ドラム式用洗剤と普通の洗剤とは配合されている成分のバランスが異なるようだ。こういった洗濯乾燥機の疑問を専門家にわかりやすく解説してもらった。目からウロコの家電活用術として、この機会に知っておいてほしい。
洗濯乾燥機ズボンにティッシュを入れたまま洗ったら洗濯物がくずだらけに!
これは柔軟剤でもう一度洗うことで、ティッシュくずを落とすことができます。くずがほぐれやすいように、洗濯物の量はやや少なめにして、洗濯時と同量の柔軟剤を入れて、すすぎと脱水を一回ずつ行います。これでほぼくずは取れます。少量のくずが残っている場合は、粘着ローラーなどでとればいいでしょう。
くず取りの洗濯が終わったら、次回以降の洗濯物にくずが付かないように、洗濯槽の掃除もします。洗濯槽の中に落ちているティッシュくずは手で取ります。その後、洗濯物を入れずにすすぎと脱水をしましょう。これで洗濯槽はきれいになります。糸くずフィルターの清掃も忘れずに。
洗濯乾燥機乾燥機と洗濯機には一体型と別体型があるがどっちが便利?
乾燥機能付き洗濯機のメリットは、一体型であるため場所を取らないこと、洗濯物を投入してスイッチを入れたら、乾燥まで全自動で完了することです。例えば、朝に洗濯物を洗濯機に入れてスイッチを押したら、出勤、買い物などで外出してしまっても、帰ってきたときには洗い上がって乾燥まで完了しているわけです。
対して洗濯機と乾燥機が別体の場合は、2台分のスペースが必要となりますが、洗い上がった洗濯物を乾燥機で乾燥させつつ、別の洗濯物を洗濯できるというメリットがあります。汚し盛りの子供がいる家庭など、一日で大量の洗濯をこなさなければならない場合は、とても便利です。
洗濯乾燥機ドラム式用洗剤はそうでない洗剤と何が違う? 普通の洗剤は使えない?
これは配合されている成分のバランスが異なります。ドラム式洗濯機は、洗い時に使用する水の量が縦型に比べて少ないため、洗濯物から出た汚れを含んだ水が、洗濯物に戻りやすくなります。これを防ぐために、ドラム式用洗剤には「ポリマー成分」が普通の洗剤より多めに配合されています。ポリマーが洗濯物に浸透することで汚れた水が洗濯物に戻るのを防いでいます。ドラム式用洗剤を、縦型洗濯機に使用するのは、何も問題ありません。
一方、普通の洗剤をドラム式に使用しても問題はありませんが、その場合は汚れた水が洗濯物に戻りにくくするために、水の量を増やすといった工夫をしたほうがいいでしょう。
洗濯乾燥機クリーニングに出さずに自宅で洗える衣類のいい見分け方ってある?
洗濯の方法は、衣類に付いている洗濯タグを見て判断します。しかし、洗濯タグの見方は難しく、一目で洗濯方法を理解するのは困難でしょう。そこで洗濯方法を判断してくれるスマホのアプリを活用します。
「あ~らくせんたく」(iPhone、Android対応)というアプリでは、衣類の洗濯タグをスマホのカメラで撮影すると、洗濯タグに表記されている記号をアプリが読み取って、自宅で洗濯できるかできないかを判定してくれます。
自宅で洗えると判定された場合は、洗剤のタイプ、漂白剤の使用可不可、陰干しの必要のありなし、アイロンの温度など、アプリのアドバイスを参考に洗濯しましょう。
別記事はコチラ→洗濯が楽になるアプリ【あ~らくせんたく】衣類の洗濯タグを撮影してAIが洗い方を教えてくれる!
洗濯乾燥機すすぎを何回も繰り返していて、なかなか洗濯が終わらない!
蛇口が全開ではない、給水フィルターが詰まっているなどで、給水量が少ないと洗濯全体に時間がかかります。まずは蛇口とフィルターのチェックをしましょう。
何度もすすぎが行われ、脱水に移行しない場合は、洗濯物の偏りが考えられます。洗濯物が偏ったまま洗濯槽を高速回転すると、大きな振動が発生して洗濯機が故障したり事故につながったりします。そのため偏りを検知した洗濯機は、洗濯物に水をかけながら低速回転で揺すり、洗濯物をほぐそうとします。それでも偏りが解消しないと、エラーとなり脱水に移行しません。この場合は、洗濯を中断して手で洗濯物をほぐして偏りを解消しましょう。
洗濯乾燥機ユニクロのエアリズムやヒートテックは乾燥機にかけられないの?
エアリズムやヒートテックに限らず、機能性衣料に多く使用されている「ポリエステル」「ポリウレタン」といった化学繊維は、全般的にタンブラー乾燥、つまり乾燥機の使用がNGとなっています。
その大きな理由は、乾燥機の使用により生地に縮みが発生するためです。また、乾燥機の熱により生地の吸水性などの特性が変化して、機能性衣料の効果が半減する可能性もあります。そのため、原則として、機能性衣料は乾燥機にはかけられません。
しかし、実際は、若干の縮み(1センチ程度)は発生するものの、実使用に支障はない場合が多いようです。洗濯にかかる手間や、衣類の価格などを考慮して判断してください。
◆解説/福多利夫(フリーライター)