2016年から「軽さ」で業界を牽引してきたシャープのコードレススティック掃除機ラクティブエアシリーズ。名前の「エア」には「空気のように軽くて、空気のように身近にある」という意味が込められているそう。8月6日に発売される新製品は「軽くて強い」がテーマに。発表会で、その実力に迫ってきました。
シャープのコードレススティック掃除機「ラクティブエア」が新発売
約1.2kgの軽量タイプ(EC-AR5、EC-AR5X)と、パワータイプ(EC-SR5)、お手頃タイプ(EC-FR5)
今回、シャープのコードレススティック掃除機「ラクティブエアシリーズ」から発売されるのは、3タイプ。約1.2kgの軽量タイプ(EC-AR5、EC-AR5X)と、パワータイプ(EC-SR5)、お手頃タイプ(EC-FR5)の計4モデル。
軽量タイプは2モデルですが、着脱バッテリーの数が1個か2個かの違いで、性能は同じです。店頭予想価格は順に、5万8,000円前後、6万5,000円前後、7万5,000円前後、5万0,000円前後となります。
コロナ渦で掃除機の売り上げが倍増
シャープが、約7000人を対象に行ったオンラインアンケートによると、在宅時間の増加で、家事ヘのストレスがたまった人は約4割。具体的には「在宅時間が増えてゴミが気になるようになった」、「夫から部屋の汚れを指摘されて喧嘩になった」などの意見があったとか。実際に、ここ数ヶ月で掃除機の販売台数は増え、業界全体で1.5〜2倍になったそうです。
さらにアンケートでは、「コードレススティック掃除機を購入する際のポイント」として「吸引力の強さ」「本体の軽さ」「運転時間と充電時間」の3つが上位になりました。この順位は、30年前から変わってないそうですが、内容のレベルがどんどん上がり、より高い性能を求められるようになっているとのこと。この3要素を突き詰めて、さらに強く、より使いやすくしたのが今回の新製品といいます。ここでは、軽量タイプとパワータイプを中心に紹介しましょう。
シャープコードレススティック掃除機「ラクティブエアシリーズ」軽量タイプの特徴は?
ストイックな「減量」で業界最軽量に
従来品は1.3kgでしたが、新製品ではさらに100g減らして1.2kgとなり、業界最軽量を実現しました。実現のポイントは、以下の通り。
・以前から採用していたドライカーボンの製法を見直し、改良してさらに薄く強度を保ちながら、約45%軽量化
・全体の点数や素材を見直し5%の削減
・モーターの軽量化により約32%軽量化
EC-AR5、EC-AR5Xの特徴
45%や32%など数字は大きいですが、すべて合わせて100gというあたり、相当キワキワな印象で、ボクサーの減量のようなイメージです。広報の人にそのあたりを尋ねてみると「現場の人間も『来年できるかな』『もう限界や』とつぶやいている」とのこと。
「でも、そこからさらに力を発揮するのがシャープの技術です」(広報担当)
新開発のモーターで、最長運転時間が1.6倍になり、軽量化しながらきちんと性能アップしているところも注目です。
シャープコードレススティック掃除機「ラクティブエアシリーズ」パワータイプの特徴は?
吸引力とヘッドの性能が大幅アップ
パワータイプは、モーターとバッテリーの強化で、パワーが40%アップ。ラクティブエア史上最強の吸引力に。部品点数や素材の見直しにより、重さも300g減らして、1.6kgとなりました。
また、ヘッドも新構造を採用して、掃除性能の強化を図っています。それぞれについて、実証を交えての説明がありました。
ボーリングの玉で吸引力を実証
吸引力に関しては、ボーリングの玉を使った検証がされました。
玉の重さは、上から6、8、9、10ポンド。合計約14.5kgのボールが、スイッチを入れるとすぐにひょいっと持ち上がりました。こんな小さいボディなのに、すごい!
なお、軽量タイプで吸っても持ち上がりましたが、持ち上がるスピードがややゆっくりでした。これが掃除をしたとき、一往復でゴミを吸い取るか、二往復で吸い取るかの違いになるんですね。
ヘッドはどんなふうに進化したの?
新構造の「倍トルヘッド」では、新しく開発した磁石モーターで、ブラシの回転数が2倍になりました。検証用に、一部を透明にしたヘッドで回転数を測定したところ、従来型が2181回転、新製品が4356回転と倍の数字を検出。パワフルに回転すると、ゴミのバックアップ率が上がるそうです。
ペットの毛にも強くなった
では、ブラシの回転とパワーでどれくらいとれるのか。ラグにペットの抜け毛が絡みついたという想定で、従来機と新製品の吸い比べが行われました。
羊毛状のゴミをじゅうたんにこすりつけ、上からギューギューと押し付けて、それぞれ1往復でどれくらいゴミが取れるかをチェック。新製品は、かなりきれいに取れるのがわかります。
じゅうたん奥のゴミを掘り起こす
また、バンパーの形状をくし歯状にすることで、じゅうたんをかき分けながら埋もれたゴミを掻き出す力もアップしました。
EC-SR5の特徴
実証実験は、ビーズ状のゴミが撒かれ、じゅうたんの毛足の奥にグイグイ押し込まれた状態でスタート。従来機を10往復させてきれいにしたあとに、新製品で掃除をしたところ、きれいだったはずのじゅうたんの奥からからビーズが次々と出てきました。まるで、砂場を熊手で引っかいていたら、BB弾がいっぱい出てきたような状態。くし歯状バンパーが毛をかき分け、埋もれたゴミにアプローチすることが実証されました。
ちなみに、フローリングでは音がうるさくなるため、ブラシの回転率が上がるのはじゅうたんを掃除するときのみ。センサーが床の素材の違いを感知すると、勝手にじゅうたんモードになるのだそう。このへんの切り替えを、自動でやってもらえるのは楽チンです。
まとめ
日々進化しているコードレススティック掃除機。吸引力や持久力のみが重要視されていた時代は過ぎ、今はさらに「軽さ」も求められています。ラクティブエアは、それをまっすぐに追求している印象でした。
最後に広報さんがこんなことを言っていました。
「昔の小説の台詞じゃないですけど、コードレススティックも、こんな時代に入っています。『パワーが強くなければコードレススティックじゃない、でも優しく使えなければ掃除機の資格がない』。シャープはこれからも、人に寄り添う掃除機作りに挑戦していきます」