【選び方】4K時代のプロジェクターのおすすめ エプソンとソニーの最新機種に注目

家電・AV

来年の東京オリンピック開催などのため、薄型テレビの需要が伸びている。特に40V型クラス以上の4Kテレビが大きく売り上げを伸ばしているが、50V型、60V型クラスの大画面モデルも価格が手ごろになってきており、人気が高まっている。4Kや8K映像は解像度が高いため、より大きな画面の方が高精細さを実感できるのだ。70V型以上の特大画面も気になるが、そのくらいのサイズになると価格は現実的ではなくなってしまう。そこで注目したいのが4K/HDRに対応したプロジェクター。そのメリットとデメリットを解説し、映画館のような大きな画面を楽しめるプロジェクターの最新モデルを紹介しよう。

プロジェクターのメリット

使わないときは片付けることが可能。実は省スペース。

プロジェクターは、映画館の映写機と同じようにスクリーンに映像を投影する仕組みのディスプレイだ。
家庭用プロジェクターも、投影するスクリーンや部屋の壁などからある程度の距離(100インチならば2~3mくらい)をとって設置する。
プロジェクターのサイズ自体は高級機を除けば比較的コンパクトなサイズのモデルが多く、使いたいときは片付けておけるので邪魔になりにくい。
薄型テレビは70V型を超えるサイズになると、サイズもかなり大きくなるので、予算はあっても部屋に置けるかどうかが心配になる人もいるだろう。投射距離が短いモデルを選べば、6畳間で100インチも決して不可能ではない。大画面でも省スペースなのがプロジェクターなのだ。

テレビ放送などはスマホやタブレットなどで視聴することが多いので、ふだんはあまりテレビを使わない人にもプロジェクターがおすすめ。
週末などに大好きな映画やドラマ、スポーツ中継などを見るときだけ設置すればよく、薄型テレビ以上の大画面を手軽に楽しめるというわけだ。

プロジェクターのデメリット

TVチューナーなどは非内蔵。薄型テレビのような多機能ではない。

プロジェクターは、映像を投射する機能だけを持つモデルがほとんどで、TVチューナーなどを内蔵するモデルは少ない。
そのため、TV放送を見るならばBDレコーダーなどが必要になるし、動画配信サービスを見るならばApple TV 4KやAmazon Fire StickのようなSTBが必要だ。
そのため、再生機器の操作とプロジェクターの操作を複数のリモコンで使うことになるので、薄型テレビのように、ひとつのリモコンで何でもできるというわけにはいかない。
そのほかのネットワーク機能なども別途用意する必要があるので、機能性や使い勝手は薄型テレビに劣る。

そして、投影式のため、プロジェクターとスクリーンの間に人や物があると映像に影ができてしまう。
鑑賞時は、昼間ならばカーテンで外光を遮るなど部屋を暗くする必要があるなど、プロジェクター特有の問題もある。
プロジェクターも高輝度化が進んでいるので、映画館のように部屋を真っ暗にする必要はないが、照明を落とし、外光を遮断して部屋を薄暗くした方が、画面の明るさや色の鮮やかさがしっかりと出る。
投影するためのランプのウォームアップのため、電源を入れてもすぐに映像が出ない投射ランプは寿命があり、数年に一度くらいの間隔でランプ交換が必要など、使い勝手は薄型テレビのようにはいかない。

プロジェクターの設置

多少のコツがいる。スクリーン選択も悩みのタネ。

プロジェクターの設置やスクリーンの使用など、多少の慣れが必要な面もある。

まず設置だが、基本的にはスクリーンの真正面に置く。
そうしないと画面の形が歪んでしまうのだ。これに対応するために画像歪みの補正機能が備わっている。すなわち、プロジェクターをきちんと設置し、画面の形が歪む場合は補正を行う。こうした設置と調整の準備が必要になる。
慣れれば比較的簡単だが、テレビのように電源を入れれば映像が出るというわけにはいかない。面倒ならば設置場所を固定してしまえばいいが、その場合は邪魔になりにくいように天井吊りや部屋の高い場所に置くなど、置く場所をきちんと決める必要がある。

投射するスクリーンもいろいろなタイプがあり、画質に優れたものは価格も高いので選択は悩ましい。
80インチ前後のサイズならば比較的安価で、片付けも簡単な簡易型スクリーンがあるのでそれを検討するといいだろう。

一番手軽な方法は、部屋の壁に投射する方法だ。
なるべく模様のない白系の壁ならばスクリーンとして使える。壁紙の色や模様がついている場合は、壁に白いシーツなどの布を張るという方法も比較的コストは安い。
布地を使う場合は、皺がよらないようにきれいに壁に張る必要がある。これも設置に少々手間がかかる。まずは、部屋の壁に直接投射してみて、気になるようならばスクリーンの導入を考えるといいだろう。

DLPプロジェクターのおすすめ

10万円台で4K/HDR対応。価格も魅力。

ここからはおすすめのプロジェクターを紹介。
まずは、DLPプロジェクター。
これは、映画館の映写機としても数多く使われているプロジェクターだ。ここのところ、10万円台で4K/HDRに対応したモデルが数多く登場しており、注目度を高めている。
単板式DLPプロジェクターは色割れ現象(カラーブレイキング。素早く目を動かしたり、まばたきをすると赤や緑の光が見えてしまうことがある)という問題があるほか、低価格なモデルでは投射距離が長めで、設置調整のための機能もシンプルなため、設置場所の自由度が低いという弱点もある。
とはいえ、10~30万円ほどの価格で100インチ級の大画面が実現できると考えると、4Kテレビよりも格段に安価だ。設置の問題については、販売店などでよく相談するといいだろう。

おすすめモデルは、ViewSonicの「PX-727-4K」。
実売価格は13~15万円ほど。0.47型のDMD素子を採用し、画素ずらし技術によって4K解像度を実現したモデル。最高輝度は2200ルーメンで明るさも十分だし、色鮮やかな映像を特大画面で楽しめる。
前述のように、投射距離はやや長め(100インチで約3.25~3.90m)で、図形歪み補正も台形補正機能しかないので、使い勝手は少々劣るが、価格の安さは大きな魅力だ。

ビューソニック
DLPプロジェクター
PX-727-4K

ViewSonic PX-727-4K

次は、同じDLPプロジェクターのJVC「LX-UH1」。
こちらも0.47型DMD素子を使ったDLPプロジェクターだ。
実売価格は25万円ほどと、やや高価になるが、レンズシフト機能や1.6倍のズームレンズを備え、設置の自由度を高めていることが特徴。
高級プロジェクターもラインナップしているJVCだけに、投射レンズも専用に開発しており、画質の点でも優れている。
明るさは2000ルーメンと十分で、色再現域もRec.709を100%カバーしており、色鮮やかな再現ができる。

JVC
DLPプロジェクター
JVC LX-UH1

JVC LX-UH1

液晶プロジェクターのおすすめ

液晶三板式で設置の自由度も高い。

液晶プロジェクターは、家庭用プロジェクターとしては主流となる液晶パネルを表示素子としたもの。
液晶パネルを三枚使って赤・緑・青の三原色ごとに独立して表示するため、色割れ現象が生じない。

おすすめモデルは、エプソンのEH-TW8400。
実売価格30万円ほどとなる。
投射位置を上下左右に移動できるレンズシフト機能や2.1倍の高倍率ズームを備え、設置場所の自由度が高いことが大きな特徴。家具などの配置のため、設置場所が限られる場合には有利なモデルだ。

EH-TW8400は、画素ずらし技術を使って4K解像度を実現するモデルで、液晶パネル自体も製造しているエプソンだけに、黒の再現性を高めるディープブラック技術を採用する。
映像の合わせて光量を調整する自動アイリス制御などの機能も盛り込まれており、高いコントラストを実現。4Kコンテンツを存分に味わえる本格的なプロジェクターだ。

エプソン
液晶プロジェクター
EH-TW8400

EPSON EH-TW8400

リアル4K解像度のおすすめプロジェクター

本格的なホームシアターを楽しみたいという人に向けたモデル。

最後のおすすめプロジェクターは、リアル4K解像度を実現したモデル。
パネル自体の解像度が4Kなので、より精密な映像の表示が可能。
こうしたモデルは高級機で、100万円を超える超高級機などもある。本格的なホームシアターを楽しみたいという人に向けたモデルだ。
画質は究めて優秀だし、レンズシフト機能なども充実している。ただし、サイズはやや大きくなるので、設置する場所の確保は難しくなる。天井吊りや専用のラックを用意するなど、常設して使う方が便利だ。

おすすめモデルは、ソニーのVPL-VW255。
実売価格は48万円ほどと高価になるが、リアル4K解像度のモデルとしてはもっとも安価なモデルだ。
上級機と同じ映像処理回路、投射レンズを使用しており、その実力は極めて高い。
オートアイリス機能を省略しているので、暗部の再現性などで上級機とは差があるが、暗室で使用するような本格的なホームシアターユースでなければその差はほとんどない。一般的な家庭環境で使うモデルとしては最高クラスの製品と言えるだろう。

ソニー
4K-3D対応プロジェクター
VPL-VW255

SONY VPL-VW255

まとめ

100インチ級の特大画面の魅力は大きい。テレビの買い換えを考えるならプロジェクターも検討を

プロジェクターは、薄型テレビとは使い勝手も異なるし、機能性を含めて薄型テレビと比較しにくい面もある。
大画面を実現するには有利な方式なので、70~80インチはもちろん、100インチを超えるような特大画面では価格も含めて魅力は大きい。
日常的に使うならば薄型テレビが便利だが、特別に好きな作品やスポーツ中継を楽しみなど、ここぞという時に使うならば、特大画面がより身近になる。
薄型テレビの買い換えを考えているならば、一度プロジェクターの導入も考えてみることをおすすめする。

◆鳥居一豊
オーディオ、AVの分野で活躍するAVライター。専門的な知識をわかりやすく紹介することをモットーとしている。自らも大の映画・アニメ好きで自宅に専用の視聴室を備え、120インチのスクリーン、有機ELテレビなどを所有。サラウンド再生環境は6.2.4ch構成。

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鳥居一豊(AVライター)

オーディオ、AVの分野で活躍するAVライター。専門的な知識をわかりやすく紹介することをモットーとしている。自らも大の映画・アニメ好きで自宅に専用の視聴室を備え、120インチのスクリーン、有機ELテレビなどを所有。サラウンド再生環境は6.2.4ch構成。

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