【ダイソー・1000円寝袋】ゲスト用寝具や防災用品にぴったり!コンパクトで快適な「封筒型シュラフ」をレビュー

スポーツ・アウトドア

コロナ禍においては、「三密」を避けやすいキャンプが人気です。100円ショップでも、さまざまなキャンプグッズが販売されています。先日、大手100円ショップ・ダイソーの店頭で、なんとシュラフを発見!さすがに100円ではありませんが、税別1000円という破格のプライスです。自分で普段から愛用するには、ちょっと……という印象ですが、遊びに来た友人・知人にキャンピングカーで使ってもらう分には十分な予感。そこで、普段使っているシュラフと比較しながら、実際にキャンピングカーで寝てみた感想をお伝えします。

執筆者のプロフィール

齋藤千歳(さいとう・ちとせ)

元月刊カメラ誌編集者。新しいレンズやカメラをみると、解像力やぼけディスク、周辺光量といったチャートを撮影したくなる性癖があり、それらをまとめたAmazon Kindle電子書籍「レンズデータベース」などを出版中。まとめたデータを元にしたレンズやカメラのレビューも多い。使ったもの、買ったものをレビューしたくなるクセもあり、カメラアクセサリー、車中泊・キャンピングカーグッズなどの記事も執筆。現在は昨年8月に生まれた息子と妻の3人、キャンピングカー生活にハマっており、約1カ月かけて北海道を一周するなどしている。

キャンプのゲスト用寝具をどうする?

普段使っているシュラフを客人に貸すのは抵抗がある

筆者のようにキャンピングカーを所有していると、遠方に住む友人と、「北海道まで遊びに来るなら、うちからキャンピングカーで出かけて、おいしいもの食べて温泉にでも入って、そのまま泊まって来よう」という話になることがあります。

そんなときに、ちょっと悩むのが寝具です。

普段、筆者たちが使っているシュラフやタオルケット類。

キャンピングカーには、クッションの効いたベッドがあるのですが、直接寝ると寝汗などが染み込むので、筆者や家族は、シュラフをシーツ代わりに敷いて寝ています。暑い季節はシュラフを開いて敷き、タオルケットなどを掛けるだけ。肌寒い季節も、FFファンヒーターが付いているので、シュラフを敷いて羽布団を掛ければ十分です。

シュラフは寝具というより、キャンピングカーのベッドを汚さないためのシーツ代わりです。

シュラフはもちろんそのつど洗いますが、普段使っている寝具をお客さんに使ってもらうのは、筆者は少し抵抗があります。「そんな神経質な」という方もいるかもしれませんが、自分が気づいていないだけで、臭くないまでもニオイがしていたら……などと考えてしまうのです。

かといって、「自分のシュラフを持ってきて」というのも変な話です。持っていない人もいるでしょうし、そのために高価なシュラフを買ってもらうのも恐縮です。

そんな筆者にとって、ダイソーの1000円寝袋「封筒型シュラフ」は、非常に魅力的なわけです。2泊使えば1日500円、3泊ならば300円台。使い終わったら捨ててもいいですし、なんなら持って帰ってもらうのもよいと思います。

そこで、普段愛用するわけではないですが、「友人や知人といった短期的なお客さんに使ってもらうのに十分か?」という視点で、ダイソーの「封筒型シュラフ」を見ていきたいと思います。

商品チェック

使い捨てにするには十分以上の品質

税込価格1100円のダイソー「封筒型シュラフ」。ある意味、極限までコストパフォーマンスを優先したシュラフといえるでしょう。

しっかりと収納用の袋も付いて、税込1100円。どう考えても安いのです。

商品名のとおり、封筒型の形状です。シュラフには、封筒型のほかに、ミノムシのように全身を覆う構造のマミー型があります。ただ個人的には、本格的な登山などを行わないなら、マミー型よりも封筒型の方が使いやすいと思っています。

L字型にファスナーがついた袋状です。

ファスナーをすべて開けると、1枚の布団のように使えます。

このよう広げて、敷き布団のようにして寝ることが多いです。

ファスナーを閉じたら、その上からマジックテープで留めます。ファスナー自体は、普通の衣服に付いていそうな感じのものです。

シンプルな構造なので取り扱いに迷うことはありません。

使い終わって収納袋に入れる際には、少々注意が必要です。コスト削減のためか、シュラフを丸めたあとに縛っておくヒモなどは付いていません。丸めたら崩れないように気をつけながら、付属の袋に押し込むように収納します。

基本的なスペックとしては、使用サイズで幅約75cm、長さ約180cm、収納時サイズで直径約17cm、長さは約37cm、製品重量は約900g。また、素材は生地の表地も裏地も、さらには中綿もポリエステル100%。さらに使用温度は15度以上となっています。

チャックを開けて広げた状態でのサイズは、幅が約150cm、長さが約180cmなので、背の高い方には少し短いかもしれません。筆者は比較的小柄なので、あまり気になりませんでした。

手に持った印象としては、非常にペラペラとした安物の化繊布団といった感じです。というか、実際のところ安物の化繊布団よりも安いので、仕方ないでしょう。

例えば、このシュラフを屋外のテントで使うのは、ちょっとつらいと思います。でも、元々クッションの効いたキャンピングカーの中で寝る際にシーツ代わりに使うと考えたら、十分以上でしょう。

比較検証

コールマンの「スリーピングバッグクラシック/10」と比べてみた

比較対象がないと、ダイソーの「封筒型シュラフ」の実像がつかみにくいと思います。ちょっと古いシュラフで申し訳ないのですが、我が家にあった「コールマン スリーピングバッグクラシック/10」と比べてみました。こちらのシュラフは、だいぶ前に販売終了しており、実勢価格は3000円から4000円。普段使いのファミリーユース向けと考えてよいでしょう。

基本スペックは、使用時サイズが幅約84cm、長さが約190cm。収納時サイズは直径約30cm、幅約48cm。製品重量は約2.7kg。素材は表地がポリエステル65%、コットン35%、裏地は100%コットン、ホローファイバー(中空素材)。適温レベルは10度以上です。

重量が約3倍違うので、大きさの差もご覧のとおり。クッション性もかなり差があります。

コールマンの上にダイソーを重ねて置いてみました。「コールマン スリーピングバッグクラシック/10」のファスナーを全開にして開くと、幅約168cm、長さ約190cmと、多少大柄な人でも窮屈さを感じないサイズになっています。

質感の違いも明らかにわかります。

個人的にいちばん気になったのは、肌触りです。コールマンは裏地が100%コットンのため、肌触りが非常に快適なのです。裏地が100%ポリエステルのダイソーの「封筒型シュラフ」は、素肌に当たった感じが今一つ。筆者にとっては大きなポイントです。

100%コットンの肌触りの良さを改めて実感した「コールマン スリーピングバッグクラシック/10」(下)。

ファスナーの作りにも差があります。コールマンのファスナーは、強い力で何度も開け閉めすることを想定しているごっつい作り。一方のダイソーは、一般的な洋服についているようなファスナーです。

コールマン(右)は、いかにもアウトドアグッズっぽいファスナー。

価格差は約4倍ですが、逆にいえば3000~4000円も出せば、かなりまともなシュラフが購入できるのです。ある程度長い期間愛用しようと考えるなら、最初からのこのクラスを購入することをおすすめします。

とはいえ筆者には、このクラスのシュラフを客人のために買う(そして捨てる)という発想は出てこないのです。これに対して1000円のダイソーの「封筒型シュラフ」なら、来客のたびに新品を買うのも抵抗がありません。この点がダイソーの「封筒型シュラフ」の素晴らしいところといえるでしょう。

実際に寝てみた

真夏のキャンプでは薄くてありがたいくらい

北海道とはいえ、今年は特に暑く車内の温度は28.1度。しかも湿度は70%と、とても窓を開けていた夜の12時のキャンピングカーの車内とは思えません。

なにはともあれ、重要なのは「実際に寝てみてどうなのか?」でしょう。

今年は猛暑で、北海道でも日中は30度を超える日が続いています。そのため、使用温度が15度以上のダイソーの「封筒型シュラフ」でもまったく問題ありません。

当然、ファスナーを全開にして開き、シーツのようにダイソーの「封筒型シュラフ」を敷き、タオルケットを掛けて寝るスタイルです。タオルケットもいらないレベルの気温ですが……。

元々クッションの効いているキャンピングカーのベッドにシュラフを敷いているので、薄いのはまったく問題ありません。ただ、ポリエステル100%の生地が、汗ばんだ肌に張り付いて不快なのではないかと、不安に思っていました。

しかし、それは杞憂に終わりました。肌ざわりは思った以上にスベスベサラサラしており、暑さの中でも快適なのです。これは完全に予想外の結果。結局、キャンピングカーの窓を全開してもやや蒸し暑い夜でしたが、朝まで熟睡しました。

朝の6時くらいに目覚めると車内の気温は約26度。薄くてペラペラのシュラフは、夏に使う分にはありがたいくらいでしょう。

「肌に張り付くのでは」という予想を裏切って快適な肌触りでした。

まとめ

ゲスト用に新品をストックしておくと便利

税込1100円という価格なら、使う予定がなくても1つストックしておくと安心。

ダイソーの「封筒型シュラフ」は、シュラフとしての機能については、特筆すべき点を見つけられませんでした。ただし、1000円で使用可能な最低限の機能を備えたシュラフを実現している点が、もっとも重要であり、称賛すべきポイントでしょう。

今回の筆者のように、キャンピングカーで使うので高い機能性は不要、そして場合によっては使い捨てしたいという条件において、ダイソーの「封筒型シュラフ」は非常に素晴らしい逸品です。キャンピングカーで知人・友人と出かける際に1個ストックしておくだけで、心の余裕すら生まれるありがたいシュラフといえるでしょう。

この「封筒型シュラフ」が、いつでもダイソーで購入できるなら本当に便利です。ただ、店舗の商品の位置やWEBサイトでの扱いなどを見ていると、おそらく夏向けの季節商品だと思われます。売り切れる前に、1つは入手してストックしておくとよいでしょう。筆者は、テストで使ってしまったので、もう1つ新品を購入しておこうと思っています。キャンプに行かなくても、クルマの中や防災用品の中に入れておくだけで、ちょっとした安心感も得られるのではないでしょうか。

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齋藤千歳(フォトグラファーライター)

元月刊カメラ誌編集者。新しいレンズやカメラをみると、解像力やぼけディスク、周辺光量といったチャートを撮影したくなる性癖があり、それらをまとめたAmazon Kindle電子書籍「レンズデータベース」などを出版中。まとめたデータを元にしたレンズやカメラのレビューも多い。使ったもの、買ったものをレビューしたくなるクセもあり、カメラアクセサリー、車中泊・キャンピングカーグッズなどの記事も執筆。現在はキャンピングカーを「方丈号」と名付け、約9㎡の仕事部屋として、車内で撮影や執筆・レビューなどを行っている。北海道の美しい風景や魅力を発信できればと活動中。

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