【ブリヂストンのミュージアム】Bridgestone Innovation Gallery がオープン!

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ブリヂストンは11月21日、同社の歩みやDNA、事業活動、さらに未来に向けた活動を紹介するミュージアムとして「ブリヂストン イノベーションギャラリー」を東京都小平市にオープンさせた。本施設は同社が建設を計画している「Bridgestone Innovation Park(ブリヂストン イノベーション パーク)」の最初の施設となるもので、今後は社内外の交流を促進する施設やテストコースなどを備えた施設として発展させる。

執筆者のプロフィール

会田 肇(あいだ・はじめ)

1956年茨城県生まれ。大学卒業後、自動車系出版社の勤務を経てフリージャーナリストとして独立。カーAVやカーナビなど、カーエレクトロニクスの分野を中心にレポート活動を展開しつつ、カメラ系の評論も行う。日本自動車ジャーナリスト協会会員。
▼日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ会員)
▼走りも楽しいエコカーの実力(イミダス)

ブリヂストン イノベーションギャラリーとは

ブリヂストン イノベーション パークの最初の施設

この施設は、2001年に開館した「Bridgestone TODAY」を全面改装して完成させたもので、ブリヂストン社の歴史をはじめ、タイヤに関する様々な知識や、同社が手がけるタイヤ以外のイノベーション、さらに将来へ向けた取り組みなどがわかりやすく紹介されている。リニューアルオープンは当初、2020年春を予定していたが、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、この日のオープンとなった。

「Bridgestone Innovation Gallery」の入口。右のタイヤは世界最大級の大きさ

ブリヂストンが東京・小平市に計画中の「Bridgestone Innovation Park」の全体図

ブリヂストンの誕生、現在、未来を4つのパーツに分けて展示

館内は大きく「WHO WE ARE〜挑戦の歩み」「WHAT WE OFFER〜モビリティ社会を支える」「HOW WE CREATE〜創造と共創」「WHERE WE GO〜新たなチャプターへ」の4つのゾーンに分けて展示されている。

創業者の石橋正二郎氏と創業当時のタイヤ(レプリカ)も展示。右上にあるのがその広告

2キロごとにブリヂストンの取扱店を用意したことで顧客の信頼性向上に貢献した

(1)WHO WE ARE挑戦の歩み

「WHO WE ARE〜挑戦の歩み」では、ブリヂストンが挑戦してきた歴史やグローバル企業として躍進する取り組みなど、その歩みやDNAを感じられるゾーンとしている。

同社の創業者である石橋正二郎氏の生い立ちに始まり、ブリヂストンが純国産タイヤメーカーとして創業し、海外やモータースポーツへ進出するまでの流れが一望できる。展示物も豊富で貴重なものも多数。創業当時のタイヤ(レプリカ)の他、ブリヂストン初のラジアルタイヤ、広告に使ったブリキ看板など懐かしくもあり、興味深い展示となっていた。

創業者の石橋正二郎氏と創業当時のタイヤ(レプリカ)も展示。右上にあるのがその広告

2キロごとにブリヂストンの取扱店を用意したことで顧客の信頼性向上に貢献した

F1用タイヤを開発するために実際にテストで使用されたF1マシン。これを契機にグローバル化も推進させた

(2)WHAT WE OFFERモビリティ社会を支える

「WHAT WE OFFER〜モビリティ社会を支える」は、ゴムなどの素材そのものやタイヤの構造について学習できるコーナーであると同時に、自転車、乗用車用タイヤから航空機タイヤまで様々なタイヤなど幅広い製品群によって社会を支えているブリヂストンの“今”を紹介している。

ここでは、参加型の展示も多く、様々なゴム素材を引っ張ってその違いを知るコーナーや、上から落として男性の誓いを体感するコーナーなどを用意。空気が抜けても走れるランフラットタイヤの解説やブリヂストンの軽量化技術「ENLITEN(エンライテン)」など、タイヤの最新技術を知ることもできるのも見逃せない。

ブリヂストンが扱う様々な種類のタイヤを展示し、それがどんな用途に使われているかクイズ形式で展示されている

タイヤの製造工程をタイヤの素材とと共に順を追ってわかりやすく解説されている

(3)HOW WE CREATE創造と共創

「HOW WE CREATE〜創造と共創」では、ブリヂストンが手掛けるスポーツ製品や建築ソリューションなど、現在開発中のものも含めて多様なイノベーションの取り組みを体感できる。

NVHソリューションシミュレーターでは騒音、振動、ハーシュネスの発生具合とそれを抑制する効果などを体験。ゴルフのスイングフォームを録画して骨格の動きと体重移動の流れを解析するコーナーも用意されている。また、ブリヂストンによるアスリートやパラアスリートへの支援活動についても紹介されていた。変わったところでは、サイホン原理による新しい排水システム「スマートサイホン」のデモ装置で、ブリヂストンの幅広い事業内容を知ることができる。

騒音や振動、ハーシュネスを座って体感できるNVHソリューションシミュレーター

オリンピック用に開発されたフルカーボン製自転車で、重量は7kgにも満たないという

ゴムと樹脂を分子レベルで結びつけた世界初のポリマー「SUSYM(サシム)」を使ったタイヤ(コンセプト)

タイヤで最も重要なパターン作りの現場を再現した展示。映像と実物で手彫りする様子が解説される

(4)WHERE WE GO新たなチャプターへ

個人的にもっとも興味深かったのが「WHERE WE GO〜新たなチャプターへ」だ。ここでは映像が流れる通路を通ってブリヂストンが描く未来を感じ取れる展示となっており、ブリヂストンが誇る最新テクノロジーが紹介されている。

中でも圧巻だったのは、JAXAとトヨタが開発中の月面探索車(ローバー)用のタイヤの展示だ。注目は使われている素材で、一見してゴムにも見えるタイヤに使われているのは金属で織り込んだ特殊な素材。月面温度は昼夜の寒暖差が280度もあり、とてもゴム製タイヤでは対応できない。重量は1本300kgもあるということだが、重力は地球の1/6になるため50kg相当になる。展示からはそんな月面で活躍するローバーの姿が目に浮かんで来るようだ。

JAXAとトヨタが開発中の月面探索車(ローバー)用のタイヤ。素材は金属などの特殊な素材でできており、重量は1本で約300kgもある

インホイールモーターのEV(電気自動車)向けに開発されたワイヤレス給電が可能なタイヤ

ギャラリーを回って感じたのは、クルマやタイヤに少しでも興味があれば、ぜひ一度は訪ねてみたくなるスポットであったということ。子供が楽しめるコーナーも用意してあり、知らず知らずのうちにタイヤを身近に感じられるようになる。家族で訪れてもいい。週末の土曜日なら単なる時間つぶし以上の収穫が得られると思う。

2017年のインディ500でブリヂストン傘下のファイアストン・タイヤを履いて優勝した佐藤琢磨選手のマシン(レプリカ)

「ブリヂストン イノベーションギャラリー」へのアクセス

「ブリヂストン イノベーションギャラリー」はJR山手線・高田馬場駅から西武線に乗って30分ほどの小川駅東口から徒歩で5分程度で着く。東京都心から少し離れた小平市にあるが、実際に乗り継いでいくとアクセスは比較的良い。入場料は無料。日曜/祝日と年末年始は休館日となる。なお、クルマでの出掛けた場合は無料の駐車場が利用できる。

◆取材・文/会田 肇(フリージャーナリスト)

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会田肇(フリージャーナリスト)

1956年、茨城県生まれ。明治大学政経学部卒。専門はカーAV、カーナビ、ビデオカメラ、デジタルカメラの批評。デジタルカメラグランプリの審査員。世界各国のモーターショーやITS世界会議のイベント取材に定評がある。

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