フィットネスバンドをめぐる状況は激変!
3年ほど腕に巻いていた活動量計(フィットネスバンド)が、そろそろ寿命を迎えそうなので、買い替えを検討している筆者なのだが、久しぶりにこの業界を見てみると、ガラッと様相が変わっていてビックリした。
数年前まで人気があったブランドで、今も生き残っているのはFitbitぐらい。そのライバルだったUPを作っていたJawboneは会社を清算。フィットネスバンドの火付け役だったナイキのfuelbandも開発が終了していた。
通販サイトのAmazonを見ると、知らないメーカーの心拍測定機能付きフィットネスバンドが4000円程度で山ほど売られていて、「メーカーとしてはこのジャンルに魅力がなくなったんだなぁ」と感じた。
では、フィットネスバンドに代わる、今熱いガジェットは何なのか。調べてみると、それはフィットネスバンドの機能を内包したスマートウオッチなのだった。というわけで、今回は心拍数センサーを搭載し、フィットネスバンドとして使えるスマートウオッチを比べてみた。
メーカーとしては、スマートウオッチの代表格ともいえるAppleがあり、スマホメーカーではファーウェイがある。
Fitbitはフィットネスバンドのリーディングブランド。
GARMINも以前からフィットネスバンドを出しているが、どちらかというとGPSに強いメーカー。
フォッシルは時計メーカー……と、かなりバラエティに富んだ顔ぶれだ。
Appleがナイキ、Fitbitがアディダスというスポーツブランドと組んでいるところを見ても、フィットネスのサポートツールの主役が、スマートウオッチになったことがわかる。
Apple
AppleWatch ナイキ + series3(GPSモデル)
第3世代AppleWatchのナイキコラボモデル。
ハードウエアは標準モデルと同じだが、ナイキ専用デザインの文字盤とベルトが採用されている。
GPSのみのモデルと、iPhoneなしでもある程度使えるGPS+LTEモデルがある。
Fitbit
Fitbit ionic adidasエディション
Fitbit初の本格的スマートウオッチである「ionic」のアディダスコラボモデル。
Fitbitでは初のGPS機能搭載モデルで、スマホを持たなくても屋外活動時の経路記録が可能。
Fitbit得意の睡眠測定も踏襲されている。
GARMIN
vivoactive3 Black Stainless
GPSに定評のあるガーミンのスマートウオッチ。
過去のGPSバンドではフィットネス関連機能が弱かったが、このモデルは心拍センサーを搭載し、フィットネス機能が一気に充実した。
ゴルフ専用モードがあるのがおもしろい。
フォッシル
Q CONTROL ジェネレーション3
時計ブランドであるフォッシルは、いくつかのスマートウオッチ製品をリリースしているが、このモデルはフィットネス対応モデルとなる。
Android Wear2.0対応で、アプリのインストールが可能。
GPSは非搭載だが、時計としてのデザインは秀逸。
ファーウェイ
HUAWEI WATCH2
スマホメーカーであるファーウェイのスマートウオッチ。
心拍センサーとGPSを搭載しているAndroid Wear2.0機としては、標準的な装備と性能を持っている。
防水・防塵はIP68で、メーカーはプールでの使用に言及していない。
まずは、多くの機種で共通している部分について見ていこう。
心拍数センサー、防水、ベルト交換は全機種が対応。
スマートウオッチとして、ウオッチ側にアプリをインストールできることも共通している。
このあたりがフィットネススマートウオッチの条件となるようだ。
フォッシル以外はGPSも搭載している。
GPSは電力消費が大きいので、GPSが作動しっぱなしだと、電池はもたない。
GPSをオフにできるGARMINとFitbitの電池のもちは特筆できる。
また、AppleWatchはiPhoneにしか対応していないが、それ以外の製品は、iPhoneとAndroidの両対応となっている。
防水機能で「50メートル防水」と「5気圧防水」は、ほぼ同じ性能。
なお、これは水深50メートルでも使えるという意味ではなく、実際のところプールでの水泳はできるが、サーフィンなどの激しい運動では保証できない性能だという。
また、ファーウェイのIP68は水深1.5メートルに30分間浸っていても大丈夫ということだが、水泳時の装着には言及していない。
フィットネス機能に関しては、ウオーキングやランニングの距離、歩数、消費カロリーを知るといった基本的な機能は全機種が備えているが、スポーツブランドと組んだAppleとFitbit、それにGARMINは、ジムのフィットネスマシンと連係できたり、運動の詳細なレポートが自動作成されたり、運動方法をコーチしてくれたりと、力が入っている。
また、GARMINは、GPSを活用して距離を測るなど、ゴルフ専用のモードを搭載している。
インストールできるアプリの数は、AppleとAndroid Wear(Wear OS by Google)が多い。
FitbitとGARMINは独自方式なので、アプリ数の面では不利。
スマートウオッチ本来の出来でいうと、やはりAppleWatchが強い。
ただ、フィットネスの観点からすると、長年のノウハウが詰め込まれたFitbitがおすすめで、表示部の狭さはあるが、GARMINもおもしろい。
※「Android Wear」は3月下旬、「Wear OS by Google」に改称されると発表された。
解説/福多利夫 (フリーライター)
※価格は記事制作時のものです。