ソニーのコンデジ「 DSC-HX99」をテストした。ポップアップ式有機ELファインダー、RAW記録や瞳AF搭載など、ミラーレス一眼並みの本格仕様・機能を持つのが特徴だ。超望遠までカバーしながらシャツポケットに収納できる携帯性の良さも魅力。ファインダーと望遠端700ミリ相当以上のレンズを搭載するコンデジとしては世界最小だ。
コンパクトデジカメ
ソニー DSC-HX99
実売価格例:6万1550円
プロフィール
広角24ミリから超望遠720ミリ相当までをカバーする高倍率ズームレンズを搭載。ファインダーと望遠端700ミリ相当以上のレンズを搭載するコンデジとしては、世界最小だ。4K動画撮影も可能で、新たにRAW形式での記録も実現した。
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操作ボタンはモニター右側に配置
SPEC●撮像センサー/1/2.3型 Exmor R CMOS●有効画素数/約1820万画素●レンズ/ZEISSバリオ・ゾナーT*、F3.5-6.4●画角/24-720mm(35ミリ判換算)●光学ズーム/28倍●液晶モニター/3.0型(92万1600ドット)●ファインダー/0.2型電子式(OLED、63万8400ドット)●ISO感度/80-6400(拡張)●記録メディア/MSマイクロ、MSマイクロ(Mark2)、microSD/SDHC/SDXC●電源/充電式専用バッテリー●サイズ/幅102.0mm×高さ58.1mm×奥行き35.5mm●重量/242g
ポップアップ式有機ELファインダーを搭載
ソニーから、コンデジのDSC-HX99、XW800、WX700が同時発売された。どのモデルも、28倍(※)の光学ズームを搭載した小型軽量なカメラである。
※CIPA(カメラ映像機器工業会)の新ガイドラインに基づいた倍率表示。従来だと30倍。
その中で、最もハイスペックなのが、ここで取り上げるHX99である。このモデルのみ、ポップアップ式の有機ELファインダーを搭載。前面のレンズ周囲には、各種の機能割り当てが可能なコントロールリングを装備している。
HX99の前身はHX90Vで、このモデルも、ポップアップ式ファインダーやコントロールリングを搭載し、外観やサイズ、重量もほとんど同じである。
だが、HX99は、新たにRAW形式での記録が可能になり、タッチパネルも採用され、瞳を検出してピントを合わせる瞳AF機能も搭載された。このように、基本的な仕様や機能のハイレベル化が図られている。
30倍近い光学ズームやファインダー、またチルト式可動モニターまで搭載していれば、小型軽量といっても、ある程度のボリュームや重量感は覚悟する。だが、本機は本当に小さくて軽快に使える。
ISO感度を抑えめにすれば画質的にも納得
ポップアップ式の有機ELファインダーは、スイッチによるファインダーの出し入れとは別に、接眼部を手動で引き出す手間が必要だ。それでも、アイセンサー対応の高精細ファインダーを搭載していれば、明るい場所での視認性の確保や、撮影姿勢の安定が実現できる。
光学28倍ズームのレンズ描写も、広角端から望遠端までけっこう安定している。センサーサイズが1/2・3型と小さいので、1・0型センサー機のような高画質を望むのは酷かもしれない。だが、超望遠域までカバーしながら、シャツの胸ポケットに楽に収納できる携帯性のよさは大きな魅力。
高倍率機は、状況によってはブレ発生の危険性も生じるが、IOS感度を抑えめにして(個人的にはISO800以下を推奨)撮影すれば、画質的にも納得できる“迫力の超望遠写真”が堪能できるだろう。
ISO400・1/200秒でアップでとらえる
ここが〇
小型軽量で超望遠までカバーし、ファインダーも搭載。RAW記録や瞳AF搭載など、ミラーレス一眼並みの本格仕様・機能を持つ。
ここが×
手ブレ補正機能はあるが、超望遠域では手ブレが心配(1/100秒以下は危険)。小型ゆえに、背面右手側のボタン配置に窮屈感がある。
解説/吉森信哉 (フォトグラファー)
〇価格は記事作成時のものです。