ここでは、Google「Chromecastwith Google TV」をはじめとする最新4Kメディアプレーヤーを解説する。Amazonの「Fire TV Stick 4K」と「Fire TV Cube」、アップル「Apple TV 4K」の4製品の画質・機能・操作性も比較検証してみた。
Chromecastの新世代機が登場
Chromecast with(クロームキャスト ウィズ)Google TVは、HDMI入力を備えたテレビと接続するだけで、動画サービスや音声アシスタントなどの機能を使えるメディアプレーヤーだ。
新世代機にはリモコンが付属し、使いやすさがますます向上
Google
Chromecast with Google TV
実売価格例:7600円
第4世代となるChromecastの最新モデル。リモコンが付属するようになり、スマホなどを使わずに操作できるようになった。4K出力に対応し、HDR10やドルビービジョンなどのHDR規格にも対応。音声もドルビーアトモスに対応する。内蔵ストレージは8Gバイト。
従来のChromecastとの違いは、専用リモコンが付属になり、スマホを使わずに操作ができるようになったこと。音声アシスタントも使えるので、テレビ的に使いたい人には便利だ。映像・音声のスペックとしては、4K/HDR対応で、ドルビーアトモスなどのサラウンドにも対応する。
●テレビのHDMI入力に接続するだけ
HDMI端子に差し込んで使うドングル型(小型の差し込みタイプ)のプレーヤー。
●動画をテレビで再生できる
スマホで見ているYouTubeなどのネット動画を、右上にあるキャストアイコンの操作でテレビに表示できる。
キャストアイコンをタップすると、テレビ画面に動画が表示される。
そして、新UIのGoogle TVを採用していることも話題だ。OS自体は従来と同じAndroid TVだが、操作画面のデザインが一新されている。特徴は、映画などのコンテンツ主体の表示となっていること。例えば、人気の映画ランキング表示では、動画配信サービスの区別なく人気作品がリストアップされる。複数のサービスで見られる作品であれば、自分が契約しているサービスを選んで見ればいい。動画配信サービスを選んでから作品を選ぶという手順ではないので、手間がかからなくなっている。
●見た目を一新したUI
新UIのGoogle TVを採用。映画やコンテンツ主体のメニュー表示だ。
従来のAndroid TV用のアプリもすべて使えるので、ゲームなども幅広く楽しめる。リモコンは、ふだん使いではかなり重宝する。ただし、前の製品までは可能だったDMMのR-18コンテンツの視聴が行えないなど、意外な制限もあるので注意しよう。
Amazonからはスティック/キューブ型
Chromecastのライバルとなる4Kメディアプレーヤーはこれ!
他社機も見ていこう。Amazonのメディアプレーヤーはスティック型とキューブ型の2種類があり、キューブ型はスピーカーを内蔵する。どちらもテレビのHDMI端子に接続して使い、ネット動画の4K/HDR映像やドルビーアトモスに対応している。
Amazon
Fire TV Stick 4K
実売価格例:6980円
スティックサイズで超コンパクト。安価で、手軽に使える
テレビのHDMI端子に直接差し込んで使うが、付属の電源ケーブルで電源に接続する必要がある。ネットには基本的にWi-Fiで接続する。内蔵ストレージは8Gバイト。
●より便利に使うための付属品なども充実
Amazon
Fire TV Cube
実売価格例:1万4980円
スピーカー内蔵の据え置き型。音声アシスタント機能も便利
据え置きタイプの高機能モデル。スピーカーを内蔵しており、スマートスピーカーのように使える。Wi-Fiでも有線LANでも使用可能。内蔵ストレージは16Gバイト。
●多彩なサービスやアプリに対応
Amazonビデオだけでなく、国内外の動画配信サービスに幅広く対応する。
●ゲーム用アプリなども充実
ゲーム用アプリもかなり充実。Android TVに迫る充実度だ。
手軽に使うならスティック型がおすすめだが、キューブ型は単独で音声アシスタントも使えるので、スマートスピーカーとして使いたい人には便利だろう。内蔵スピーカーの音質も聴きやすく、テレビなしでも楽しめるのは便利だ。
Apple TV 4Kは高品質で定評がある
Apple TV 4Kはアップル製のメディアプレーヤーで、これもHDMIでテレビに接続。iPhoneと連係した高画質化機能があるなど、独自色が強い。
アップル
Apple TV 4K
実売価格例:2万1800円(32Gバイト)
コンパクトな据え置き型で、機能も画質・音質も充実している
2021年5月に発売されたApple TV 4Kの最新モデル。リモコンが一新され、電源ボタンも追加されるなど、使い勝手が向上している。ストレージ容量も32Gバイトと、他機に比べて多めだ。
メディアプレーヤーとしては各種の動画配信サービスにも幅広く対応しているし、ゲームなどのアプリも高性能化を果たしている。
●映画のほか、音楽やゲームなどにも対応
Apple TVやApple Musicなどのネットサービスと各種機能を網羅したメニュー構成。他社の動画配信サービスなどのアイコンは下のほうにある。
また、この最新モデルではリモコンが改良され、以前の製品より快適に使えるようになっている。 本機は、画質・音質のよさが大きな魅力。この点は以前から定評があったが、音と映像のクオリティは、ますます磨きがかかったといえる
●テレビの画質を精密にチューニングできる
Face ID対応のiPhoneを使ってテレビの輝度やカラーバランスを精密に調整することが可能。オリジナルに忠実な画質で映画などを楽しむことができる。
4製品の画質・機能・操作性を比較検証
4Kメディアプレーヤー各製品の画質・音質や操作性についてチェックした。まずは各社の音声アシスタント機能。具体的な映画タイトルを発声したり、「ゴジラの映画」のようなあいまいな検索も行ったりしてみたが、音声の認識精度が最も高かったのは新世代Chromecastだった 。Amazonのアレクサやアップルのsiriも十分実用になるが、聞き違いが少し多かった。
Chromecastのメリットはここ!
リモコンの音声アシスタントボタンを押すと現れる音声操作画面。認識精度が高く、使いやすかった。このあたりはGoogleならではの強みだろう。
操作感はどれも優秀だが、反応のよさではApple TV4Kがやや優位と感じた。
画質・音質はNetflix(ネットフリックス)の映画「TENET(テネット)」で比較したが、Apple TV 4Kが最も優秀。映像は緻密で暗部の再現性も優れ、音は低音の力感やセリフの厚みなど、質の高いものだった。僅差だったのはFire(ファイヤ)TV Cube(キューブ)。総じて据え置き型が優秀だが、不利と思われたスティック型の2機種も、画質・音質とも思ったより健闘していた印象だ。
Amazon機、アップル機の独自機能
Fire TVの画質設定(2機種共通)。解像度やHDRの設定のほか、フレームレートの設定までできる。
Apple TV 4Kは、音楽サービスのApple Musicも楽しめるのが大きな魅力。
※価格は記事作成当時のものです。
◆解説/鳥居一豊(AVライター)