら、顔の上に載せただけでもOKです。座った状態なら付属のゴムバンドを使用。基本的に、パックシート並に楽に装着できます。
始めの1分35秒は、「余熱」。オーブンになった気持ちで(笑)、温度が上がるのを待ちます。この間、リズムは打っているのですが、まったく気持ちよくありません。妙な感じです。
そしてファンの音が……。かなり生ぬるい感じの「湿気」を感じます。とてもではありませんが、設定温度とは思えません。しかし、段々、温度も上がり調子が出てきます。歯車ががっちり噛み合った感じで、気持ちがよくなります。それと共に眠気も……。
パナソニック
目もとエステ
EH-SW67-W
終わったあと、目の部分は軽く濡れています。しかし、水滴がしたたり落ちる程ではありませんが、ここは、「水も滴るいい男」と洒落ましょう。気になる人はハンカチがあるといいでしょう。
嬉しいのは、目の「つっぱり感」がかなり解消されたこと。当然、1〜2回で、ドライアイ前の状態になるわけではないのですが、まだまだ頑張れると、ファイトが湧いても来ました。
近しいのは、温かいおしぼりを目に当てたときでしょうか。ただ、おしぼりは微振動はありません。
私は、日に2〜3回、1週間使いましたが、その都度、かなりイイ感じになりました。特に、パソコン作業が終わったときにするのと、寝る前にするのがイイですね。私は、かなり強めのドライアイなので、「すっきり」までは行きませんでしたが、はるかによい感じになることができました。気持ちも前向きになります。
男性諸氏には、この目もとエステを、自分も使う前提で彼女にプレゼントするのはどうでしょうか。自分も彼女もプラスで、一粒で二度美味しいってやつです。女性への効果は、今、Webを手伝ってくれる女性スタッフがトライ中で、また報告できると思います。もちろん、自分一人で買っても満足度が高いと思います。
◆多賀一晃(生活家電.com主宰)
企画とユーザーをつなぐ商品企画コンサルティング、ポップ-アップ・プランニング・オフィス代表。また米・食味鑑定士の資格を所有。オーディオ・ビデオ関連の開発経験があり、理論的だけでなく、官能評価も得意。趣味は、東京散歩とラーメンの食べ歩き。