利用者がカメラを見る静止画方式だけでなく、自然なふるまいの中で顔認証が行われる動画方式のセキュリティシステムがすでにさまざまな企業や施設で導入されている。それを可能にする顔認証技術の最新版がNECの「NeoFace」だ。
精度世界一の顔認証技術
●NEC
NeoFace(顔認証AIエンジン)
近年はビルや企業のセキュリティが厳しくなり、利用者もIDカードの携帯やパスワード管理など負担が大きい。その負担を一気に解消するのが、NECの顔認証技術「NeoFace」である。
同社は古くから顔認証の研究をしており、米国政府機関主催のテストで4回連続1位を獲得した実績を誇っている。特に、利用者がカメラを見る静止画方式だけでなく、自然なふるまいの中で認証が行われる動画方式に強い。
動画方式は、映像の中から「どれが顔なのか」を認識して顔部分を切り出し、その顔をデータベースで照会して「誰なのか」を見分ける。
画像を切り出すので低解像度になるし、顔の向きや照明の当たり具合、表情の違い、対象者の加齢による変化など、決して一定ではない条件を考慮したうえで、データベースに登録されている人物と同一かを判断する必要がある。
ここに、映像解析やAI、ディープラーニングといった技術を組み合わせた独自のノウハウが詰まっているわけだ。
「顔パス」で確実に出入りでき、セキュリティも確保できる!
この顔認証技術を利用した、オフィス用セキュリティ管理システムが「顔認証ソリューション for オフィス」だ。
これを導入すると、オフィスの入退管理からパソコンのログインまで顔認証で行える。IDカードをいつも首からぶら下げる必要もなく、パスワードの入力も不要。
しかも、なりすましが困難な「顔」を使った生体認証なので、セキュリティ的にも安全性が高い。
すでにさまざまな企業や施設で導入実績があり、2020年には同社の技術が活用された成田空港の新しい搭乗手続きも始まるという。どこでも「顔パス」が当たり前になる社会が近づきつつある。
●解説/福多利夫
ホビーや家電、デジタルグッズが大好きで、その仕組みが気になっちゃうフリーライター。家電製品協会認定の家電総合アドバイザーでもある。
イラスト:中山昭(絵仕事 界屋)