家族が一日じゅう家にいる巣ごもり生活では、毎日の食事作りが課題になった。そこで今回は便利なオーブンレンを解説。シャープ「ヘルシオ AX-XA10」、パナソニック「ビストロ NE-BS2700」、東芝「石窯ドーム ER-VD7000」、日立「ヘルシーシェフ MRO-W10X」の最新4機種に注目だ。

目指せ!家電選びの達人
今回は「オーブンレンジ」最新4機種を比較

誰でも手軽においしい調理ができる機能を満載! 今やキッチン家電の代表格だ!
巣ごもり生活で沈んだ気分を盛り上げるためのお菓子やごちそう、健康を考慮したヘルシーメニューなどが気軽に作れる高性能オーブンレンジは、今の時代にフィットするキッチン家電の代表格だ。最新機はさまざまな進化を遂げ、ますます頼りになる存在となっている。

監修者のプロフィール

画像: 監修者のプロフィール

中村剛(なかむら・つよし)

「TVチャンピオン」スーパー家電通選手権で優勝の実績を持つ家電の達人。家電製品総合アドバイザー、消費生活アドバイザー。東京電力「くらしのラボ」所長。現在、暮らしに役立つ情報を動画(facebook)で配信中。

知っておきたいオーブンレンジの基礎知識

❶過熱水蒸気で調理

100℃の水蒸気でしっとり仕上げるスチーム調理に対し、過熱水蒸気は100℃以上の高火力で、食材を中まで素早く加熱。油や塩分を落としたヘルシー調理を実現する。

❷各種センサーの搭載

高級機は、赤外線センサーや蒸気センサー、重量センサーなど、複数のセンサーを搭載。調理中の温度変化を細かくセンシングし、最適な温度で料理を仕上げる。

画像: ❷各種センサーの搭載

❸無線LAN対応、スマホ連係

ネットと連係し、メニュー選びなどの遠隔操作が可能に。調理のコツを教えるサポート機能のほか、コミュニティでユーザーどうしの交流も。

画像: ❸無線LAN対応、スマホ連係

❹内蔵メニューが豊富。レシピの提案や追加もOK 

上級グレードになると内蔵メニューも増え、最上位機種は300〜400と豊富。ネット連係モデルは、購入後もレシピが追加できるほか、献立相談なども可能

画像: ❹内蔵メニューが豊富。レシピの提案や追加もOK

❺壁にピッタリ置きが可能

上位機種は本体が大きいが、断熱性が高く、左右、背面を壁に寄せて設置できるモデルが主流。普及モデルでは、周囲に10センチほどの放熱スペースが必要。

画像: 放熱スペースは、製品により異なります。

放熱スペースは、製品により異なります。

❻メンテナンス性の向上

汚れが付きにくいコーティングやフラットな構造で、庫内の汚れが拭き取りやすい。スチームで汚れを落とす自動お手入れ機能も人気だ。

画像: ❻メンテナンス性の向上

“巣ごもり生活”で一躍脚光

■オーブンレンジが日々の食事作りをサポート

家族が一日じゅう家にいる巣ごもり生活では、毎日の食事作りが課題になった。ワンパターンにならないように、おいしくて栄養価も考慮したメニューを1日3回作る。無理なく続けるには、手をかけすぎず、いかに簡単に作るかもポイントだ。料理に慣れている人でも負担が大きいが、そうでない人にはさらにハードルが高い。

そんな中で見直されたのが、オーブンレンジだ。食材を用意して、ボタンを押すだけで本格的な調理ができるほか、お店のテイクアウトメニューを作りたてのように温め直し、豊富な内蔵レシピでレパートリーも広げてくれる。説明書どおりに操作すれば、誰でもおいしく仕上げることが可能だ。また、日々の食事作りをサポートするだけでなく、高温オーブンで本格的なお菓子作りにも対応できるため、買い替えの候補に、高級機が浮上することも増えたという。

2020年登場した上級モデルの新製品は、さらなる便利さを備えつつ、新たな局面に突入している印象がある。今回は、代表的な4機種で、特徴を追ってみたい。

■新しい調理モード

おまかせ調理や解凍不要な加熱モードが話題に
今、各社が力を入れているのが、おまかせ調理モードだ。高性能センサーで調理中の焼き加減を見張り、火加減を自動コントロールすることで、温度や時間の設定の手間なしにオート調理ができるようになっている。特に、最新機種ではセンサーの精度が高く、食材の状態を正確に把握して最適な加熱を行うため、味や食感を生かした料理に仕上げることが可能だ。

また、最近の上位機種では、下ごしらえをしてから凍らせた「下味冷凍」の食品を、そのまま加熱調理できる機能がトレンドだ。

時間のあるときにまとめて作っておき、火を通すだけの状態でストックする下味冷凍は、解凍に手間や時間がかかるのがネックになっている。だが、そのまま加熱するモードなら、温度を見張りながら大火力で加熱し、凍った状態の食品を、時間をかけずに上手に仕上げることができる。解凍の手順がスキップできるほか、一気に加熱することで、おいしさや栄養素もキープ可能だ。この機能は、ヘルシオとビストロが本格的に取り組んでいる。

シャープ・ヘルシオは、過熱水蒸気の特性を生かしつつ、熱の流れをコントロールすることで温度の低い食材から先に温める仕組み。

一方のパナソニック・ビストロは、ヒーターの火力を上げることで、ボリュームのあるメニューも冷凍から一気に焼き上げる。

シャープ
ヘルシオ AX-XA10

AIにより家庭に合わせて使いやすく進化

シャープヘルシオの「まかせて調理」は、食材の種類や分量などに関係なく、好きなものを角皿に並べるだけですべてちょうどよく加熱することができる。メイン熱源である過熱水蒸気は、冷たいものから先に熱を加える特性があるため、冷凍と常温など温度帯の違う食材も、同じタイミングで焼き上げられて便利だ。最新モデルでは、上下2段でまかせて調理が行えるようになり、主菜と副菜を一度にたっぷり作れる。

300℃以上に加熱した過熱水蒸気で、余分な油や塩分を落としたヘルシー調理が可能。人工知能を搭載し、家庭に合わせて使いやすく進化するハイテクモデル。

実売価格例18万7000円
総庫内容量30リットル
自動メニュー数382
画像: ヘルシオ AX-XA10

ヘルシオ AX-XA10

●サイズ/幅490㎜×高さ420㎜×奥行き430㎜●重量/25kg●消費電力/最大1460W●年間消費電力量/72.0kWh/年●オーブン温度/最大300℃●レンジ出力/最大1000W

まかせて調理/2段同時調理
材料や分量、温度帯を気にせずに自動調理できる「まかせて調理」が2段で可能になった。上段で肉や魚、下段で野菜などの副菜が調理できる。

画像: ヘルシオ AX-XA10(まかせて調理/2段同時調理)

ヘルシオ AX-XA10(まかせて調理/2段同時調理)

AIパネル
AIが各家庭の調理履歴などを学習し、よく使う機能やおすすめメニューを操作画面に表示。季節や時間帯に合わせておすすめが切り替わる。

画像: ヘルシオ AX-XA10(AIパネル)

ヘルシオ AX-XA10(AIパネル)

時短メニューらくチン1品
食材や分量フリーで、煮物やカレー、パスタなどを最適な仕上がりに調理する自動レンジ調理機能。例えば、2人分のカレーなら約13分と、時短調理ができる。

画像: ヘルシオ AX-XA10(きのこカレー)

ヘルシオ AX-XA10(きのこカレー)

パナソニック
ビストロ NE-BS2700

グリル機能と短時間調理が自慢の一台

パナソニック・ビストロは、ボウルに材料を入れて「チン」するだけで、手軽にカレーやスパゲティが作れるレンジ調理「ワンボウルメニュー」が好評。0.1秒のセンシング技術により、火加減の難しいオムレツやとろみのついた中華料理も、ワンボウルで本格的に仕上げられる。最新機は、分量フリーで野菜の調理ができる新機能を搭載し、ヘルシーな献立作りに貢献している。

グリル機能と短時間調理が自慢のスチームオーブンレンジ。レンジ×ボウルでカレーや中華料理を作る「ワンボウルメニュー」など、本格調理が簡単にできる。

実売価格例18万7000円
総庫内容量30リットル
自動メニュー数292
画像: ビストロ NE-BS2700

ビストロ NE-BS2700

●サイズ/幅494㎜×高さ370㎜×奥行き435㎜●重量/19.6kg●消費電力/最大1400W●年間消費電力量/66.0kWh/年●オーブン温度/最大300℃●レンジ出力/最大1000W

大火力極め焼きヒーター/高精細64眼スピードセンサー
立ち上がりが早いパワフルヒーターと発熱するグリル皿で、上下から素早く加熱。庫内全体の温度分布を瞬時に測定する高精細センサーで、火加減をコントロールする。

画像: ビストロ NE-BS2700(大火力極め焼きヒーター)

ビストロ NE-BS2700(大火力極め焼きヒーター)

画像: ビストロ NE-BS2700(高精細64眼スピードセンサー)

ビストロ NE-BS2700(高精細64眼スピードセンサー)

凍ったままグリル
大火力ヒーターで、食材を冷凍から一気に加熱。センサーが温度を見極め、肉と野菜など、違う食材もちょうどいい火加減で焼き上げる。

画像: ビストロ NE-BS2700(凍ったままグリル)

ビストロ NE-BS2700(凍ったままグリル)

ワンボウルメニュー/とろみセンシング
高速センシングでふきこぼれを防止し、ワンボウル調理を実現。センサーの向きを変え、火加減の難しいとろみにも対応した。

画像: ビストロ NE-BS2700(ワンボウルメニュー)

ビストロ NE-BS2700(ワンボウルメニュー)

画像: ビストロ NE-BS2700(とろみセンシング)

ビストロ NE-BS2700(とろみセンシング)

東芝
石窯ドーム ER-VD7000

業界最高の350℃オーブンを実現!

350℃の高火力オーブンが自慢の東芝は、牛、豚、鶏、野菜などの食材別に最適な温度調整を行う「石窯おまかせ焼き」を新搭載。見栄えのするオーブン料理が、誰でもオートで簡単に作れるようになった。

パリッと焼き上げる高火力調理や、ワンランク上のパン&お菓子作りにも役立つ。奥行きが40センチを切り、設置性もアップ。

実売価格例18万1500円
総庫内容量30リットル
自動メニュー数493
画像: 石窯ドーム ER-VD7000

石窯ドーム ER-VD7000

●サイズ/幅498㎜×高さ396㎜×奥行き399㎜●重量/21kg●消費電力/最大1430W●年間消費電力量/72.0kWh/年●オーブン温度/最大350℃●レンジ出力/最大1000W

石窯おまかせ焼き
メインとなる食材を選ぶと、温度センサーが分量に合わせて火加減を自動調節。ブロック肉や骨付き肉にも対応し、付け合わせの野菜も一緒に調理できる。

画像: 石窯ドーム ER-VD7000(庫内に温度センサーがある)

石窯ドーム ER-VD7000(庫内に温度センサーがある)

画像: 業界最高の350℃オーブンを実現!

業界最高350℃オーブン
業界最高の350℃の熱風オーブンで、食材の内側までじっくり加熱。ジューシーな肉料理や、高さのあるふっくらパンなど、本格仕上げにこだわった。

画像: 石窯ドーム ER-VD7000(350℃石窯オーブン)

石窯ドーム ER-VD7000(350℃石窯オーブン)

画像: 石窯ドーム ER-VD7000(庫内まるごと遠赤)

石窯ドーム ER-VD7000(庫内まるごと遠赤)

5インチカラータッチ液晶
表示面積が従来品の1.3倍となる5インチカラータッチ液晶を採用。レシピや説明書も読みやすく表示され、使いやすさが向上した。

画像: 石窯ドーム ER-VD7000(5インチカラータッチ液晶)

石窯ドーム ER-VD7000(5インチカラータッチ液晶)

日立
ヘルシーシェフ MRO-W10X

アップデートにより最新レシピを拡充

日立は、オートメニューに日本最大の料理レシピサイト「クックパッド」の人気レシピを導入。ふだんフライパンで作っているメニューが、ボタン一つでできる手軽さと親しみやすさをアピールする

基本性能が高く使いやすい一台。多機能ながら価格的にも魅力だ。モデルチェンジではなく、アップデートでレシピを拡充するという新しい試みを見せた。

実売価格例9万3500円
総庫内容量30リットル
自動メニュー数254(※)
※本体に搭載されていないレシピを、
アプリからダウンロード可能。
画像: ヘルシーシェフ MRO-W10X

ヘルシーシェフ MRO-W10X

●サイズ/幅497㎜×高さ375㎜×奥行き442㎜●重量/18.0kg●消費電力/最大1430W●年間消費電力量/70.5kWh/年●オーブン温度/最大300℃●レンジ出力/最大1000W●

300℃熱風2段オーブン/Wスキャン調理
重さと表面温度を測って加熱時間を設定し、分量設定不要の「Wスキャン」を搭載。熱風の流れをコントロールすることで、効率的に加熱できる2段オーブンも特徴。

画像: ヘルシーシェフ MRO-W10X(300℃熱風2段オーブン)

ヘルシーシェフ MRO-W10X(300℃熱風2段オーブン)

画像: ヘルシーシェフ MRO-W10X(Wスキャン調理)

ヘルシーシェフ MRO-W10X(Wスキャン調理)

「ヘルシーシェフ」アプリ
本体に搭載されていないレシピを、アプリからダウンロード。最新アップデートでは、味の素やカゴメなどの食品会社と共同開発したオリジナルレシピも追加された。

画像: ヘルシーシェフ MRO-W10X(おすすめレシピ提案)

ヘルシーシェフ MRO-W10X(おすすめレシピ提案)

画像: ヘルシーシェフ MRO-W10X(オートメニューの設定)

ヘルシーシェフ MRO-W10X(オートメニューの設定)

外して丸洗いテーブルプレート
本体の底面にピッタリ収まる専用のテーブルプレートを採用。汚れた際には取り出してしっかり洗えるので、庫内が衛生的に保てる。

画像: ヘルシーシェフ MRO-W10X(専用のテーブルプレート)

ヘルシーシェフ MRO-W10X(専用のテーブルプレート)

なお、日立は、コンパクトモデルMRO-S7Yが、レンジとオーブンで仕上げる「冷凍食品パリッと調理」を採用している。

コンパクトモデル
ヘルシーシェフ MRO-S7Y

20リットルクラスのコンパクトモデルにも注目

1〜2人暮らし向けの小容量タイプにも、機能が充実したモデルが増えている。日立の新製品は、分量おまかせのオート調理や、「外して丸洗いテーブルプレート」など、上位機種で人気の機能を搭載。

さらに、唐揚げなどの冷凍食品を食感よく仕上げる「冷凍食品パリッと調理」を採用するなど、最新トレンドも取り入れている。

実売価格例6万280円
総庫内容量22リットル
自動メニュー数90
画像: ヘルシーシェフ MRO-S7Y

ヘルシーシェフ MRO-S7Y

●サイズ/幅483㎜×高さ340㎜×奥行き388㎜●重量/13.5kg●消費電力/最大1450W●年間消費電力量/70.4kWh/年●オーブン温度/最大250℃●レンジ出力/最大1000W

ネット連係

新レシピのダウンロードで活用の幅が広がる

もう一つ、大きな流れとしては、Wi-Fiスマホアプリを介したネット連係が挙げられる。

外出先からのメニュー検索や献立相談、音声操作が可能になって利便性が向上したほか、新しいレシピが、ネットからダウンロードできるのも大きなメリット。定番料理だけでなく、流行を反映したメニューなども食卓にどんどん取り入れることができる。

この仕組みを利用して、新しい動きに出たのが日立だ。今季は、昨年発売の最上位モデルに、アップデートによりオートメニュー30種を追加する形を取った。機能や性能はそのままに、ソフトウェアを更新するという新しいスタイルに、今後の注目が集まる。

また、ネット連係により、家庭での使用状況がメーカーに直接届くことで、製品開発にも変化が現れることが予想される。

メーカーは、顧客とのつながりを強化でき、今まで以上にユーザー目線に立った製品作りが可能になる。

そして、ユーザーは、より使いやすい製品を手にすることができるわけだ。双方にとって利益のある、ウィンウィンな関係性が、さらに作り上げられていくだろう。

まとめ

当初はミスマッチに思えたオーブンレンジとネットの取り合わせも、レシピの追加やメーカーと顧客の関係構築に利用されたことで展開が変わった。

もともと安全で効率的な調理ができるオーブンレンジだが、性能やソフトがさらに充実すれば、キッチンの概念が変わる可能性もある。

鍋やフライパン不要で、掃除スペースも最小限。オーブンレンジがメインの熱源になる日が来ても不思議ではない。

※価格は記事作成当時のものです。
◆取材・執筆/諏訪圭伊子(フリーライター)

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