【Windows10】20万円未満のA4ノート(14~15型)8機を実力検証!ベストはNEC、次点はデル推し

Windows

「A4ノート」は売上ランキングでも常に上位を占めている「ノートパソコンの王様」的存在だが、今回は、特に注目の8モデルをセレクトし、「基本性能」「拡張性」「携帯性」「コスパ」「ディスプレイ」「キーボード」「剛性&高級感」「電源まわり」の実力を辛口検証してみた。

A4ノートの中でも特に層の厚いラインアップ

[別記事:Windows7のサポート終了間近!10パソコン選びに役立つ目利きポイント9はコチラ→]

「A4ノート」は、14~15型前後の大画面や豊富な端子類など、優れた使い勝手を備えつつ、最低限の携帯性も考慮している、いわば「ノートパソコンの王様」的存在だ。

こうしたバランスのよさもあって売上ランキングでも常に上位を占めているが、一口に「A4ノート」といっても性能はさまざま。

スペックにこだわったハイエンド機もあるし、標準的な性能を備えたスタンダードモデル、低価格なローエンドモデルなどもある。

こうした中で最もコスパに優れているゾーンといえば、ズバリ実売20万円未満で入手できる「ミドルレンジ」モデルだ。

「20万円以上は高すぎるが、10万円以下は性能的に不安」という消費者心理に見合う価格帯だけあって、A4ノートの中でも特に層の厚いラインアップを誇る。

もっとも、数が多いぶん機種選びが難しいのがネック。そこで今回は、特に注目の8モデルをセレクトし、スペックや使い勝手、機能面など、さまざまな角度から実力を検証してみた。

◆ 採点について ◆

「基本性能」「拡張性」「携帯性」「コスパ」
・評価の高い順にAAA→ AA→ A→ BBB→ BB→ B→ CCC→ CC→ Cの9段階。
「ディスプレイ」「キーボード」「剛性&高級感」「電源まわり」
・五つ星が満点。

Windows10パソコンタイプ別辛口検証!ASUS「ZenBook 14 UM431DA」

Ryzen7採用の高性能マシン。A4機としてはモバイル性能も高い

ASUS
ZenBook 14 UM431DA
実売価格例:10万9770円

基本性能 拡張性 コスパ
AA A AAA
ディスプレイ ★★★★
万人向けの発色でクセもない。明るさや視野角も良好。
キーボード ★★★
キーの刻印がゴールド系のせいか、非常に見づらい。
剛性&高級感 ★★★★
アルミ筐体はみごとだが、カラーは好みが分かれそう。
電源まわり ★★★★
持ち運びに便利な角型の軽量ACアダプターを採用。
ディスプレイ 14型 1920ドット×1080ドット
CPU・メモリー AMD Ryzen7 3700U・8GB
ストレージ SSD512GB
光学ドライブ
カードリーダ- SD
タッチパネル
生体認証 指紋
バッテリー持続時間 10.4時間
Microsoft Office
サイズ・重量 幅323.5mm×高さ15.9mm×奥行き211.85mm・1.39kg

AMDの「Ryzen7 3700U」プロセッサーを採用した14.0型モデル。第8世代の「Core i7-8565U」に匹敵する処理性能を有することもあって、むしろ基本スペックはハイエンド寄りといっていい。

ディスプレイは非光沢で、発色や視野角は良好。明るさも十分なので、文書作成から映像鑑賞までソツなくこなせそうだ。

実測のベゼル幅は上部10ミリ、左右7ミリとまずまずの狭額縁ぶり。リフトアップヒンジを採用しているため、下部ベゼルも目立たない。

バッテリーのもちは10時間、重量1.39キロと、A4ノートながらモバイル性能はなかなかの健闘ぶり。

ACアダプターも実測148グラムの軽量タイプを採用しているため、本体と一緒に持ち運んでも苦にならないはずだ。

Windows10パソコンタイプ別辛口検証!NEC「LAVIE Note Standard NS700/NA」

充実の基本性能と多機能をしっかり実現。A4ノートの王道を行く一台

NEC
LAVIE Note Standard NS700/NA
実売価格例:14万2780円

基本性能 拡張性 コスパ
AA AA A
ディスプレイ ★★★★
視野角がわずかに狭いが、実用上は特に問題はない。
キーボード ★★★★
NECらしい高品質な仕上がり。打鍵音も静かだ。
剛性&高級感 ★★★
おそらく樹脂製のため、金属筐体よりは質感は落ちる。
電源まわり ★★★★
ACアタプターが170グラムと軽量な点は評価できる。
ディスプレイ 15.6型 1920ドット×1080ドット
CPU・メモリー Core i7-8565U ・8GB
ストレージ HDD1TB+Optaneメモリー16GB
光学ドライブ BDXL
カードリーダ-
タッチパネル
生体認証
バッテリー持続時間 9時間
Microsoft Office Home & Business 2019
サイズ・重量 幅363mm×高さ22.9mm×奥行き255mm・2.2kg

第8世代のCore i7プロセッサーのほか、BDドライブを搭載するなど、性能&機能ともに充実。

ストレージには、16Gバイトの「Optaneメモリー」と1TバイトのHDDのハイブリッド構成を採用することで、高速アクセスと大容量を両立している。

事実、OS起動はSSD並みの俊足さを誇るほか、アプリの起動や操作のレスポンスも極めて良好だ。HDD搭載マシンはレスポンスが悪いと敬遠するユーザーもいると思うが、本機についてはそうした心配は不要だろう。

最大のネックは、重量2.2キロ、厚さ22.9ミリというA4ノートにしてもややかさばる筐体サイズだ。当然、頻繁な持ち運びは厳しいが、これはBDドライブ内蔵ゆえ、致し方ないと割り切ったほうがいいだろう。

Windows10パソコンタイプ別辛口検証!LG「LG gram 15Z990-GA56J」

A4ノートの常識を覆すモバイル性能。画面の美しさもトップクラス

LG
LG gram 15Z990-GA56J
実売価格例:16万3000円

基本性能 拡張性 コスパ
A A BBB
ディスプレイ ★★★★★
色鮮やかなIPSパネルを採用。視野角も広い。
キーボード ★★★
画面揺れがやや起きやすいが、打鍵感自体は良好だ。
剛性&高級感 ★★★★
マグネシウム合金筐体で、MIL規格準拠の剛性を確保。
電源まわり ★★★
ACアダプターの重さは実測244グラムと意外に重め。
ディスプレイ 15.6型 1920ドット×1080ドット
CPU・メモリー Core i5-8265U・8GB
ストレージ SSD256GB
光学ドライブ
カードリーダ- micro SD
タッチパネル
生体認証 指紋
バッテリー持続時間 24時間
Microsoft Office
サイズ・重量 幅357.6mm×高さ16.8mm×奥行き228.4mm・1.099kg

抜群の軽量スリムとバッテリー性能で高い支持を集めるLGのgramシリーズ。

そのうち本機は15.6型モデルの中位に位置するマシンだが、第8世代のCore i5プロセッサーや8Gバイトのメモリーを備えるなど、基本性能は十分。

ストレージも256GバイトのSSDを搭載し、一般的な用途なら十分事足りる。

一方、機能面は指紋認証は備えるものの、光学ドライブや有線LAN端子は非搭載といった具合にA4ノートとしてはやや物足りなさは残る。

もっとも、これは1.099キロの超軽量筐体と、最大24時間のバッテリー駆動というモバイル性能を実現するためには、当然のトレードオフといえる。

モバイルに特化したA4ノートに価値を見いだせれば、本機は間違いなくベストと断言できる。

Windows10パソコンタイプ別辛口検証!ダイナブック「dynabook T5[P2T5LP]」

ダイナブックらしい堅実な作りのスタンダード機。HDD採用が残念

ダイナブック
dynabook T5[P2T5LP]
実売価格例:17万7980円

基本性能 拡張性 コスパ
BB AA BB
ディスプレイ ★★★
動画鑑賞向きの光沢パネルを採用。ベゼルはやや太め。
キーボード ★★★★
キートップにわずかな凹みがあり、打鍵感も良好だ。
剛性&高級感 ★★★
おそらく樹脂製筐体ゆえ、質感や剛性はほどほど。
電源まわり ★★★★★
急速充電やPD充電に対応している点はりっぱだ。
ディスプレイ 15.6型 1920ドット×1080ドット
CPU・メモリー Core i5-8265U・8GB
ストレージ HDD1TB
光学ドライブ DVD
カードリーダ- SD
タッチパネル
生体認証
バッテリー持続時間 9時間
Microsoft Office Home & Business 2019
サイズ・重量 幅379.0mm×高さ23.7mm×奥行き256.5mm・2.4kg

CPUには第8世代のCore i5プロセッサー、メモリーは8Gバイトを備えるなど、堅実なA4ノート。

DVDドライブをはじめ、オンキヨーと共同開発した高品質ステレオスピーカーや、有線LAN端子、SDカードスロットを用意するなど、機能面も充実。

さらに、高速充電やPD充電にも対応していることもあって、電源まわりの使い勝手も良好だ。

ディスプレイへのこだわりも強く、発色&視野角ともに優れたIPSパネルを採用。輝度はもう少し欲しい気もするが、実用上で支障になることはないだろう。

唯一、気になるのはストレージ。HDDのアクセス速度がボトルネックになって、レスポンスがスポイルされてしまっている。基本スペック自体は決して悪くないのに、少々もったいなく感じる。

Windows10パソコンタイプ別辛口検証!ダイナブック「dynabook Z7[P1Z7LP]」

「大画面モバイル」をうたう本格派のA4ノート。基本性能のバランスよし

ダイナブック
dynabook Z7[P1Z7LP]
実売価格例:16万9700円

基本性能 拡張性 コスパ
A AA BB
ディスプレイ ★★★★★
文句なく色鮮やか。非光沢なので映り込みも少ない。
キーボード ★★★★
テンキー非搭載の割には、キー配列がタイトに感じる。
剛性&高級感 ★★★★★
剛性の高いマグネシウム合金筐体で、安心感がある。
電源まわり ★★★★
急速充電のほか、PD充電にも対応しているので便利。
ディスプレイ 15.6型 1920ドット×1080ドット
CPU・メモリー Core i5-8265U・8GB
ストレージ SSD256GB
光学ドライブ
カードリーダ- SD
タッチパネル
生体認証 指紋
バッテリー持続時間 19時間
Microsoft Office Home & Business 2019
サイズ・重量 幅359mm×高さ17.6mm×奥行き250mm・1.399kg

15.6型の大型ディスプレイを搭載したA4ノートながら、最大19時間にも及ぶスタミナ性能を実現。

第8世代のCore i5プロセッサーを筆頭に、8Gバイトのメモリーや256GバイトのSSDを搭載するなど、基本性能のバランスもいい。

オフィス文書の作成はもとより、よほど高解像度でもなければ動画や写真の編集作業もスムーズにこなせるだろう。

ディスプレイはIGZO液晶を採用し、発色&明るさともに評価機中トップクラス。視野角も広く、画面を少しばかり斜めからのぞき込んでも、まったく支障はない。

重量は1.399キロと軽量とはいい難いが、A4ノートとしては健闘しているほうだろう。むしろ、実測240グラムのACアダプターは、もう少し軽量化を頑張ってほしかったところである。

Windows10パソコンタイプ別辛口検証!デル「New Vostro 15 5000(5590)」

第10世代のCore i7をいち早く搭載。抜群の高性能とコスパが魅力

デル
New Vostro 15 5000(5590)
実売価格例:11万4380円(※クーポン利用)

基本性能 拡張性 コスパ
AAA AA AAA
ディスプレイ ★★★★★
実測上部8ミリ、左右5ミリの狭額縁。画質も良好だ。
キーボード ★★★★
打鍵感は上々だが、リターンキー周りが少々窮屈だ。
剛性&高級感 ★★★★
過剰な装飾のないアルミ筐体。剛性も期待できそう。
電源まわり ★★★★
急速充電とPD充電に対応。ACアダプターはやや重い。
ディスプレイ 15.6型 1920ドット×1080ドット
CPU・メモリー Core i7-10510U ・8GB
ストレージ SSD256GB
光学ドライブ
カードリーダ- micro SD
タッチパネル
生体認証 オプション
バッテリー持続時間 非公開
Microsoft Office オプション
サイズ・重量 幅356.6mm×高さ17.2mm×奥行き237.1mm・1.66KG

本機は法人向けのビジネスノートという位置づけのため、オーディオなどのエンタメ機能は当然控えめ。そのぶん、基本性能とコスパの高さを最重要視している。

性能面はカスタマイズしだいで差が生じるものの、今回は最上位クラスの「プラチナモデル」をセ
レクト。

第10世代のCore i7プロセッサーを搭載するほか、グラフィック機能には描画性能の高い「GeForceMX250」を備えるなど、スペック面はミドルレンジを軽々と凌駕する。

これで実売価格は11万円ほどだから、コスパの高さには脱帽だ。

気になる点は光学ドライブの非搭載と、カードスロットがmicro SDカード専用という点くらいだが、いずれも致命的な欠点でもない。

実用本位にこだわるなら、まさにうってつけのモデルだ。

Windows10パソコンタイプ別辛口検証!富士通「FMV LIFEBOOK AH53/D3」

納得の高性能と多機能を凝縮。A4の王道を行くオールインワン

富士通
FMV LIFEBOOK AH53/D3
実売価格例:19万5310円

基本性能 拡張性 コスパ
AAA BB C
ディスプレイ ★★★★★
色鮮やかで明るさも十分。広視野角で画面も見やすい。
キーボード ★★★★★
打鍵感は上々。ガラス調のキー側面も見栄えがいい。
剛性&高級感 ★★★★
好みはあるが、ラグジュアリー感のあるたたずまいだ。
電源まわり ★★★
ACアダプターは実測313グラム。持ち運びは厳しい。
ディスプレイ 15.6型 1920ドット×1080ドット
CPU・メモリー Core i7-8565U・8GB
ストレージ SSD512GB
光学ドライブ BDXL
カードリーダ- SD
タッチパネル
生体認証
バッテリー持続時間 6.5時間
Microsoft Office Home & Business 2019
サイズ・重量 幅361mm×高さ27mm×奥行き244mm・2.0kg

富士通のプレミアムノート「AH」シリーズで中位に位置するのが、この「AH53/D3」。

しかし、基本性能は月並みどころか、第8世代のCore i7や、8Gバイトのメモリーを搭載するなど、ハイスペック級の仕上がりだ。

ディスプレイは、同社お得意の狭額縁が施され、実測上部12ミリ、左右8ミリとやぼったさは一切感じさせない。

機能面もBDドライブをはじめ、オンキヨーと共同開発したステレオスピーカーを備えるなど、充実そのものだ。

拡張性も申し分なく、有線LAN端子や、Type-Cを含む全4基のUSB端子などをしっかりそろえる。

底面には高級感のあるレザー調テクスチャーを採用するなど、デザイン性も高い。天板やパームレストなどは光沢が過ぎる感もあるが、これは好みによるだろう。

Windows10パソコンタイプ別辛口検証!マイクロソフト「Surface Laptop 3」

拡張性は乏しいが、基本性能と美観は文句なし。使い手を選ぶプレミアム機

マイクロソフト
Surface Laptop 3
実売価格例:18万3480円(15型/Ryzen 5/8GB/256GB SSD)

基本性能 拡張性 コスパ
AA B AA
ディスプレイ ★★★★★
2K超えの解像度が圧巻。タッチ液晶で使い勝手もいい。
キーボード ★★★★
ストロークはやや浅めだが、打鍵感はしっかりある。
剛性&高級感 ★★★★★
高級感のあるアルミ筐体を採用。剛性も高そうだ。
電源まわり ★★★★
高速&PD充電対応。ACアダプターは実測295グラムだ。
ディスプレイ 15型 2496ドット×1664ドット
CPU・メモリー AMD Ryzen5 3580U・8GB
ストレージ SSD256GB
光学ドライブ
カードリーダ-
タッチパネル
生体認証
バッテリー持続時間 11.5時間
Microsoft Office Home & Business 2019
サイズ・重量 幅339.5mm×高さ14.69mm×奥行き244mm・1.542kg

スペックの異なる全4機種のラインアップ中、最もコスパが高いのが、CPUに「Ryzen5 3580UU」を採用した中位モデル。

処理性能は、ざっくりいえばインテルの「Core i5」相当だが、Surface専用に作られたRyzen5 3580Uは、前機種の最大2倍までグラフィック機能が強化されている。

最大の売りでもある2496ドット×1664ドットの高解像度ディスプレイとの相乗効果により、極上の映像品質を堪能できる。

筐体は、アルミ素材を駆使しているだけあって、文句なく美しいたたずまい。ただし、USB端子はわずか2基、SDカードスロットも非搭載などと拡張性は乏しい。

卓越した性能とデザインに価値を見いだせるかによって、評価は大きく分かれるだろう。

【まとめ】A4らしいオールインワンを貫いたNECがベスト。次点にはデルを推す

20万円未満のA4ノート」という人気ゾーンだけあって、想像どおり実力伯仲。あえて首位を挙げるなら、ユーザーが思い描く「A4ノート像」を愚直に貫いたNEC機を推したい。

他機がハイスペックや携帯性など、一芸に舵を切る中で、NEC機はBDドライブや豊富な端子類、使いやすいキーボードなど、A4ノートの原点である「オールマイティさ」をしっかり押さえたモノ作りを行っている。

突出した点はないものの、NECらしい絶妙なさじ加減で「性能・機能・使い勝手」をバランスよくまとめた点を高く評価したい。

次点は、第10世代のCore i7を搭載したデル機で、基本性能&機能性ともに文句なし。コスパも抜群なので、予算が厳しいユーザーにもうってつけだ。

NEC
LAVIE Note Standard NS700/NA

Optaneメモリー&1TバイトのHDDのハイブリッドストレージ採用で、大容量をストレスなく使える。

デル
New Vostro 15 5000(5590)

タッチパッドは、実測105ミリ×80ミリとなかなかの広さ。PD充電に対応するなど、機能面も充実している。

◆解説/篠原義夫(ガジェットライター)

[別記事:Windows7のサポート終了間近!10パソコン選びに役立つ目利きポイント9はコチラ→]

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特選街web編集部

1979年に創刊された老舗商品情報誌「特選街」(マキノ出版)を起源とし、のちにウェブマガジン「特選街web」として生活に役立つ商品情報を発信。2023年6月よりブティック社が運営を引き継ぎ、同年7月に新編集部でリスタート。

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