【最新4Kテレビ】7社のラインナップとおすすめモデルを選出!

家電・AV

新4K8K衛星放送も始まり、4K/8Kテレビに注目が集まっている。まずは、各社のラインアップと特徴をしっかり押さえたい。そのメーカー別の特徴として、LGは有機ELテレビのラインアップが最も充実している。シャープは世界初の8Kチューナー内蔵モデルなど新4K8K衛星放送に意欲的、ソニーは4Kチューナー搭載機は用意せず、8K化を見据えた高画質モデルで勝負している。東芝は、国内でいち早く新衛星放送用の4Kチューナー内蔵モデルを投入したことなどだ。

4Kチューナー内蔵テレビは限定的メーカーのみ

4Kテレビは、すでに日本国内だけでも、500万台前後出荷されているが(JEITA資料より算出)、実はそのほとんどは、12月1日に始まった新4K衛星放送用のチューナーを搭載していない。

確認しておきたいのは、執筆時点で4Kチューナー内蔵モデルは、東芝、シャープ、三菱などに限定されること。他メーカーの4Kテレビは、新4K衛星放送を視聴するには、別途チューナーが必要となる。そこで、各メーカーとも専用チューナーを製品化して、「内蔵機と同じように使える」とアピールしている。新4K衛星放送には特に関心がないという人は別だが、4Kテレビの購入を考えているならば、この事実をしっかりと把握して店舗に出かけていただきたい。さらに、8K放送用となると、テレビもチューナーもシャープのみが発売している。

以下、各社のラインアップからおすすめモデルを選出し、解説しよう。4Kチューナーの有無も購入時の重要な判断基準となるが、テレビの本質はやはり画質だ。4Kチューナーを内蔵していたとしても、画質が悪ければ、テレビとしての価値は下がってしまう。本特集では、画質を厳しく検証してセレクトしたので、購入時の参考にしていただきたい。

50V型で実売10万円の4Kチューナー内蔵テレビが登場

※写真は、ハイセンス・50A6800(実売価格例10万7784円)。東芝のテレビ部門を買収した中国の家電メーカーが、日本でも4Kテレビに本格参入する。映像エンジンは「レグザエンジンNEO」を搭載。

LG

有機ELテレビのラインアップは最も充実/55Vから77Vまで選択肢が広い

ELの特徴は、ライバルを圧倒する有機ELの充実した商品群にある。今季モデルだけでも、最高峰となるシグニチャーブランドがW8P、G8Pの2シリーズ。加えて、ガラスカバーデザインが特徴的なE8P、最新スペックを満たしたC8P、そして液晶からの買い替えを促すB8Pが続くという5シリーズ、10機種という豪華な布陣。デザインや画面サイズだけでなく、画質でもメリハリをつけ、選択肢を大きく広げている。

特に画面サイズについては、65V型を全シリーズで展開し、シグニチャー限定だった77V型についても、高画質スタンダードのC8Pシリーズで選べるようになった。一方、液晶はIPSパネルのみで、下表に掲載されないものも含め、4シリーズ11機種を用意している。

■LGの主なラインアップ

シャープ

世界初の8Kチューナー内蔵モデルなど新4K8K衛星放送に意欲的

新4K8K衛星放送に最も意欲的な取り組みを見せたメーカーといえば、シャープで決まりだ。8Kチューナー内蔵テレビが60V/70V/80V型の3機種、加えて、4Kチューナー内蔵テレビも45V/50V/60Vの3機種、計6モデルを用意。「液晶のシャープ」らしく、チューナー非内蔵モデルも含め、すべて液晶によるラインアップを展開している。

最大の注目点は、本放送開始前に世界に先駆けて8Kテレビを発表し、商品化したことだろう。この8Kテレビの登場によって、8K放送の一般家庭での視聴が初めて可能になったわけで、同社の功績は大きい。テレビとは直接関係ないが、新4K放送の録画が可能なBDレコーダーや、単体の4K/8Kチューナーなど、周辺機器の開発も実に意欲的だ。

■シャープ<アクオス>の主なラインアップ

ソニー

4Kチューナー搭載機は用意せず8K化を見据えた高画質モデルで勝負!

この秋、ソニーは新4K衛星放送用チューナー内蔵モデルを発表せず、有機EL、液晶ともに画質を強化した高級機、A9F、Z9Fを「MasterSeries」として送り出してきた。あくまでこれは私の憶測だが、4Kチューナーを内蔵するには、あまりにスケジュールがタイトになるため、この年末は製品化を見送り、画質最優先で戦おうという戦略のように思える。

このタイミングで4Kチューナーが内蔵できないのは残念だが、A9Fシリーズ、Z9Fシリーズの画質には見るべきものがある。同シリーズには8Kのフルスペック映像の処理も視野に入れた高性能プロセッサー、「X1Ultimate」が投じられ、テレビとしての表現力は大幅に向上している。

■ソニー<ブラビア>の主なラインアップ

東芝

国内でいち早く新衛星放送用の4Kチューナー内蔵モデルを投入/地デジ全録も特徴

今年の2月、東芝映像ソリューションは、中国・ハイセンスグループ傘下に入り、レグザの開発にも少なからず影響が及ぶのではないかと思われていたが、現段階では従来の 路線がそのまま踏襲され、新製品も順調に送り出されている。

4Kレグザの最大の特徴は、全機種に新4K衛星放送用チューナーが内蔵されていることだ。同放送では現行のB-CASに代わって、ACASという新方式が採用されたが、最終の仕様が決まるのが遅れ、これがチューナー内蔵の足かせになっていた。そこで、東芝では早々にバージョンアップによる対応を模索し、チューナーの内蔵化を実現。今年の6月以降に発売された4Kテレビ、全機種、同チューナー内蔵という快挙を成し遂げたというわけだ。

■東芝<レグザ>の主なラインアップ

パナソニック

現行で4Kチューナー内蔵モデルはないが来年早々の投入を予告

現在、パナソニックのビエラには、ソニーのブラビア同様、新4K衛星放送用チューナー内蔵モデルは存在しない。同放送用チューナーを内蔵し、4K録画が可能なBDレコーダー、DMR-SUZ2060をいち早く製品化しており、4K放送はぜひ録画して楽しんでほしいという同社のメッセージを感じないではない。

ただ、やはりテレビ市場を牽引するビッグブランドとして、放送開始までに対応チューナー内蔵モデルを用意できなかったのは、残念。ソニーとの違いは、新4K衛星放送チューナーを内蔵した4Kビエラを2019年の1月から順次発売すると、公言していること。ビエラの画質、操作性が気に入っていて、新4K衛星放送もビエラで楽しみたいという人は、しばしお待ちを。

■パナソニック<ビエラ>の主なラインアップ

フナイ

タッグを組んだヤマダ電機で有機ELから液晶テレビまで独占販売

昨年、大手家電量販店、ヤマダ電機とフナイとの間で、国内独占販売契約が結ばれ、FUNAIブランドの家庭用テレビが11年ぶりに復活した。ヤマダ電機側からの要望にこたえて開発されたオリジナルモデルで、各モデルの個性が光る。

今季のラインアップには4Kチューナー内蔵モデルはないが、最近では珍しく録画用のHDDを内蔵し、3チューナーによる視聴しながらのダブル録画を実現している。

そして、メジャーブランド限定だった有機ELテレビをラインアップ化したことも大きな話題だ。開発陣には国内のテレビメーカーをスピンアウトした技術者が少なからず存在しており、今回の有機ELテレビについても彼らの技術、ノウハウが生かされているはずだ。

■フナイの主なラインアップ

三菱

伝統のBDレコーダー内蔵タイプなど4Kチューナー搭載モデルが登場

ターゲットを国内に絞り、販売ルートも限定しながら、慎重にビジネスを展開している三菱のテレビ事業だが、新4K衛星放送用チューナー内蔵モデルの登場をきっかけに、一気に存在感を増している。

スタンダード機のXS1000、BDドライブとHDDを搭載したRA1000ともに、4Kチューナーはダブル仕様で、4K番組視聴中でも、ほかの4Kチャンネルの録画が可能。上級機のRA1000については、地デジ/BS/110度CS用チューナーはトリプル仕様で、視聴中の2番組の録画も可能だ。2年ほど前、三菱は、赤色レーザーをバックライトに採用したLS3シリーズを製品化して我々を驚かせたが、今回は東芝に次いで4Kチューナーを内蔵し、注目を集めている。

■三菱<リアル>の主なラインアップ

大画面テレビで気になる転倒対策はどうなっている?

4Kや8K対応や有機ELパネル搭載で、ますます大画面化、薄型化が進むテレビだが、このところ増える傾向にある地震などへの備えも気になる。

各社の対応を見ると、設置面に独自構造で吸着するスタンドを装備したり(パナソニック・FX750シリーズ)、電気用品安全法で定められている転倒角度を上回る耐転倒設計を施したり(三菱・RA1000シリーズ)と、安全性への意識は着実に高まりつつある。カタログなどで事前に確認しておこう。

三菱では本体とスタンド部を金属で結合することにより、法定の耐転倒性能を上回る設計を実現。

解説/藤原陽祐(AV評論家)

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特選街web編集部

1979年に創刊された老舗商品情報誌「特選街」(マキノ出版)を起源とし、のちにウェブマガジン「特選街web」として生活に役立つ商品情報を発信。2023年6月よりブティック社が運営を引き継ぎ、同年7月に新編集部でリスタート。

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