先日、じっくりテストしてひどく感心した髭剃り(電気シェーバー)があります。泉精器製作所(以下 泉精器)の4枚刃シェーバー(IZUMI 4枚刃 IZF-V758)です。それは、古きよき日本のモノ作りのよさと、悩みが見え隠れするモデルでした。

知名度はないが技術力がピカイチの泉精器

日本の中小企業はよく「技術力があるのにブランド力がない」と言われます。
特に国内では、日立、パナソニック、三菱が、きちんとした品質の家電を市場に送り続けています。製品の品質向上には「技術力」が必要ですが、品質維持は「人間力」が必要です。
日本は、この2つを磨き続けて、世界の頂点に立ったわけで、この2つが日本を引っ張り上げたのです。人なくして、今の日本は成り立ちません。

ここでやはり難しいのは、品質維持です。
規模が大きくなれば、なるほど維持しにくくなります。理由は「人のレベル」です。
日本は教育水準が高いので、「ちょっと出来が悪い」位ですみますが、海外だとそうは行きません。同じ視線でモノを見ることができない人も大勢います。
このため、価値観の塊のようなブランド品、高級品と言われる製品は、皆とは言いませんが、小さな会社が作っている場合が多いです。

そんな意味で、総合家電メーカーが、未だに多数生き残っており、高品質を維持した製品を作り続けている日本という国は、やはり世界的にはかなり特殊です。
このため、日本の場合、多くの中小企業は、大手メーカーの下請けという道を選びますが、世はデジタル&グローバル時代。デジタルは、中国でも同様の品質で作ることが可能ですから、日本の中小企業が生き抜くためには、何か特殊な「アナログ技術」が必要とされます。

長野県にある泉精器は、幾つか大きな技術を持っていますが、その中に「加工刃」があります。
シェーバーの刃です。
刃は、アナログな技術の集大成的な所があり、日本、ドイツなどが得意とします。
昔、セイコーがシェーバーをやっていた頃、泉精器はセイコーに加工刃を収めていたそうですが、セイコーがシェーバーから撤退したとき、自社ブランド『IZUMI』を立ち上げたそうです。

安いモデルで勝負に出た

家電で「負けてはいけない」とされる分野は、「テレビ」「冷蔵庫」「洗濯機」「エアコン」です。
しかしテレビで失敗して、日本の家電メーカーがガタガタになったのはついこの間のこと。

ここまで売りは大きくないですが、抑えておけば確実に儲かる分野が、「照明」「理美容」です。
理美容は医療、健康に通じる技術なので、大手メーカーが抑えにきます。
シェーバーは、「日立」「パナソニック」「フィリップス」「ブラウン」が、四天王。つば迫り合いを演じています。そんな中、知名度のない、新ブランド『IZUMI』で打って出たわけです。

しかし、大手と違い広告宣伝費がかけられないメーカー。安いモデルから入って行かざるを得ませんでした。

ミルスペック(MIL規格)とは?

刃の品質がいい IZUMI のシェーバーですが、大手メーカーもそう簡単に座を明け渡しません。
第一、日本のユーザーは「イイ家電は当たり前」「世界的にはお金持ち」。その上、シェーバーは直接肌に触れる製品ですので、知名度のない IZUMI は中々振り向いてもらえません。

ならば「実力をビジュアルで見てくれ」と、認証を取りに行ったのがミルスペックです。
ミルスペックとは、正式名称を、United States Military Standardといい、米軍が必要とする物資を調達する時に、その物資が満たさなくてはならない必要なスペックのことを指します。

要するに、「戦場でも使える高いスペック」という意味で、家庭用と全く違うレベルです。ミルスペックは多岐に渡り、いろいろなテストがありますが、泉精器のシェーバーはその内の13項目のテストにクリアしたのです。

画像: ミルスペック(MIL規格)とは?

項目は「防水」「防湿」「温度耐久」「低圧対応」「耐振動」「耐衝撃」です。
当然、開発時にテストする項目は、テスト内容が超ハードです。
例えば、49℃で連続2時間の動作テストを行いますが、「そんな暑いところでだれもヒゲを剃ろうと思わんで!」と突っ込みを入れたくなります。
耐衝撃の40Gというのは、200km/hrでコンクリートの壁に激突した時の衝撃と一緒だそうで、「運転手が病院送りになっても、正常に動作するシェーバーって何?」と言いたくなってしまいます。

しかし、ルイ・ヴィトンのようなバッグにせよ、カルチェのような時計にせよ、元々は、「どこでもタフに使える」ということでステータスを築いたわけですから、泉精器の手法は間違ってはいないわけです。

1万円を切る価格帯ではおすすめ

「IZUMI 4枚刃 IZF-V758」を使ってみるとすぐ感じられるのは、ミルスペックのハードさではなく、繊細さです。
刃の当たりは実に柔らかく、剃り負けする人でも大丈夫です。タフな所を活かし、お風呂場でも使えます。バッテリーもよく、一週間位の旅行なら充電器は要りません。
また、ヒゲトリマー、置きスタンドなどもよく考えられて作られており、使い勝手もいい。剛柔併せ持つ感じのいいシェーバーです。

IZUMI 4枚刃 IZF-V758

画像: IZUMI A-DRIVE グルーミングシリーズ 往復式シェーバー 4枚刃 オレンジ IZF-V758-D


IZUMI A-DRIVE グルーミングシリーズ 往復式シェーバー 4枚刃 オレンジ IZF-V758-D

その上、お値打ち価格。どこで買っても一万円を切るでしょう。
私はこれまで、さまざまなシェーバーをテストしてきましたが、正直、一万円前後の価格帯の製品は「安かろう悪かろう」という商品が多いのが現実でした。しかし、この『IZUMI 4枚刃 IZF-V758』は、おすすめの逸品です。

◆多賀一晃(生活家電.com主宰)
企画とユーザーをつなぐ商品企画コンサルティング ポップ-アップ・プランニング・オ
フィス代表。また米・食味鑑定士の資格を所有。オーディオ・ビデオ関連の開発経験があ
り、理論的だけでなく、官能評価も得意。趣味は、東京散歩とラーメンの食べ歩き。
生活家電.com
http://www.seikatsukaden.com/

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