【4Kテレビのおすすめ】2020年最新版!売れ筋48V~50V型8モデルを〇×評価

家電・AV

東京五輪を見据えて準備されていた4Kテレビの新製品が続々と登場。中でも、48V~50V型クラスは、お手ごろモデルから高級機まで百花繚乱だ。今、注目のモデルを専門家がチェックした。

各社の力作がそろう、売れ筋の48V~50V型を〇×チェック!

「ステイホーム」の意識が求められている昨今、テレビが順調に売り上げを伸ばしている。「巣ごもり需要」の高まりもあるが、テレビ自体の変化も見逃せない。

今では、50V型前後のモデルも4K対応が主流で、4K放送用チューナーも標準装備。さらに、「Netflix」や「Amazonプライムビデオ」など、ネット動画配信サービスへの対応が進むなど、新たな価値も備えている。

しかも、今年は東京五輪の開催が予定されていたこともあって、各社が威信をかけて開発した力作ぞろい。特に売れ筋となる50V型前後については、お手ごろな入門機から、画質、音質に磨きをかけた高級機まで百花繚乱の様相だ。

「50V型は大きすぎる!」と思われる方も少なくないと思うが、最近のモデルは画面周辺のフレーム(ベゼル)が薄くなっているため、新しいテレビに置き替える場合、従来よりも5型前後は大画面化ができると考えていい。

しかも4Kテレビなら、1.5H(画面の高さの1.5倍)の近接視聴でも映像の粗さが気にならない。緻密で滑らかな映像が視界に広がり、その世界に引き込まれるような没入感が得られるというわけだ。

これまで55V型が最小サイズだった有機ELテレビも、待望の48V型が登場。液晶に比べるとまだまだ割高感はあるが、期待は大きく、実際、市場での評判もいい。

今回は、今盛り上がりを見せる48V~50V型にフォーカス。代表的なモデルを〇×チェックした。今が絶好の買い替えチャンス。ぜひ機種選びの参考にしてほしい。

LG「49NANO86JNA」

斜めから見ても発色、コントラストの変化が少ないIPS液晶(倍速駆動)を搭載。バックライトはエッジ配置(画面下)ながら、ユニットごとに絵柄に応じて明暗を制御する部分駆動で、コントラスト感を改善。

49V型 液晶(IPS)
LG 49NANO86JNA
実売価格例:11万8580円/発売年月:2020年6月

●HDMI入力×4●年間消費電力量/118kWh/年●サイズ/幅109.6cm×高さ71.0cm×奥行き26.3cm(スタンド含む)●重量/15.5kg(スタンド含む)

LG
49型 4Kチューナー内蔵 液晶 テレビ
49NANO86JNA
▼LG独自のNanoCellディスプレイ搭載(IPS)。▼画質・音質をコンテンツに合わせて最適化するAI統合エンジン対応。▼Alexa搭載。▼リモコンのボタンを押しながらAlexaを使って音楽再生などができます ※「Amazon Alexa」の音声認識のご利用には、インターネットへの接続、付属のマジックリモコンが必要です。(Amazon)
搭載チューナー 主な対応ネット動画
BS/110度CS4K 1 ・Netflix・Amazon
・YouTube・hulu
地デジ 2
BS/110度CS 2

抜けのいい、すっきりとした映像だが、地デジ画質は輪郭が太い

トランジスタの透明度を上げた明るいIPSパネルを使っていることもあって、抜けのいい、すっきりとした映像が楽しめる。通常のリビングのような明るい環境であれば、黒の締まりの甘さはさほど気にならず、自然な色調や細部のきめ細かさなど、メリットのほうが大きい。

HDMI入力は、4K/120pの動画に対応。PS5のようなHDMI2.1搭載の最新ゲーム機との相性もいい。

従来に比べるとだいぶ改善されてきたが、東芝やシャープなどの国産モデルに比べると、地デジ、BSの画質が見劣りする。特に輪郭が太く、細かなノイズが目につきやすい。ブーメラン型のスタンドは個性が強く、好みが分かれるところ。

採点
地デジ画質 3 4K放送画質 4
音質 3 ネット対応 3.5
操作性 3.5 ※各5点満点

LG「OLED48CXPJA」

他社に先駆け、いち早く市場導入された48V型有機ELテレビ。映像エンジンには、AI技術を駆使し、映像ジャンル、シーンごとに最適な処理が可能な「a9 Gen3 AI Processor」を投じている。

48V型 有機EL
LG OLED48CXPJA
実売価格例:23万4130円/発売年月:2020年5月

●HDMI入力×4●年間消費電力量/172kWh/年●サイズ/幅107.1cm×高さ65.6cm×奥行き24.6cm(スタンド含む)●重量/15.9kg(スタンド含む)

LG
48型 4Kチューナー内蔵 有機EL テレビ
OLED48CXPJA
▼自発光パネル搭載により、壁掛けに最適なスリムデザインを実現▼4K有機ELパネル搭載。▼画質・音質をコンテンツに合わせて最適化するAI統合エンジン対応。▼4K相当の画質に変換するアップスケーリング機能搭載。(Amazon)
搭載チューナー 主な対応ネット動画
BS/110度CS4K 2 ・Netflix・Amazon
・YouTube・hulu
地デジ 3
BS/110度CS 3

画像のきめ細かさと緻密さは、48V型の有機ELならでは

画質重視のCXシリーズの一員。最高グレードの映像エンジンを搭載したことで、輪郭のスッキリとした柔らかなタッチの映像が楽しめる。画像のきめ細かさ、緻密さは、48V型の有機ELならではだ。

特に、4K放送、UHD BDの再生になると、見た目のフォーカスの鋭さに加えて、微妙な濃淡を滑らかに描き上げ、その持ち味がさらに際立つ。4K映像のすごみをダイレクトに感じさせてくれる表現力は、大きな魅力だ。

4K放送やUHD BDと比較すると、地デジ、BSなどのHDコンテンツの表現力がいま一つ。4K有機ELとしては初めてのサイズであり、生産量も限定的なこともあって、テレビとしての割高感は否めない。

採点
地デジ画質 3.5 4K放送画質 4.5
音質 4 ネット対応 3.5
操作性 3.5 ※各5点満点

シャープ「4T-C50CN1」

低反射で高コントラスト表示が持ち味のN-Blackパネル(VA倍速液晶)を搭載。映像処理エンジン「Medalist S1」は8Kテレビの開発で培った技術、ノウハウを生かして開発された。

50V型 液晶(VA)
シャープ 4T-C50CN1
実売価格例:16万5000円/発売年月:2020年6月

●HDMI入力×4●年間消費電力量/145kWh/年●サイズ/幅112.6cm×高さ73.9cm×奥行き25.3cm(スタンド含む)●重量/23.0kg(スタンド含む)

シャープ
50V型 液晶テレビ アクオス 4K チューナー内蔵
4T-C50CN1
▼本体:幅 112.6×奥行25.3×高さ73.9(cm) 質量約23.0kg▼解像度:3,840×2,160 (4K)▼チューナー:BS4K・110度CS4K×2 地上デジタル×3 BS/CS×3
端子:HDMI×4 、USB×2(Amazon)
搭載チューナー 主な対応ネット動画
BS/110度CS4K 2 ・Netflix・Amazon
・YouTube・hulu
・dTV・ABEMA
地デジ 3
BS/110度CS 3

明るい場所でのコントラスト感は良好で、映り込みも少ない

総じて明るく、メリハリの利いた映像。色調は、やや青みが強めで、ほのかにピンクがかる女性の肌が健康的だ。苦手だった地デジ、BSなどのHD映像も輪郭がキリッと締まり、精細感が向上している。

明るい場所でのコントラスト感のよさは、N-Blackパネルの恩恵。光沢仕上げのモデルに比べ、画面への映り込みも少ない。サウンドは一定のダイナミックレンジが確保され、声の明瞭度も高い。ネット動画への対応も充実している。

暗めの視聴環境で映画をじっくり楽しむには、さらに黒を引き締め、暗部の情報を拾い上げたい。映画字幕の表示に伴う赤色ノイズも目につく。VA液晶のため、視野角による画質への影響は避けられない。

採点
地デジ画質 4 4K放送画質 4
音質 3.5 ネット対応 4.5
操作性 3 ※各5点満点

ソニー「KJ-49X8500H」

4Kブラビアの主力となるX8550H/X8500Hシリーズの49V型。同シリーズは基本的にIPS液晶だが、49V型に限り、倍速駆動のVA液晶を搭載する。映像エンジンは標準グレードの「HDR X1」。

49V型 液晶(VA)
ソニー KJ-49X8500H
実売価格例:16万5000円/発売年月:2020年4月

●HDMI入力×4●年間消費電力量/147kWh/年●サイズ/幅109.8cm×高さ69.9cm×奥行き27.9cm(スタンド含む)●重量/13.7kg(スタンド含む)

ソニー
49V型 液晶テレビ ブラビア
KJ-49X8500H
▼Android TV 機能を搭載。▼「Prime Video」「You Tube」「TVer」などのネット動画や音楽、ゲーム、知育など好きなアプリを自由に追加して楽しめるスマートテレビ▼テレビ本体のスピーカーで、前後左右に加え、高さ方向の音表現も可能にする立体音響技術「ドルビーアトモス」に対応(Amazon)
搭載チューナー 主な対応ネット動画
BS/110度CS4K 2 ・Netflix・Amazon
・YouTube・hulu
・dTV・ABEMA
地デジ 2
BS/110度CS 2

派手めで、見栄えのする絵作り。ネット動画への対応もほぼ完璧

液晶の主力である8000シリーズとしては唯一、VA液晶を搭載している貴重なモデルで、さすがに黒の引き込みが強く、色もしっかりと乗せている。

派手めで、見栄えのする絵作りはブラビアの本流。さまざまなシーンを見ても安定感があり、コントラスト感、色再現ともに不自然にならない。ネット動画への対応も完璧に近く、アップル製品向けのAirPlay2、Homekitにも対応済みだ。

正面コントラストはいいが、やや斜めから見ると、黒が浮いて色調も変わりやすい。4K放送に比べると、地デジ、BSは輪郭が太く、細部の描写が甘い。スピーカーはバスレフ型だが、下向きのため、人の声がこもりやすく、画面下から聴こえる。

採点
地デジ画質 3 4K放送画質 4
音質 3 ネット対応 4.5
操作性 4 ※各5点満点

東芝「50M540X」

クラウド連係により高画質処理を実現する「レグザエンジンCloud」を搭載。液晶は標準駆動のVAパネル。操作時の応答遅延を低減する「瞬速ゲームモード」を選ぶと、約0.83ミリ秒まで短縮できる。

50V型 液晶(VA)
東芝 50M540X
実売価格例:10万4210円/発売年月:2020年2月

●HDMI入力×4●年間消費電力量/86kWh/年●サイズ/幅111.2cm×高さ68.2cm×奥行き20.7cm(スタンド含む)●重量/13.5kg(スタンド含む)

東芝
50V型 液晶テレビ レグザ
50M540X
▼刻々と変化する視聴環境に合わせ、AIが画質を自動調整。▼ネット動画も美しく楽しめる▼壁掛け対応:テーブルマウント▼解像度:4K▼ネットワーク:Wi-Fi, HDMI▼ディスプレイ技術:発光ダイオード(Amazon)
搭載チューナー 主な対応ネット動画
BS/110度CS4K 2 ・Netflix・Amazon
・YouTube・hulu
・dTV・ABEMA
地デジ 3
BS/110度CS 3

地デジ、BSの画質レベルは高い。ゲーム時の応答遅延も短縮

標準駆動のVA液晶と標準グレードの映像エンジンだが、地デジ、BSの画質レベルは高い。輪郭にまとわりつくノイズや精細感は上級機同等とはいえないが、輪郭は細く、斜めのラインも荒れが少ない。

そして、ゲームユーザーにとって気がかりな応答遅延、入力遅延は、いずれも4K液晶としてはトップレベル。パソコンゲームで使われる2560/60pのHDMI入力も可能。

視野角による画質への影響は大きく、画面中央から外れると、人肌の色調が微妙に変わってしまう。明るさ重視のパネルのためか、動きを伴う輪郭部分で赤の残像が目につきやすい。バスレフ型のフルレンジスピーカーは下向き設置のため、セリフが画面下から聴こえやすい。

採点
地デジ画質 3.5 4K放送画質 3.5
音質 3 ネット対応 4
操作性 4 ※各5点満点

東芝「48X8400」

有機ELレグザのスタンダード機。映像エンジンは「レグザエンジンCloud Pro」。コンテンツごとの画質特性を把握し、ネット経由で最適な処理を行うクラウドAI高画質テクノロジーを実用化した。

48V型 有機EL
東芝 48X8400
実売価格例:24万2000円/発売年月:2020年7月

●HDMI入力×4●年間消費電力量/182kWh/年●サイズ/幅106.8cm×高さ66.3cm×奥行き22.9cm(スタンド含む)●重量/16.5kg(スタンド含む)

東芝
有機EL 4K REGZA
48X8400
▼画素数:3840×2160▼チューナー:地上デジタル×3、BS4K・110度CS 4K×2、BS・110度CSデジタル×3▼スピーカー:フルレンジ/4個、ツィーター/2個(Amazon)
搭載チューナー 主な対応ネット動画
BS/110度CS4K 2 ・Netflix・Amazon
・YouTube・hulu
・dTV・ABEMA
地デジ 3
BS/110度CS 3

精細感に富んだ描写。クラウドを利用し、自動で映像調整も行う

レグザ待望の48V型有機ELテレビで、地デジ、BS、4Kと、従来に増して精細感に富んだ緻密な描写を楽しませる。

最大の注目は、クラウドAI高画質テクノロジー。これは、クラウド上に用意した映像調整用のデータバンクをレグザのメモリーに格納し、各番組に応じた最適な映像調整を自動で行うというもの(おまかせAIモード選択時)。

4Kと地デジで放送している連ドラ、大河ドラマ(NHK)など、両者の色調の違いに違和感を持つことがあるが、これも完璧な調整で、自然な色調、コントラスト感が得られる。

タイムシフト録画機能は非搭載。この機能が必要な場合は、秋発売予定の上級グレードを待たなければならない。

採点
地デジ画質 4.5 4K放送画質 4.5
音質 3 ネット対応 4
操作性 4 ※各5点満点

パナソニック「TH-49HX850」

倍速仕様のIPSパネルを搭載した高級スタンダード。映像エンジンは「ヘキサクロマドライブ」の改良版。LEDバックライトは、エッジ配置ながら部分駆動に対応。お部屋ジャンプリンクも、4K放送対応だ。

49V型 液晶(IPS)
パナソニック TH-49HX850
実売価格例:15万4110円/発売年月:2020年6月

●HDMI入力×4●年間消費電力量/130kWh/年●サイズ/幅109.9cm×高さ69.4cm×奥行き24.5cm(スタンド含む)●重量/20.5kg(スタンド含む)

パナソニック
49V型 4Kダブルチューナー内蔵 VIERA
TH-49HX850
▼4Kダブルチューナー内蔵 液晶ビエラ。▼色鮮やかな映像が楽しめる。▼「AI HDRリマスター」の進化により新4K衛星放送がさらにキレイに▼上下左右から音に包まれる迫力の立体音響「Dolby Atmos(R)(ドルビーアトモス)」▼地震に強く倒れにくい「転倒防止スタンド」(Amazon)
搭載チューナー 主な対応ネット動画
BS/110度CS4K 2 ・Netflix・Amazon
・YouTube・hulu
・dTV・ABEMA
地デジ 3
BS/110度CS 3

明るく、クッキリとした映像。ニュートラルな色調は王道の絵作り

絵柄に応じてLED光量をユニット単位で制御し、同時に電気的な補正を加えるというダブルエリア制御の効果か、明るく、クッキリとして、リビングユースではコントラスト感にも余裕が感じられる。自然な肌色を大切にしながら、癖のないニュートラルな色調に仕上げていくという王道を行く絵作りだ。

強い揺れでも倒れにくい、吸着機能付き転倒防止スタンドも搭載済み。画面下の吸着オン/オフボタンで、取り外しも簡単だ。

4K放送と地デジ、BSの画質差が大きい。特にワイドでとらえた絵柄では、輪郭が太く、ディテールも甘く感じられる。明かりを落とした環境での映画鑑賞では、暗部のグラデーションにもう少し力強さが欲しい。

採点
地デジ画質 3.5 4K放送画質 4
音質 3.5 ネット対応 4
操作性 4 ※各5点満点

パナソニック「TH-49GR770」

スタンド部にBD/HDDレコーダーを内蔵し、「録る・見る・残す」が一台行える。HDD容量は2Tバイトで、4K+HDのダブル録画も可能だ。表示パネルには、IPS液晶(標準駆動)を採用している。

49V型 液晶(IPS)
パナソニック TH-49GR770
実売価格例:21万2400円/発売年月:2020年1月

●HDMI入力×2●年間消費電力量/130kWh/年●サイズ/幅110.6cm×高さ69.6cm×奥行き30.1cm(スタンド含む)●重量/19.5kg(スタンド含む)

パナソニック
49V型 4Kダブルチューナー VIERA
TH-49GR770
▼2TB HDD&BDドライブ内蔵。▼これ1台で新4K衛星放送を録る・見る・残す▼独自の圧縮技術を搭載した「新4K衛星放送の4K長時間録画」対応▼部屋のどこからでも快適視聴「高輝度IPSパネル」搭載(Amazon)
搭載チューナー 主な対応ネット動画
BS/110度CS4K 2 ・Netflix・Amazon
・YouTube・hulu
・dTV・ABEMA
地デジ 3
BS/110度CS 3

4K対応レコーダーを本体に内蔵。画質もスッキリと抜けがいい

標準駆動のIPS液晶とスタンダードタイプの映像エンジンの組み合わせで、スッキリと抜けのいい映像を楽しませる。画質は平均的だが、これといった欠点もなく、リビングのテレビとして満足できる。

4K録画もDR録画(※放送された映像・音声を、そのまま記録するモード。)のほか、4K長時間録画モードにも対応。外付けの機材を加えることなく、放送の視聴、録画、ディスク再生まで楽しめるという手軽さは魅力的だ。ケーブルの接続や、その煩雑さに悩まされる心配もない。

テレビとレコーダーを一体化したメリットは大きいが、長く使うテレビとして考えると、レコーダーが時代後れとなる可能性が高く、その耐久性にも不安が残る。開発時期の関係か、好評の転倒防止スタンドも非搭載。

採点
地デジ画質 3 4K放送画質 3.5
音質 3.5 ネット対応 4
操作性 4 ※各5点満点

サイズと画素数のバランスがよく、割安感もある55V型の注目はコレ!

せっかくテレビを買い替えるなら、さらにワンランク上の大画面をねらいたい、という方も少なくないだろう。私のおすすめは、ズバリ55V型だ。

液晶、有機ELを問わず、4Kテレビの製品数が多く、売り上げが伸びていることもあって、60V型以上の製品に比べると割安感のあるモデルが多い。

画面サイズと画素数のバランスも良好で、2H(画面の高さの2倍)前後の近接視聴でも画像の粗さは気にならない。しかも、ミニマルデザインの浸透によって、50V型前後のテレビとの入れ替えも可能だ。

ここでは、注目の55V型3モデルを紹介しよう。

パナソニック・TH-55HZ1000は、上位モデルの開発で培った技術、ノウハウを投じることで、基本画質に磨きをかけた。実際の画質でも、黒の締まり、艶、ハイライトの輝きと、有機ELの持ち味をしっかりとアピールする。派手すぎず、ニュートラルな色調も好印象だ。

55V型 有機EL
パナソニック TH-55HZ1000
実売価格例:26万5800円/発売:2020年6月

豊かな階調性と自然な色調は上位機並み

豊かな階調性や自然な色調など、画質は上級機の55HZ1800と変わらない。Dolby Vision再生時に、視聴環境も加味して最適なバランスで表示する「Dolby Vision IQ」も新たにサポートしている。

パナソニック
55V型 4Kダブルチューナー内蔵 VIERA
TH-55HZ1000
▼4Kダブルチューナー内蔵 有機ELビエラ。▼美しい色彩を再現する。▼暗部のコントラスト表現を強化「Dot Contrastパネルコントローラー」
上下左右から音に包まれる立体音響技術「Dolby Atmos(ドルビーアトモス)」▼地震に強く倒れにくい「転倒防止スタンド」にスイーベル(首ふり)機能を新たに搭載(Amazon)

シャープ・4T-C55CQ1は、同社初の有機ELテレビ。パネルは、他社と同じLGディスプレイ製で、映像エンジンは8Kテレビの開発で培った技術を投じた「Medalist S1」。実際の映像もメリハリが利いて、明るく、細部の見通しがいい。画面の角度を視聴位置に合わせて回転できるスタンドも備える。

55V型 有機EL
シャープ 4T-C55CQ1
実売価格例:27万5840円/発売:2020年5月

絵作りは明るく、人肌を重視した色調

基本的な絵作りは明るく、メリハリの利いた画調、健康的な人肌を重視した色調など、これまでのアクオス路線を踏襲している。地デジ、BSなどのHDコンテンツの再現性も良好。

シャープ
55V型 有機EL テレビ
4T-C55CQ1
▼本体:幅 122.8×奥行29.0×高さ77.1(cm) 質量約28.0kg▼解像度:3,840×2,160 (4K)▼チューナー:BS4K・110度CS4K×2 地上デジタル×3 BS/CS×3▼端子:HDMI×4 、USB×2▼スピーカー:最大出力65w 2.1ch 3ウェイ 7スピーカー(Amazon)

液晶なら、ソニー・ブラビアの最高峰、KJ-55X9500Hで決まりだ。部分駆動で黒を引き締め、同時に明部に電流を集中させて白を伸ばす高コントラスト調の絵作りで、明るく、華やかな色再現が特徴的だ。

独自の広視野角技術により、斜めからの視聴でも、コントラスト感、色調ともに変化は少ない。コントラスト感は多少犠牲になる印象だが、視野角が広がるメリットは大きい。

55V型 液晶(VA)
ソニー KJ-55X9500H
実売価格例:21万4150円/発売:2020年6月

メリハリの利いた明るい4K映像

液晶テレビの泣きどころとなる視野角の問題に鋭いメスが入り、メリハリの利いた明るい4K映像を楽しませる。ネット動画アプリの起動も素早く、ネット動画とテレビ番組の切り替えもスムーズ。

ソニー
55V型 液晶テレビ ブラビア
KJ-55X9500H
▼Android TV 機能を搭載。▼「Prime Video」「You Tube」「TVer」などのネット動画や音楽、ゲーム、知育など好きなアプリを自由に追加して楽しめるスマートテレビ▼「アコースティック マルチ オーディオ」により、画面下部のフルレンジスピーカーに加え、背面上部にサウンドポジショニング トゥイーターを搭載し、音の定位感を大幅に向上。▼まるで音が映像から聴こえるようなリアルな臨場感を味わえます(Amazon)

※価格は記事作成当時のものです。

■解説/藤原陽祐(AV評論家)

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特選街web編集部

1979年に創刊された老舗商品情報誌「特選街」(マキノ出版)を起源とし、のちにウェブマガジン「特選街web」として生活に役立つ商品情報を発信。2023年6月よりブティック社が運営を引き継ぎ、同年7月に新編集部でリスタート。

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