一般的な往復式電気シェーバーと比べ、肌にやさしいと言われることが多い回転式電気シェーバー。でも深剃りは?回転式シェーバーの名門フィリップスの最上位機種『フィリップス i9000 プレステージ ウルトラ』は肌下マイナス0.08mmまで肌を傷つけずにカットできるとか。実際にヒリヒリしないのか、くせヒゲで肌弱男子の筆者が徹底検証してみました。
電気シェーバーの基礎知識~往復式 vs 回転式
往復式と回転式のどちらを選ぶか
電気シェーバーは網目状の外刃(網刃)から入ってきたヒゲを高速で動く内刃で挟んでカットする仕組み。フィリップス以外の代表的なシェーバーメーカーの方式は、横長の刃を持つ往復式で、モーターのパワーが直接内刃に伝わりやすく、パワフルにヒゲをカットすることができます。
往復式は直毛気味のヒゲに向いている
基本的には横長の刃を直進させて滑らせていく方式で、ヒゲが直毛に近く、まっすぐ生えている人に向いています。通常は多少のクセヒゲならまっすぐに矯正して剃りやすくするトリマーが、多枚刃シェーバーには付属。現状の高品位機種は5枚刃が主流で、1枚目の刃でカットできなくても次の刃、トリマー刃でキャッチしてまたカットという手順を繰り返し、一気に短時間で剃り上げていくことができます。ただパワフルさがゆえに、必要以上の力で肌に押し当てると皮膚を巻き込みやすい性質があるのです。
もちろんパナソニックが「ラムダッシュ パームイン」で提唱した”なで剃り”のように適切な押し当てを行えば傷つきませんが、形状と基本動作的についつい強く押し当てがちなのは確かです。そしていろいろな方向に生えているくせヒゲはじゃっかん苦手。直進が基本なのでいろいろ角度を変えて剃っていかないとキレイに仕上がりません。
回転刃は自由なクセヒゲに向いている

『フィリップス i9000 プレステージ ウルトラ』
その点回転刃は通常、小さな円形をした刃が3セット、三角形の位置に並んでいます。それぞれが外刃の中に細かい内刃を持ち、外刃から入ってくるヒゲをカットするのは同じです。ただ外刃が円形な分、360℃方向からヒゲが進入しやすく、基本直進の往復式と違ってヘッドを回転させながら肌に当てて使うものなので、くせヒゲをキャッチするのに適した構造をしています。押し当てる力が強ければ当然ヒリヒリしますが、回転刃を回転させながら使うことで、圧が分散されやすく肌にやさしいと言われています。
80年以上の歴史を持つ回転式シェーバーのパイオニア・フィリップスの技術の結晶・最上位機種『フィリップス i9000 プレステージ ウルトラ』
フィリップスとは?

日本で人気の高いシェーバーメーカーは4つ。国産のパナソニック、マクセルイズミ、ドイツの深剃り名門・ブラウン、4社の中で唯一回転式を採用しているのが、今回使用した『フィリップス i9000 プレステージ ウルトラ』(XP9404/21・カラー:クローム・約181x 62 x 67 mm/約220g・実勢価格 税込69,993円・2025年6月11日発売)を生み出したフィリップス(Philips)です。
いまだオランダ・ドラハデンの自社工場で刃を作り続ける同社は、約80年の歴史の中で、ヨーロッパを中心に世界中のくせヒゲに対峙してきました。

1939年に”1つ目”モデルを発売して以来、2つ目モデル、現在おなじみの3つ目モデルへと進化してきました。ちなみにモバイル機種ですが、「フィリップス コンパクトシェーバー 700 シリーズ」で2つ目モデルも現役で存在します。

『フィリップス i9000 プレステージ ウルトラ』が前モデル・S9000シリーズから進化したポイント
ヘッド小さく、外刃は薄く

左から『フィリップス i9000 プレステージ ウルトラ』、前モデル・S9000。背中が反って姿勢が良くなった。
大きな変化と言うよりも、着実な進化を遂げているの前モデル・S9000シリーズと『フィリップス i9000 プレステージ ウルトラ』の違いです。
剃り味に直結する部分では、外刃の厚みが10%薄く設計されました。またエリンギのようなフォルムが楽しいフィリップスのシェーバーでしたが、今回はヘッド面積が20%小型化されており、ストレートに近いシンプルで姿勢の良い形状に変わりました。ヘッドが大きすぎると感じていた人には、肌の凹凸に密着しやすくなる大きな変化です。使い勝手は結構変わります。
ついにシェービングモードが拡張、センシティブ(敏感肌用)も選べるように

左から、穏やかな顔の『フィリップス i9000 プレステージ ウルトラ』、イケイケ感のある前モデル・S9000。
通常モードに加え、インテンス(強)、フォーム(泡立て)、センシティブ(敏感肌用)、そして自分で設定できるカスタムモードを含む5種類のシェービングモードを搭載。肌の弱い筆者にとって、センシティブモードはとてもありがたい!
さらにこれまでの過圧防止センサーに加え、シェービング動作検知センサーを搭載し、最適な圧力と動作をリアルタイムで光のガイド(首元のLED)で知らせるようになりました。
敏感肌でくせヒゲでも、夕方目立たないように深剃りがしたい!

肌が弱かったり、くせヒゲだったりと問題の多い筆者のヒゲ周りなので、深剃りのことはあまり考えないようにしてきた現実があります。ヒリヒリしたくないけど夕方ジョリジョリしたくないというヒゲ濃いめの人も、深剃りはしたいけれど無理だとあきらめていませんでしたか。

基本の持ち方。親指と人差し指が主役です。
それが今回の『フィリップス i9000 プレステージ ウルトラ』では叶えられそうです。では実際に試していきましょう。
『フィリップス i9000 プレステージ ウルトラ』でドライ剃りしてみた!
肌に厳しいはずのドライ剃りで、どこまでヒリヒリしないのかチャレンジ

クルクル剃りが基本。
肌にやさしい回転式で深剃りができる根拠は、前モデルでも採用されていた「スーパーリフト&カットテクノロジー」が搭載されているから。ただ外刃の厚みが10%薄くなったことにより、より肌下-0.08 mmが実現しやすくなっているはずです。
肌弱民としては、ドライ剃りはけっこう鬼門。ウエット剃りで肌にやさしいシェービングジェル、クリームを使用した方が明らかに無難です。ただ面倒くさい。そこで今回はドライ剃りでヒリヒリしないかどうかを検証していきます。

手に持った感じは、以前よりも中心に重心が来て、コントロールしやすそう。ヘッドの顔つきが穏やかになった印象で、よりやさしく剃れそうです。
ドライ剃りは顔に皮脂があるとヘッドの滑りが悪くなるので、軽く洗顔するか、蒸しタオルで顔の皮脂を拭います(プレシェーブローションでも可)。いよいよ肌の下-0.08mmを可能にした「スーパーリフト&カット」に挑戦です。駆動音もおとなしく、凶暴感は感じません。
「肉を切らずにヒゲを断つ!」肌あたりがシルキーな理由

難しい鼻の下もやさしく剃れる。
まずは頬から、肌に軽く当てて、回転させていきます。肌あたりが金属感ではなくシルキーなのは、ヘッドにマイクロビーズコーティングを施して肌摩擦を半減させているから(「スキンプロテクションテクノロジーPro」)。外刃自体も低アレルギー性のサージカルステンレス刃の外刃なので実に気持ちいいマイルドさです。
ただ押し当てながらクルクルするというのは、往復式を使っていた人には戸惑うポイントでしょう。まずは標準モードで剃りましたが、頬のヒゲはそんなに濃くないのでジョリジョリと言うよりもチュンチュン的確に剃られる感覚。
肌の下-0.08 mmを可能にした「スーパーリフト&カット」を体験

問題の「スーパーリフト&カットテクノロジー」は、外刃から侵入してきたヒゲを、まずはリフト刃がヒゲを引っ掛けて引っ張ることで、埋まっている分のヒゲも引き出し、次に来るカット刃でスパッと切る2段階方式。つまり平常時に肌の上にあるヒゲだけでなく、少し埋まっている部分まで引っ張って、カットしているのです。だから「肌の下-0.08 mm」という本来ありえない深剃りができるのです。

話だけ聞いていると痛そうな気もしますが、瞬時のことなので感じ取る暇も無く、つるすべになっていました。これはすごい。引き上げて、カット。まるでバレーボールでトスを上げてスパイクを決めるような連携プレーがこの中で行われているのです。すごい。
光のガイドと敏感肌モードで「ヒリヒリしない」を実現

肌弱男子のための「センシティブ」。
ただ適切な押し当て圧というのは、他人のヒゲ剃りを見ていてもなかなかわからないものです。あとでヒリヒリしたら強すぎ、あとでヒリヒリしなかったら正解というトライ&エラーで学んでいくしかありませんでした。ところが『i9000 プレステージ ウルトラ』は、適正圧を首元のLEDの色で教えてくれるのです。
■光の色がオレンジ: 力任せに押し当てている「強すぎる」サイン。
■光の色が青: 圧力が「弱すぎる」サイン。
■光の色が緑: まさに「適切」な圧で剃れているサイン。
つまり鏡を見ながら緑をキープし続ければ、ヒリヒリしないのです。さらに今回初搭載された5つのシェービングモードから「センシティブ」を選べばより完璧。駆動音もやさしく、同じところを複数回滑らせてもヒリヒリしない肌弱男子にとっての快適なシェービングが可能でした。パワーは落ちているはずですが、切れ味自体が極端に落ちると言うこともなく、快適に剃れます。

もっとパワーが欲しいなら
自分はもっと肌が強いぜという人なら、最大パワーの「インテンス」を選びましょう。しっかり緑カラーを維持していれば肌にも比較的やさしいですし、時短にもなります。クルクル剃りに馴れている人なら、バランスの良い通常モードがおすすめです。

さらにこだわりたいという人は、専用アプリ「Male Grooming App」(iOS/Android対応・Bluetooth接続)でカスタム。このアプリはシェービング中に起動しておくことで、押し当て圧をリアルタイムでアドバイスしてくれるのが楽しい。

剃り方アドバイスも。
まとめ:フラッグシップモデルならではのわがままの効く極上の剃り心地

『フィリップス i9000 プレステージ ウルトラ』は、単に深剃りできるシェーバーというだけでなく、ユーザーの肌の状態や剃り方に合わせて最適なガイドを提供し、摩擦や刺激を極限まで抑えることで、筆者のような肌弱男子に「ヒリヒリしない深剃り」という最高の答えをもたらしてくれました。

今回使用したのは「XP9404/21」というトリマー、セミハードなプレミアムポーチ、クイッククリーンポッド(自動洗浄器)という構成ですが、シェーバー史上初のシェービングヘッドへのUV照射による除菌が可能なが可能なUV充電ケース(XP9405/49、XP9404/49)というよりパワフルな構成もあり。

電源不要なクイッククリーンポッド。

トリマー・アタッチメント。
それぞれ価格が違うので、自分の求める構成を選ぶと良いでしょう。

ワンタッチオープンで普段も流水洗浄がしやすい。
充電時間はUSB-A 経由で約1時間でフル充電、約60分の使用が可能な(5分間の急速充電モード付)。替刃の寿命は約2年。風呂でも使えるウエット&ドライ防水仕様。高価な機種だけに故障が不安ですが、MyPhilipsに登録すると通常2年間の保証が最大7年間まで延長可能になるのでおすすめです。

洗浄中!

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