あおり運転への危機感からドライブレコーダー(ドラレコ)が販売台数を伸ばしている。中でも人気を集めているのが、前後の状況を同時に記録する「2カメラ型」モデル。一方注目なのが「360度カメラ型」モデルだ。2つの特徴や違いを表で比較したので参考にしてほしい。
前後2カメラや360度タイプに新機種が続々登場!
ドライブレコーダー(以下、ドラレコ)が、順調に販売台数を伸ばしている。JEITA(電子情報技術産業協会)によると、昨年は年間を通じて出荷台数を前年比で伸ばしたほか、昨年末には在庫が尽きたカー用品店も現れるほどで、ドラレコに対するユーザーの関心は依然として高い。
この要因は、いうまでもなく社会問題化している“あおり運転”への危機感だろう。急発進や車線変更を頻繁に行っているドライバーは多く、日常の運転で怖い経験をした人も少なからずいる。
前後2カメラタイプに注目が集まる
そんな中、ドラレコで人気を集めているのが、前後の状況を同時に記録する「2カメラ型」のモデルだ。昨年以降、各社から対応機種が相次ぎ登場し、価格も以前に比べてグッと安くなった。実は、2カメラ型といってもタイプが大きく二つに分けられ、二つのカメラが「前方と車内」「前方と後方」という組み合わせがある。前者は主として業務用途で、あおり運転に有効なのは主に後者となる。今回は、前後2カメラタイプを中心に取り上げていこう。
2カメラ型は、後方が撮れるのがメリットだが、当然ながらリアカメラの取り付けや前後をつなぐ配線が別途必要となり、手間がかかるのがデメリット。もちろん、価格も単体タイプよりも高めだ。
データシステム DVR3100
2カメラドライブレコーダー
DVR3100
周囲を360度にわたって一挙に撮影!
そして、もう一つ注目なのが、「360度カメラ型」だ。価格もこなれてきて、店頭では人気も上がっているようだ。一台のカメラで周囲すべてを撮影できるため、取り付けは1ヵ所で済むメリットがある。ただし、カメラがリアウインドウから離れるため、クルマの後方はうまく映らない。
それぞれの特徴は表のとおりだが、一言でいうと、前後撮影の確実性を求めるなら2カメラ型。取り付けの簡便さや車両へのいたずら対策も考えれば360度カメラ型となる。
2台のカメラを使うので配線が煩わしいが、それぞれのシーンを鮮明に撮影できる。
コムテック HDR360
360度全方向対応ドライブレコーダー
HDR360G
「前後2カメラ」と「360度カメラ」の主な違い
前後2カメラモデル | 360度カメラモデル | |
---|---|---|
前後のクルマのナンバーを読み取れるほど、 鮮明に撮影できる。 |
撮影範囲 | 側面や車内も撮影できるが、後方車ナンバーは 読み取れない。 |
2つのカメラを取り付けるため、配線の引き 回しに手間がかかる。 |
取り付け | 一台で完結するので、取り付ける手間は、前方用 ドラレコと同じ。 |
取り付けには内装をはがす手間がかかり、 取り付け工賃はかさむ。 |
コスト | 本体価格が2カメラモデルよりも高め。一方で取 り付け工賃は安い。 |
解説/会田肇 (自動車評論家)撮影/河野公俊