最近、ヤカンに変わって電気ケトルを使う人が増えています。電気ヒーターで湯沸かしするための単純家電です。今回、世界定番とも言うべき、ティファールの「アプレシア・プラス 0.8L」がモデルチェンジしました。どこが変わったのでしょうか?
今回は、見た目が少しと、表示が少し変わった
定番モデルというのは、結構作るのが、大変なモデルです。
定番を構成するのは、必要最低の機能が搭載されていること。誰でも使えること。飽きずに使えること、です。
そして、作るときにポイントになるのは、普遍性の高い飽きないデザイン。そして誰でも買える価格が大きなポイントになります。
ティファールの電気ケトル、「アプレシア・プラス 0.8L」はそんな定番品です。
今回は変わったのはデザインと表記です。
デザインは今までの、ちょっと丸っこい、ちょっとユーモラスなデザインから、それを引き継ぎながらもスマートな雰囲気が漂うものになっています。やはりシンプルです。
取手一体型なので、取手デザインも変えられています。
ほんの少しですが、持ちやすい感じがします。
表記の方は、窓部ですね。140ml毎にカップが描かれており、2〜5杯だと、どこまで入れればイイか、分かる様になっています。ちょっと便利になりました。
安価コストのため、安全性はどこまで削れるのか?
家電には必ず安全性が求められます。しかし、電気ケトルの場合、ベースはヤカン。ヤカンに熱湯が入っている場合、ヤカンの本体を持つと火傷します。危ないと言えば危ない。しかし、火にかけられて、水洗いする必要がありますので、薄い金属でできています。ヤカンが今の形になってからずいぶん経ちますが、そこは見直されていません。
ところが、電気ケトルの場合、訳知り顔の人が、子供が触ると火傷するかも知れない、安全が足りていない、と言います。まぁ、その様なごもっとも的な意見を取り入れて、ドンドン機能を追加していった日本メーカーは、いつしかシンプルな家電を作るのが下手になりました。逆に、転けても、お湯がこぼれないなど、すごい機能が付いています。
私は、この先代モデルを3年使いました。が、ひっくり返すような場面は、ありませんでした。というより、熱湯自体が、ある意味危ないものですから、そんな目に遭わないように配置、設定します。
欧米は、子供と大人はキチンと分かれます。子供がしてはいけないことを教えるのは親の責任です。お湯が危ないと言うのは当たり前のことで、欧米では、ヤカン並みの熱さの電気ケトルも多いです。
私は、日本で育ちましたが、身の周りの定番品、特に電気ケトルは、ヤカン並みの安全性でイイように思います。安全にこだわり過ぎると、ラク、便利にするための家電が、過剰な仕様になり、使いにくくてしようがなくなります。
ちなみに、電気ケトルには、ヤカンにない機能が一つ。
お湯沸くと、自動的にスィッチが切れることです。この機能は、沸騰してしばらくして作動します。コーヒー1杯、140mlで8秒。カップラーメン1杯、500mlで10秒。満タン、800mlで15秒。チョット間が空くのが、人間ぽいかも知れません。
電気ケトルは
シンプルライフを目指して、シンプル家電にこだわる人は多いと思います。また、電気ケトルなど何でもイイじゃないかと思って人も多いと思います。その両方の人にお勧めできる電気ケトルと言えます。
買っても吹聴するようなモデルではありませんが、いつの間にか馴染んでしまう家電です。
また、シンプルであるが故に、自分の考えが色濃く反映するようにも思います。ティファールの電気ケトル「アプリシア プラス 0.8L」は、そんな哲学的な側面が見える家電とも言えます。
◆多賀一晃(生活家電.com主宰)
企画とユーザーをつなぐ商品企画コンサルティング ポップ-アップ・プランニング・オフィス代表。また米・食味鑑定士の資格を所有。オーディオ・ビデオ関連の開発経験があり、理論的だけでなく、官能評価も得意。趣味は、東京歴史散歩とラーメンの食べ歩き。