【無塩料理のレシピ】減塩よりおいしい!むくみが取れた!と大人気

私が主宰する野菜料理教室では、今「塩ゼロ料理」が大人気です。病院で「減塩」を指導されてもなかなか実践が難しいものです。「少しの塩味」はどうしても物足りなく感じるからです。むしろ塩を使わず、発酵食品や乾物、野菜の旨みを利用したほうが満足できる味になります。【料理・解説】庄司いずみ(野菜料理家)【栄養計算】緑川鮎香(管理栄養士)【スタイリング】北舘明美

解説者のプロフィール
「塩ゼロ」でも旨みが増す3つのポイント
きのこボールスイートチリソース添え
コーン入りおいなりコロッケ
切り干し大根・干しシイタケ・高野豆腐のサラダ
乾物入り豆腐バーグ大根おろしソース
揚げネギの根菜グリル
エリンギステーキ納豆ソース
塩ゼロトマトソース
塩ゼロトマトソースの活用料理その1トマトカレー
塩ゼロトマトソースの活用料理その2トマトパスタ
塩ゼロトマトソースの活用料理その3トマトドレッシングの野菜サラダ
カブのピクルス
紫タマネギのマリネ

解説者のプロフィール

庄司いずみ(しょうじ・いずみ)
野菜料理家。日本ベジタリアン学会会員。かんぶつマエストロ。レシピ本や雑誌、テレビ、ブログなどで野菜料理を紹介。主宰する『庄司いずみベジタブル・クッキング・スタジオ(http://shoji-izumi.tokyo)』の野菜の料理教室も人気。

「塩ゼロ」でも旨みが増す3つのポイント

ポイント(1)「味出し食材」を活用する

旨み成分が豊富なキノコ類や乾物、納豆は、塩味がなくてもおいしくいただけます。ネギやショウガ、ニンニク、香菜(パクチー)などの香味野菜を使うと、物足りなさを感じません。トマトの旨み成分は、加熱すると増加するので、煮込み料理などに活躍します。

ポイント(2) 調味料を選ぶ

酢は、旨み成分が豊富な発酵食品。加熱すると酸味が飛んで、旨みだけが残ります。トマトを煮詰めて濃縮したトマトペーストは、ケチャップがわりに使えます。レモン汁やカレー粉、スパイスは、味にアクセントをつける名役者です。

ポイント(3) 調理法を工夫する

グリルやフライパンで焼くと食材の水分が飛び、旨みが濃くなります。こうばしい焼きめをつけると、食べごたえも出ます。

※以下レシピでは、豆腐や野菜に微量のナトリウムが含まれているため、塩分量が0でない場合があります。

私が主宰する野菜料理教室では、今、「塩ゼロ料理」が大人気です。教室で塩ゼロ料理を作って試食し、夕食分も持ち帰ってもらいます。すると翌日、「むくみが取れました」「血圧が下がりました」という報告が数多く届くのです。

病院で「減塩」を指導されても、なかなか実践が難しいものです。「少しの塩味」は、どうしても物足りなく感じるからです。むしろ塩を使わず、発酵食品や乾物、野菜の旨みを利用したほうが、満足できる味になります。

一日一食を塩ゼロにしたり、献立の一品を塩ゼロにしたりすると、一日のトータル塩分摂取量を調整できます。ぜひ、食生活に取り入れて役立ててください。

きのこボールスイートチリソース添え

《キノコの香りと風味で大満足》

【材料】(2人分)
シイタケ…8枚(160g)
タマネギ…1/2個(100g)
ニンニク…2片(20g)
ショウガ…2片(20g)
油…小さじ2、揚げ油…適量
クレソン…適量
Ⓐ小麦粉、片栗粉…各大さじ1
Ⓑ唐辛子…2本(粗みじん切り)
メープルシロップ…小さじ2
酢…大さじ2

【作り方】
❶シイタケは粗いみじん切りにする。
❷タマネギも粗いみじん切り、ニンニクとショウガはみじん切りにする。
❸フライパンに油を熱して(2)を炒め、タマネギが透明になったらボウルに移す。
❹(3)に(1)とⒶを加えて混ぜて8等分し、団子状にする。
❺170～180度の揚げ油で、(4)をこんがり揚げる。
❻(5)を盛りつけ、クレソンを飾る。Ⓑを混ぜ合わせたスイートチリソースをつけていただく。

コーン入りおいなりコロッケ

《油揚げの衣がサクサクで美味》

【材料】(2人分)
ジャガイモ…300g
タマネギ…40g
ニンニク…2片(20g)
ホールコーン(冷凍か缶詰)…40g
油揚げ…2枚、油…適量
粗挽き黒コショウ…小さじ1/2
Ⓐキャベツ…1枚(50g)
タマネギ…1/4個(50g)
ニンジン…小1/2本(50g)
Ⓑトマトペースト…大さじ3
メープルシロップ…小さじ1
レモン果汁…小さじ1/2
おろしニンニク…小さじ1/4弱

【作り方】
❶ジャガイモは皮をむいて一口大に切り、蒸してつぶす。
❷タマネギは粗いみじん切り、ニンニクはみじん切りにする。
❸フライパンに油を熱して(2)とコーンをサッと炒めて(1)に混ぜ、コショウを振り入れる。
❹油抜きした油揚げを半分に切って袋状にして裏返し、(3)を4等分にして詰め、俵型に整える。
❺(4)を250度のオーブンで10分、カリッとするまで焼く。
❻(5)を皿に盛りつけ、せん切りにして合わせたⒶを添える。混ぜ合わせたⒷをつけていただく。

切り干し大根・干しシイタケ・高野豆腐のサラダ

《旨みが凝縮!箸が止まらない》

【材料】(2人分)
切り干し大根…20g
干しシイタケ…1個(5g)
水…160ml、高野豆腐…1枚
ゴマ油…小さじ2
セロリ…60g(せん切り)
紫タマネギ…50g(薄切り)
ルッコラ…50g(ざく切り)
ラディッシュ…4個(薄切り)
Ⓐレモン汁、米油…各小さじ4
おろしニンニク…小さじ1/2
Ⓑレモン汁…40ml
パクチー…20g(みじん切り)
おろしニンニク…小さじ1/4

【作り方】
❶干しシイタケを分量の水で戻してしぼり、薄切りにする。戻し汁は取っておく。
❷高野豆腐は水で戻し、小さくちぎる。
❸フライパンにゴマ油小さじ1を熱し、(1)のシイタケをさっと炒め、ボウルにあける。
❹(3)のフライパンに新たにゴマ油小さじ1を熱し、(2)を炒め、油が回ったら火を止めて、Ⓐをからめる。
❺(1)の戻し汁にⒷを混ぜる。
❻(3)のボウルに、さっと洗ってざく切りにした切り干し大根と(4)、セロリ、タマネギ、ルッコラ、ラディッシュを合わせ、(5)で和える。

乾物入り豆腐バーグ大根おろしソース

《レモンの酸味が食材の旨みを引き立てる》

【材料】(2人分)
木綿豆腐…1丁(300g)
切り干し大根…20g
大根…200g、青シソ…2枚
白すりゴマ…大さじ2
片栗粉…大さじ2、油…適量
レモン…適量

【作り方】
❶豆腐は水切りしておく。切り干し大根は洗ってざく切りにする。
❷大根はすりおろす。
❸(1)とすりゴマ、片栗粉を混ぜて2等分し、ハンバーグ型にまとめる。
❹フライパンに油を熱し、(3)の両面を色よく焼く。
❺(4)を盛りつけ、(2)の大根おろしと青シソ、くし切りにしたレモンを添える。大根おろしにレモンをたっぷりしぼり、ハンバーグにのせていただく。

揚げネギの根菜グリル

《ネギのこうばしさで野菜の甘みがアップ》

【材料】(2人分)
ネギ…大1本(120g)、揚げ油…適量
キャベツ…200g、ニンジン…100g
タマネギ…100g、カボチャ…100g
カブ…100g、レモン…適量

【作り方】
❶ネギをみじん切りにし、160〜170度の油でこんがりと色づくまで揚げる。キッチンペーパーに取って油を切る。
❷キャベツは葉が離れないように、芯を残して大きめに切る。ニンジンとタマネギは1cm厚さの輪切り、カボチャは1cm厚さのくし切り、カブは一口大のくし切りにする。
❸(2)の野菜をグリルパンでこんがりと焼く。
❹(3)に(1)をまぶしかけ、器に盛りつける。レモンをしぼっていただく。

エリンギステーキ納豆ソース

《ゴマの風味がきいた上品な味》

【材料】(2人分)
エリンギ…2パック(200g)
小麦粉…適量、ゴマ油…適量
Ⓐひきわり納豆…1パック(40g)
ゴマ油…小さじ1
白すりゴマ…小さじ1
ネギ…10g(みじん切り)
豆乳…大さじ1

【作り方】
❶エリンギは1cm厚さで縦に切り、格子状に切れめを入れる。
❷(1)に小麦粉をはたきつける。
❸フライパンにゴマ油を熱して(2)を焼き、両面に焼きめがついたら器に盛りつける。
❹Ⓐを混ぜ合わせてソースにし、(3)にかける。

塩ゼロトマトソース

《煮詰めるだけで便利に使える!》

【材料】作りやすい分量(約600ml分)
タマネギ…90g、ニンニク…2片(20g)
オリーブオイル…90ml
ホールトマト水煮缶…3缶(1200g)

【作り方】
❶タマネギとニンニクはみじん切りにする。
❷フライパンでオリーブオイルを熱し、(1)を炒める。タマネギが色づいてきたらホールトマトを加え、ヘラなどでつぶす。
❸20分ほど煮込み、半量程度になって、とろみがついたら出来上がり。

塩ゼロトマトソースの活用料理その1トマトカレー

《カレー粉の香りでご飯が進む》

【材料】(2人分)
塩ゼロトマトソース…200ml
ニンジン、タマネギ、インゲン…各100g
ニンニク…2片(20g)
オリーブオイル…適量
カレー粉(塩を含まない物)…小さじ2
ご飯…2膳分(300g)

【作り方】
❶ニンジンとタマネギは一口大の乱切り、インゲンは食べやすい長さに切る。ニンニクは薄切りにする。
❷鍋にオリーブオイルを熱して、(1)を炒める。
❸野菜がしんなりしてきたら、塩ゼロトマトソースを加える。
❹野菜がやわらかくなるまで煮込み、カレー粉で風味をつけて火を止める。器にご飯と盛りつける。