テレビやBDレコーダーにつなぐ録画用HDDの特徴は高耐久性にあるが、AV家電と録画用HDDの組み合わせは慎重に選ばないと、つないでも動かないという事態に遭遇しがち。この記事ではバッファロー/アイ・オー・データ/エレコム/東芝の対応メーカーを一覧にした。選ぶときの参考にしてほしい。
テレビ録画用HDDは高い耐久性が必要
年末年始のテレビは特番が多かったので、テレビ用HDD(ハードディスクドライブ)やBDレコーダーの内蔵HDDの空き容量が乏しくなっているという人も多いのではないだろうか。今回は、テレビやBDレコーダーにつなぐ録画用HDDを比べるとともに、録画用HDDの現状を見ていこうと思う。
近年のテレビは、外付けHDDをUSBで接続し、番組録画できるものがほとんど。BDレコーダーも、USB接続でHDDを増設できる機種が多い。接続できるHDDは1台だけというメーカーもあるが、LGのテレビのように、複数のUSB端子を持ち、それぞれにHDDを接続できたり、東芝、三菱、フナイのテレビのようにUSBハブを使って4~8台のHDDを接続できたりする製品もある。いずれにせよ、外付けHDDでトータルでの録画時間を延ばすことができるわけだ。今後は、4K番組の録画も当たり前になるが、4K番組は1時間でおよそ15Gバイト程度の容量を消費するので、接続するHDDも大容量が求められる。
録画用HDDは、「データを読み書きする」という点ではパソコン用HDDと同じで、事実、録画用HDDはすべて、Windowsパソコンで使うことができる。東芝のHD-EHシリーズは、AV家電メーカーが販売する純正HDDであるが、最初から「テレビ/パソコンどちらでも使える」とうたっている。
では、あえて「録画用」をうたう製品は、どんな特徴を持つのか。最大のポイントは、高耐久性だ。AV家電には“全録”対応機のように24時間稼働し続けるものもあり、耐久性が求められる。例えば、アイ・オー・データのAVHD-URSQシリーズでは、搭載するドライブの耐久性が高く、冷却機能や電源回路の設計も耐久性を重視したものになっている。
多くのHDD製品は冷却ファンを搭載しているが、ファンの音は番組視聴のじゃまになることも多い。その点を考慮したのがエレコムのELD-ETVシリーズで、冷却性能を維持しつつ、ファンレスを実現している。
●大容量モデルのほうが割安になるが1T~2Tバイトのモデルは、東芝の純正HDDが最廉価
SQV対応や「引っ越しサービス」にも注目
テレビ録画に最も向いているのは、アイ・オー・データのAVHD-URSQシリーズや、表にはないが、バッファローのHDV-SQU3/VCシリーズのように、SeeQVault(以下、SQV)に対応した製品である。通常、録画用HDDは、接続したテレビやレコーダーと1対1でひもづけされており、録画済みのHDDを別のテレビやレコーダーにつないでも録画した番組の再生はできない。しかし、SQV対応のテレビやレコーダーに、SQV対応のHDDをつないだ場合のみ、別のテレビやレコーダーにつなぎ替えても再生が可能となる。
また、どのHDDでも、故障したら、そこに保存してある番組が見られなくなるわけだが、バッファローのHD-LDS-Aシリーズは、同社製品の特徴でもある故障予測サービス「みまもり合図」に対応し、HDDの異常を感知すると、LEDで通知を出す。さらに、この春から実施する「録画番組引っ越しサービス」(有料)を利用すれば、壊れそうなHDDに保存されている番組を、新しいHDDに移し替え、ユーザーの手元に戻してもらえる。つまり、この製品を使えば、録画番組消失の可能性を極限まで低減できるのだ。
AV家電と録画用HDDの組み合わせはかなりシビアで、無頓着にHDDを選ぶと、つないでも動かないという事態に遭遇しがち。表には、HDDメーカー側が発表している対応メーカーを載せたが、テレビやレコーダーメーカーも接続可能なHDDのリストを発表しているので、必ずそちらを確認してからHDDを購入してほしい。
※価格は記事作成時のものです。
●解説/福多利夫 (フリーライター)