電話機の子機は好きな場所に持っていけるが、本体は通常は、電話線の差込口付近に設置する。シャープ「JD-XG1CL」は“好きな場所に本体を設置できる”電話機だ。電源さえあれば本体も、子機もどちらもワイヤレスで使うことができる。
今回のテストアイテムはこちらシャープ JD-XG1CL
実売価格例:1万8240円
●プロフィール
設置場所を選ばない、コンパクトなデジタルコードレス電話機だ。電話線の接続部を、「電話線接続ボックス」として電話機本体から独立させた設計となっていて、本体と子機のどちらもワイヤレスで利用することができる。
SPEC
●液晶表示/本体:3型・カナ1行、子機:1.8型・カナ2行●電話帳機能/カナ100人×1番号●留守番電話/約10分/50件●サイズ・重量/本体:幅158mm×高さ62mm×奥行き167mm・392g、電話線接続ボックス:幅29mm×高さ101mm×奥行き94mm・82g
■電話線は「電話線接続ボックス」につなぐ
■通話前に相手を確認できるボタン
電話線接続ボックスは極めてコンパクト
多くのコードレス子機は、リビングやキッチンなどの好きな場所で使えるものの、電話機本体は、電話線の差込口付近への設置を余儀なくされる。そこは、たいてい使いたい場所ではないので、子機と比べると、本体の利用頻度は減っていくだろう。
それならいっそ、電話機本体もコードレス化してしまおうという発想で誕生したのが、シャープのJD-XG1CLだ。電話線に接続した電話線接続ボックスを経由して、電話機本体と子機の両方をワイヤレスで使用可能。電話線接続ボックスのサイズは幅29ミリ×高さ101ミリ×奥行き94ミリ、重量は82グラムと極めてコンパクトなので、設置場所には困らない。
電話機本体もコードレスとなると、通話品質が気になるが、結論をいえば、目立ったノイズなどもなく、音声は明瞭だ。これはワイヤレス通信に電波干渉の少ない「DECT 1.9Gヘルツ」方式を採用しているためで、当然、無線LANとの併用も問題ないので、Wi-Fiルーターの隣に置いても差し支えない。
発信者名の音声読み上げ機能は欲しかった
機能面については、留守録や電話帳、通話録音など、必須機能はそつなく備えているものの、最上位モデルに比べると、かなり見劣りするというのが率直な印象だ。本機の実売2万円程度の価格は、FAX付きの高機能モデルもねらえる価格帯であり、せめて振り込め詐欺対策に役立つ、発信者名の音声読み上げ機能は欲しかったところだが、本機では、発信者の確認は液晶画面でするしかない。
もっとも、本機の最大の売りは、あくまでレイアウトフリーによる使い勝手のよさにある。「コードレスの電話機本体」に、どれだけの価値を見出せるかによって、本機の評価は大きく分かれそうだ。
おすすめ度…B+
電話機本体もコードレスで設置可能。目立ったノイズもなく、音声も明瞭
ココが〇
電源さえあれば、電話機本体もどこでも使える。電話線接続ボックスのサイズは非常にコンパクトで、ちょっとしたスペースさえあれば設置可能だ。
ココが×
機能面はオーソドックスな割に、価格帯は高め。音声ガイダンスは非搭載で、液晶がカナ表示のみ対応というのも、やや物足りない。
※文中の「オススメ度」は、「A+」から「C-」までの9段階評価になっています。
※価格は記事作成時のものです。
解説/篠原義夫 (ガジェットライター)