子供の成長記録を撮影した8ミリテープを保管している人はとても多いだろう。8ミリの状態だとなかなか再生する機会もないかもしれないし、VHSなどと同じく、劣化の心配もある。ここはやはりデジタル化をして、いつでも見たいときに、安心、かつ手軽に見られるようにしておきたい。ここでは、8ミリビデオを映像ファイルとしてパソコンへ取り込む方法を解説する。
8ミリテープの再生機を用意しよう。比較的入手はしやすい
では、ビデオテープのデジタル化を解説していこう。テープの種類もデジタル化の手段も複数あるが、どれも、最終的にはパソコンで閲覧・保存できるデータにすることを目指したい。
まずは、8ミリビデオ。きちんと稼働する8ミリビデオカメラを確保しているという前提で話を進めよう。なお、8ミリビデオは、ビデオカメラよりも据え置き型のビデオデッキのほうが壊れにくく、入手もしやすい。8ミリ+VHSの複合機もあるので、探してみるといいだろう。
さて、デジタル化に必要なものは、パソコンのほかにはUSBキャプチャーユニットで、今回はアイ・オー・データのアナレコ GV-USB2/HQを使用した。
パソコン側に必要なスペックとして、CPUはCore2Duo E6400以上、メモリーは2Gバイト以上が推奨。最近のパソコンならば心配する必要はないだろう。なお、動画を取り込むため、HDDの空き容量は20Gバイト以上を確保しておきたい。
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パソコンとUSB接続して使うビデオキャプチャー、アイ・オー・データのアナレコ GV-USB2/HQ。実売価格例:4650円。HDDへの保存だけでなく、直接DVDへ保存をする機能もある。ビデオ編集ソフトも付属。
取り込みが終わったら作成されたファイルを確認
パソコンに、キャプチャー用のソフトやビデオ編集ソフトなどのインストールが済んだら、機器の接続だ。ビデオカメラはビデオ出力端子に、パソコンはUSB端子に接続する。
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取り込み作業は、キャプチャーソフトを起動し、モニター画面に映像が表示されたら取り込みたい映像の頭出しをして、録画ボタンをクリックしてスタートすればいい。こうした操作はパソコンに慣れた人であれば、簡単に行えるだろう。取り込みが終わると、映像がファイルとして保存されるので、保存先を確認しよう。今回の場合は、MPEG-2形式のデータとして保存される。
そして、取り込まれたファイルのアイコンをダブルクリックすれば、Windows10標準のソフトで動画再生ができる。パソコンによってはMPEG-2用のコーデックが必要になる場合もあるが、コーデック自体は無料だし、インストール作業も簡単だ。
必要に応じて、いくつかのファイルをまとめたり、タイトル画面などを作成したりするのもおすすめ。ディスクに保存したい場合は、別途DVDへの書き込みを行おう。
なお、VHSやベータ、ミニDVといったビデオテープの場合も、基本的な作業は同様の手順で行える。基本的にはいずれもアナログ接続での取り込みを行う。使用するビデオデッキによって、コンポジット端子やS端子などの違いがあるので、間違えないように注意しよう。
❶
8ミリビデオカメラを用意する
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テープを再生するためのカメラを用意。今回はソニーの8ミリビデオカメラCCD-TR3(1993年製)を使用。
❷
ビデオカメラと映像/音声ケーブルを接続
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接続は映像/音声ケーブルを使用。ビデオカメラによっては、付属のクレードルが必要になる場合もある。
❸
映像端子の種類に注意が必要
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映像はコンポジット端子とS端子の2種がある。GV-USB2/HQのケーブルはS端子があるので、それを選択。
❹
パソコンのUSB端子にキャプチャーユニットを接続
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パソコン側のUSB端子にキャプチャーユニットのUSBケーブルを接続する。機器側の準備は以上。
❺
取り込み用ソフトをインストールする
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付属の取り込み用ソフトなどをインストール。接続が完了したらソフトを起動する。
❻
取り込みの前に設定を一とおり確認
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取り込み用ソフトが起動したら、設定の確認などを行おう。SD映像なので、解像度は720ドット×480ドットを選択。
❼
ビデオテープを再生して取り込み開始
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ビデオテープの取り込みたい映像を再生し、録画を開始する。
❽
取り込みが完了したら映像ファイルを確認
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取り込みが完了すると映像ファイルが生成される。保存先フォルダーにある映像ファイルを確認しよう。
❾
映像ファイルを再生して内容をチェック
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映像ファイルをダブルクリックすれば再生される。コーデックの入手が必要な場合もある。
❿
Windows標準の機能で動画を再生できる
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映像ファイルはWindows10標準の「映画&ビデオ」で再生可能。このまま友人などに配布できるので便利だ。
もちろん、VHSデッキやDVビデオカメラを接続することも可能
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このUSBキャプチャーユニットでは、VHS(左)やミニDV(右)のテープを取り込むことも、もちろん可能だ。機器によって端子の形状などが異なる場合も多いので、パソコン画面上で正しく動画が表示されるかどうかをまずは確認しよう。
解説/鳥居一豊(AVライター)
※価格は記事制作時のものです。