親友がMacオタクなので、パソコン関係はずっとMacを使ってます。Mac歴24年くらいですかね。だからスマートフォンはiPhoneです。今回は、そのiPhoneのケース。株式会社ニットーのヌンチャク系iPhoneケース「iPhone Trick Cover(トリック・カバー)」のレポートです。
ニットー「iPhone Trick Cover(トリック・カバー)」とは
ニットー「トリック・カバー」というと、知らない人の方が多いと思います。iPhone用の「ヌンチャクケース」と言うとわかる人がいるかもしれません。ヌンチャクは、あのヌンチャク。ブルース・リーが強敵に当たるとき使う必殺の武器です。独特の怪鳥音とヌンチャクアクションは当時の若者を魅了。当時の若者の3人に1人は持っていたのではないでしょうか。
トリック・カバーは、iPhoneを覆う、やや軟らかいの樹脂の本体ケースと、硬い樹脂のカバーからなるiPhone専用のケースです。使うときは、カバーをスライドさせ、操作面を出します。その時、カバーは本体に重ねられるので、邪魔になりません。
この本体ケースと自由に回転・移動するカバーにより、iPhoneをヌンチャクのように振り回すことができるという、ちょっと変わったケースです。振り回すと危ないようですが、そこは精密加工を持ってなる日本企業。噛み合わせがしっかりしているため、そんな事はありません。
ニットーは、金型加工など、金属加工を主体とする横浜の小さな会社です。2012年、トリックカバーのアイデアを引っ提げ、クラウドファンディング。そこで、大きな支持を受け製品化されたのが、トリックカバーです。
アイディアは、面白いところから出ています。
ペン回し、ジッポライターのトリックやバタフライナイフのアクションなどには、はっきり言ってその行為に意味はないけれど、ちょっとしたカッコ良さや遊び心があるじゃないですか。慣れたモノの癖ですね。その再現を狙ったとのこと。イイですよね。遊びゴコロ。
iPhone落とした
東京は、小さな街の集合体です。逆に言うと、1つの街にすべてのものが揃ってるわけではありません。隣街まで行くこともあったりして、移動も多いわけです。そんな時、自転車やスクーターが便利です(このごろ初乗りも高い!)。
ある日、私はスクーターに乗っているときに、どうもiPhoneを落としたらしいということに気づきました。気づいたのは午後8時。しかし、所用があり、午後10時までは身動きできません。しかも、よく考えてみると、iPhone自体は指紋認証なので、拾われて悪用されそうもないのですが、私はPASMOも、iPhoneにくっつけています。トリック・カバーを選んだのも、PASMOがはめ込めるからというのが理由の1つです。PASMOを悪用されると割と損害が大きい。それを防ぐためにも、iPhoneもいろいろな交通ICカードに対応してくれれば良いのですが、今のところ対応してくれません。
それはさておき、私はiPhoneとPASMOを紛失したわけです。
iPhoneの探し方
やっと用事が終わった午後10時過ぎ、すぐに交番に行きました。「パトロール中」の札があり、どうしようかと思いました。
とりあえず、近くの公衆電話から、自分のiPhoneへコールしてみると、まだ使える状態であることがわかりました。
ここで思い出したのが、iPhoneは落としたときに、「iCloudから探すことができる」という機能です。
まさか実際、使う時が来るとは思わなかった機能ですが、使ってみると、すぐに落とした場所が分かりました。今まで悩んでいたのが、嘘のようです。
ケースは壊れてたが、iPhoneは無傷
私のiPhoneが落ちていた場所は、ほぼ90度の直角カーブでした。しかし、交差点ではないために、それなりのスピードでみんな走りぬけて行くカーブでした。舗装は荒れていて、あまりいい感じのカーブではありません。コーナリングの時、かなりガタガタする感じがする場所です。
とにかく、回収しに行きました。
行くと、黒光りするアスファルトの上に、まず見つかったのがスライドカバーでした。とにかく、探索情報が間違ってないことにホッとしました。スライドカバーは、何回か車に踏まれたらしく、サイドのところがむしり取られたように折れていました。
本体の方は、どのようになっているのか、ドキドキします。それから30秒後、iPhoneとケースを見つけました。こちらは、ほぼ傷なく、嵌め込んであるPASMOもそのままに見つかりました。
落とした瞬間に、そのショックを、ケースとスライドカバーが外れることにより本体ケースの軟らかい樹脂で衝撃を吸収。硬いカバーはギリギリまで画面を守りますし、本体ケースはiPhoneを包み込むような形でホールディングしてますので、iPhoneはほぼ無傷だったのです。
ケースの役目は、たとえ自分がダメになっても、中のものを守ることにあります。典型的な例は、輸送箱として使われる段ボールです。中のものを守るために、箱はダメになっても構わない。それが重要です。
とは言うものの、走ってるバイクから落ちて、それでもiPhone本体は傷1つなかった。しかも自分のですから。実に驚異的なことです。使われている「対ショック性」に富む樹脂の強度からいうと、ある意味当たり前でもあるかもしれませんが、それをきちんと生かした設計ができてないと、このような状態にはなりません。ニットーの良い仕事に助けられたわけです。裏切らない仕事は、「made in Japan」の誉です。
少なくとも私の危機は、トリック・カバーで回避することができました。
made in Japan =高品質を請け負うのは?
昔、高級品はタフでした。ヨーロッパの有名ブランド、特にバック類はそうです。ルイヴィトンは、船旅で、その真価が認められました。ゼロハリバートンは、月から月の石を運び、伝説を作りました。実感として、ブランド品はなかなか壊れません。
家電も、昔はかなり丈夫に作られていました。ところが今、日本を代表する家電はそうではないですね。大体、10年使うと元が取れた取れたとされますので、それくらいで壊れます。管理の上手い大手メーカーほど、その傾向があります。
逆に、町工場を母体とする中小企業は、今でも品質が高いことが多い。それは、壊れるモノを作ると仕事がなくなるから、という理由もありますが、もう一つは、少しでもイイ品質で、と考えている人が多いからだと思います。
日本メーカーは、メーカー毎のブランドは余り残せないかもしれませんが、「Japan made」「made in Japan」のブランドは生きています。やはりここ一番は、少し高くても日本製。頼れる日本製。それを今からも維持できたら。壊れたケースを見ながら、そう感じました。
◆多賀一晃(生活家電.com主宰)
企画とユーザーをつなぐ商品企画コンサルティング、ポップ-アップ・プランニング・オフィス代表。また米・食味鑑定士の資格を所有。オーディオ・ビデオ関連の開発経験があり、理論的だけでなく、官能評価も得意。趣味は、東京歴史散歩とラーメンの食べ歩き。