一人暮らし用炊飯器のおすすめはタイガーの「tacook(タクック)」。炊飯中の蒸気を使って、ご飯とおかずが同時に調理できてしまう1台二役の時短家電です。狭いキッチンにも軽々置けるサイズな上、レシピも豊富。価格もお手頃で、初めて買う炊飯器にピッタリですよ!
ご飯とおかずを同時に調理する炊飯器
昔の日本人は「一汁一菜」。粗食ですが、これで頑張ってきました。米、味噌、そして香の物(漬物)などの発酵食品がいかにスゴいかが分かります。確かに、日本人のソウルフードで、飽きない味ですが、食材の豊かな今は「一汁三菜」だそうです。三菜は主菜一品と副菜二品の意味だそうです。副菜の一つは漬物。もう一つは保存食と考えると、温かいご飯と一品作れば、OKと言えます。(今は保存食の代わりにサラダかも知れませんが。)
この2品(白飯と主菜)を一度で作れないかと考えたのが、タイガーの炊飯器「タクック」です。炊飯器の上の空いている空間で、主菜を同時に作ってしまえという、乱暴と言えばかなり乱暴なアイディアですが、タイガーはこれを上市しました。今回は、一人暮らし初心者にお勧めの炊飯器「タクック」の話です。
タイガー
tacook(タクック)
JAJ-G550
タクックでできること
タクックの発想は、炊飯器の中が、高温高圧になることから得ています。つまり、ご飯を炊いている上で、「蒸す料理」ができるという考えです。
問題としてあげられるのは、蒸し料理の数が少ないことでしょう。理由は簡単です。蒸すのは手間がかかるので、料理屋でも余りやりたがりません。料理を出すのに長い時間がかかると客足が伸びないからです。
このため、ファーストフードは、煮る、揚げる、焼くが中心。豚まんのような例外もありますが、コンビニの対応の仕方でも分かる通り、特別仕様です。
が、ものは考えよう。蒸し料理はどちらかと言うと、脂分が少ない料理ですから、健康にイイ感じです。その蒸し料理を毎日できるようにしたのがタクックという捉え方をすればいいのです。
が、蒸し料理にも弱点があります。レシピ数が少ないのです。
タイガーはこれを克服するために、タクックで出来る蒸し料理のレシピを追加していきます。そして発売して、5年以上経った今、「タクック レシピ」で検索すると、489,000件ヒット。スゴい数になっています。これはタイガーのメーカー努力だけでなく、ネットでユーザーがすぐ参加できる世の中になったからですが、それにしてもものすごい数。まさに大衆知です。
ご飯に「ニオイ」は移らない!
また、潔癖症な人は、ご飯の上で料理をすると、その料理のニオイが白飯に移ってしまうと考える方もいます。
が、ご安心を。移りません。蒸すというのは、「スチーム」です。もうお分かりですよね。「衣類スチーマー」がそうであるように、スチームの特長は「ニオイ」取り。ニオイは水分が吸収します。このため、料理側で出た水さえ下に落ちなければ問題ありません。そこは、タイガーも心得たモノで、きちんと作ってあります。
タクック蒸し料理レシピってどんなものがある?
例えばクックパッドには、「包丁いらず!キャベツ焼売」というレシピがあります。
作り方は極々簡単です。
豚挽き肉200g、2倍濃縮めんつゆ大さじ1、しょうが(チューブ)3cm、塩とこしょうを少々、片栗粉小さじ1をコネコネします。そしてクッキングプレートに入れます。その上に、コンビニで売っているせん切りキャベツを適量乗せます。これで終わりです。あとは勝手に蒸されます。
切った断面を確認するといい色。味は、少々薄味。と言っても、煮込んだときのように細胞が壊れてではないですから、ある意味素材の味。食べる時に、しょう油、ソースをちょっと足してやることで十分解決の範囲です。材料さえあれば、準備に5分とかかりません。「焼売と言うにはちょっと(違うんじゃない…?)」と言われる人もいらっしゃるかも知れませんが、ズボラ飯としては十分いけます。私的にはアリです。
炊飯部分を電気鍋として使用できる
では、炊飯する下の部分を、炊飯器ではなく単なる電気鍋として使うとどうでしょうか。煮込みをしながら、もう一品作れるわけです。牛スジを煮込みながら、上で温野菜など、バランスのよい主菜、副菜が考えられそうです。
私が一番期待しているのは、パスタです。パスタは湯でて、ソース他を絡めて食べます。タイガーの担当者によると、「十分できます」との話で、ここら辺は時間がある時に、じっくりトライしてみたいと思います。
狭いキッチンで邪魔にならないサイズ
一人暮らしでも外せないキッチン家電は、冷蔵庫、電子レンジ、炊飯器だそうです。私は電子レンジを使わない人(オーブンは使います!)なのですが、今後は、今以上に内食が伸びるでしょうから、うなずけるデータです。しかし、あると一番便利さを痛感するのは、「電気鍋」です。なんたって真の「ほったらかし」料理の主役です。材料を入れると、火加減をチェックする必要がないので、本当にほったらかしが可能です。
が、そんなキッチン家電にも問題があります。何かと増えてしまうことです。このため、「オーブン+電子レンジ」のオーブンレンジ、「トースター+オーブン」のオーブントースターなど、機能的に合体できる物は合体させてしまうのが、よく使われる手です。
タクックも同じことが言えますが、それ以上にスゴいのがそのサイズ。大きさです。設置面積が、21.9×27.3cmとずば抜けて小さいのです。これは、炊飯器自体としては欲張った設計にしていないからだとも言えます。IHでなく、ヒーターをマイコン制御するタイプです。
例えば、アニメ「化物語」で、ヒロインの一人 羽川翼の台所には、タクックが3台並べられた状況(家族一人一人が独立しているため、別々にご飯を作り食べるという特殊な設定)が描かれていますが、炊飯器が3台あるとは、気付かない位小さいです。手狭な日本のキッチン事情を考えると実に嬉しいサイズです。
そして、炊飯器としても、電気鍋としても使える。しかも、炊飯器で使っていても、蒸し料理ならできる。鍋として使うなら、2品同時。とっても楽です。
まとめ
一人暮らしを始めるときの炊飯器としておすすめ!
タクックは今度一人暮らしを始める人に是非とお勧めしたいモデルです。それは料理と言うモノが、どんな物かを感じさせてくれるからです。例えば、炊飯も水加減でずいぶん変わること。ばっちり水加減が合ったときの格別な美味しさはいうまでもなく、合わないときでも、それなりに美味しく食べられることを経験して欲しいです。何故お米が主食として食べられているのかが実感できます。そして面倒臭い時のズボラ飯もできます。しかも売価が安い。入門機としての要素が一杯詰まっています。
そして、ステップアップして、炊飯器を買い替えた後も、電気鍋として使えます。小さいから置き場所にも困りません。本格的な電気鍋のように、レシピプログラム搭載ではありませんが、その分、自由度があります。また、簡易な作りですから壊れにくい。
ちなみに、JAJ-G550は、ご飯を冷凍保存することを考えた「冷凍ご飯モード」も付いています。シンプルではありますが、今ドキの使い方を心得ています。
ここまで来ると、自分に必要なキッチン家電が見えて来ます。その意味で私は、一人暮らしを始めるときの炊飯器としてお勧めします。
◆多賀一晃(生活家電.com主宰)
企画とユーザーをつなぐ商品企画コンサルティング ポップ-アップ・プランニング・オフィス代表。また米・食味鑑定士の資格を所有。オーディオ・ビデオ関連の開発経験があり、理論的だけでなく、官能評価も得意。趣味は、東京歴史散歩とラーメンの食べ歩き。