電気ケトルの雄「ティファール」は、0.8L、1.0L、1.2Lと細かく容量を分けています。例えば、温度コントロールが可能で人気のある「ジャスティン プラス コントロール」は1.2L。「アプレシア エージー プラス コントロール」は0.8L。形もかなり違います。これ、「どちらを買った方がお得」などということがあるのでしょうか?
消費電力を比べてみると
とにかく、皆さんが一番気にするのは、電気代でしょう。カタログを見ると定格消費電力は、どちらも1250Wと変わりません。定格消費電力とは、すべての機能を最大限に使用した場合に消費する電力量のことです。
例えば、ジャスティン プラス コントロールの場合、お湯を沸かします。そして、以降その温度で保温が可能です。そして温度が100℃の時が一番高いわけですから、100℃設定が一番電力を消費します。これが定格消費電力です。これが「一緒」と言うことは、同じだけの熱量を、本体と水に加え続けているということです。
となると、0.8Lも1.2Lも、同じ水量だと同じ時間で沸騰するということです。0.5Lの水で数回試して見ました。数回繰り返しましたが、水温:20℃前後からですと、3分2〜3秒で沸かすことができました。
あと、サイズが違います。1.2Lは完全にひとまわり大きいです。テーブルの上で並べて見るとかなり違います。
あと、もう一つあります。私は、普段一度に使う水の量は、約0.5Lです。1.2Lだと頼りない分量。今回は計量カップで計って行いましたが、まぁケトルに水を入れるとき、そんなことをする人はいません。使うなら、水位確認窓に付いている目盛りです。しかし、1.2Lだと、かなり低い。ケチ臭いことを言うようですが、水道水は安くないです。しかも入れすぎても、そのまま沸かしてしまうのでしょうから、電気代もアップとなります。
やはり、1.2Lはそれを必要としている人が使うべきと言えるでしょう。
0.8Lで何杯飲めるか?
コーヒーや紅茶はカップで、日本茶は湯のみで飲みます。だいたいどの位入るのでしょうか?
カップはレギュラーで140ml、マグカップで250ml位です。湯のみは120ml位ですね。コーヒーはその1.5倍量で抽出、カップは同量のお湯で温めるということをしたとして、350ml。0.8Lだと2人分はラクラク入る換算です。そういった意味では、二人までは0.8L、と言えそうです。
忘れてました。お湯を使う有名な食べ物「カップヌードル」は、どの位お湯を使うのでしょうか。いわゆるカップヌードルタイプは、300ml。ドンブリタイプ、もしくはカップヌードル・ビッグサイズ・タイプで400ml程度。こちらも2人分まではいけます。
1.2Lは、400mlの余裕。1〜2人プラスというわけです。
まとめ
基本は、家族構成で選ぶ。そして、必要な水量しか沸かさない。そして残ったお湯はさっさと捨て乾かす。これが電気ケトルの大まかな選び方、使い方となります。当たり前というと、その通りですが。とにかく自分が使う水量を把握して対応するのが一番ということです。そこを見誤ると、少しずつ損をする可能性があるわけです。
◆多賀一晃(生活家電.com主宰)
企画とユーザーをつなぐ商品企画コンサルティング、ポップ-アップ・プランニング・オフィス代表。また米・食味鑑定士の資格を所有。オーディオ・ビデオ関連の開発経験があり、理論的だけでなく、官能評価も得意。趣味は、東京歴史散策とラーメンの食べ歩き。